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タランティーノによる2010年代ベストシネマは何と⁈この映画!

クエンティン・タランティーノといえば、レンタルビデオ屋の店員から映画に埋もれながら脚本を書いて作品化し、世界屈指の映画監督の一人へと昇りつめた人。

筆者は『パルプ・フィクション』公開時に来日したタランティーノ監督への単独TVインタビューで取材部屋へ入る際、“山・川”の合言葉をやりたいと伝えるとタランティーノご本人も超乗り気。取材部屋の入り口でドアチェーンロック越しに、タランティーノ:「欣二(キンジィ?)」、筆者:「深作(フゥカァサクゥ~)」という故・深作欣二名監督を合言葉として部屋へと招いてもらったことが今でも忘れられない。彼はとにかく大の日本映画通であり、アジア映画マニア。

そのシネフィルぶりは相変わらずなようで『ワンス・アポン・タイム・イン・ハリウッド』プロモーション来日の際、蔵原惟繕監督の『栄光への5000キロ』(1969)の英語字幕付きDVDを持っている人がいたら、ください!と記者団に逆質問したほど。

西部劇への偏愛ぶりが続いたかと思えば、昨年の傑作『ワンス・アポン・タイム・イン・ハリウッド』で自身が愛したハリウッドへの映画愛を爆発させた。

そんなタランティーノ監督が選んだ2010年代のベストシネマは意外性に富んだ作品だった。

そのタイトルは本人曰く、「疑問の余地などなく、同じ10年間で製作された全ての映画を蹴散らしてデビッド・フィンチャー監督作『ソーシャル・ネットワーク』(2010)で決まり!」なのだそうだ。

ちなみにタランティーノの昨年のお気に入り映画は『クロール 狂暴領域』(2019)だそうで、日本でも公開時にマニアなファンを呼び寄せましたが、これも少々意外なセレクトな気も。

公開当時、映画批評家から絶賛された『ソーシャル・ネットワーク』は、SNSサイト、フェイスブック創業時のマーク・ザッカーバーグを描いた単なる評伝では終わらないザッカーバーグ自身の光と影を感じさせるストーリー。

原作のノンフィクションありきだが、原作執筆と同時に映画脚本は脚本家アーロン・ソーキンによって書かれたものでアカデミー賞脚色賞、他2賞を見事受賞しています。ソーキンは『ソーシャル・ネットワーク』以降、『マネーボール』(2011)『スティーブ・ジョブズ』(2015)『モリーズ・ゲーム』(2017・初監督作)といった実在の人物の事実と映画としてのエンタメを絶妙のバランスで描くことに非常に長けた脚本家。

映画的記憶の断片を寄せ集めたおもちゃ箱をひっくり返したかのような架空のストーリーが展開するタランティーノの作風とは対照的に、実在の人物を多層的かつリアルに表現するアーロン・ソーキン。映画監督引退宣言から察するとあと一本撮るか撮らないかのタランティーノとソーキンが今後タッグを組むことはないのかもしれませんが、タランティーノ自身の作家としての興味の変遷に多大なる影響を与えていることは間違いないでしょう。

ソーシャル・ネットワーク
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、アーミー・ハマー、ルーニー・マーラ他

ソーシャル・ネットワーク/ソニーピクチャーズ公式サイト

現在、TSUTAYA TVにて、『ソーシャル・ネットワーク』をご覧になれます。

動画配信サービス【TSUTAYA TV】


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