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ロックダウン中にショートムービーを製作していた映画監督たち

新型コロナウィルス拡大によるロックダウンで世界中の映画人はやむなく活動停止に追い込まれているが、自粛生活の中でもクリエイティビティを発揮している人々がいる。

NYの名匠マーティン・スコセッシ監督は、英国BBCで“Lockdown Culture with Mary Beard”のエピソードの1本として、この待ちつづけている時間を利用してショートムービーを撮影。スコセッシ監督は「この強制的な生活の中から得たことを次にとりかかることに生かすのだ! あなたが愛し、絶えず気にかけている人々に対し、どれだけの愛を注ぎ込むことができるのか?」と述べています。これからの自身の映画製作への何らかの変化は免れられないという所信表明ともとれます。


同じNYを代表するもう一人の映画監督スパイク・リーもコダック・スーパー8フィルムで撮影された我が街、ニューヨークへの思いを込めた映像をフランク・シナトラの“ニューヨーク・ニューヨーク”に乗せて綴っています。

ショートムービー『NewYork NewYork』by スパイク・リー

ヒット作『シャザム!』の続編』が期待されるスウェーデン出身で現在ロサンゼルス在住の映画監督デヴィッド・F・サンドバーグは以前から自宅で撮り続けているショートムービー作品を自宅での自粛生活中でも撮り溜めています。ホラー作品を志向しているサンドバーグ監督は、ponysmasher名義でショートムービーを公開しています。自宅を撮影場所にして撮影から編集までサンドバーグ自身によるもので、出演者も毎回、妻で俳優のロッタ・ロステンただ一人。ショートホラー『Lights Out』が500万回再生されて一躍話題となり、長編・劇場版の『ライト/オフ』を500万ドルで製作、1億ドルを稼ぎ出しヒットメーカーへと躍り出ました。

ロックダウンによる隔離時間に自宅で撮影された最新ホラーが『Not Alone in Here』サンドバーグ監督が撮影から全てをD.I.Y.感覚で製作しています。主演も妻のロッタ・ロステンの完全独り芝居。隔離生活中のストレスから生まれたかのようなこの短編が長編・劇場作品となる日もあるかもしれません。

『Not Alone in Here』

フランス出身、数々のミュージック・ビデオで名を馳せたミッシェル・ゴンドリー監督(『ヒューマン・ネイチュア』『エターナル・サンシャイン』)の場合、ロックダウンで祖国フランスへは帰ることは叶わないが、止められようが何としてでも帰りたいという切ない願望をゴンドリー監督自らがロサンゼルスからフランスへ無謀にも渡ろうとする旅にしてアニメーションによってユーモラスに表現。

『Une petite visite à mon collège』

ロックダウン中のクリエイターたちが粛々と行うこうした活動は、ネットで気軽に楽しめるエンタメとして、また彼らがこうした前代未聞の時をどんなことを考えながら過ごしているのかを知らせてくれています。

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