「Drive」ただ、守りたかった。すべてを無くしてでも。
寡黙な“ドライバー”
昼間は自動車修理工場で働きながらたまに映画のカースタントを請負い、時に“逃がし屋”として悪事の手助けをして生活の糧を得ている“ドライバー”(ライアン・ゴズリング)。
寡黙な彼は危険に満ちたカースタントも逃がし屋の仕事も、実に淡々とこなしていく。傍目から見れば危険な仕事も彼にとってはなんでもないかのようだ。
それだけに、それらの“仕事”だけで日々を過ごしている彼の暮らしは慎ましく、寂しそうに見える。
そんな彼の日常に、変化が訪れる。
同じマンションに住むアイリーン(キャリー・マリガン)との出会いだ。キュートでコケティッシュな魅力のあるアイリーンには幼い息子のベニッシオがおり、3人は急速に親しくなってゆく。
名もなき“彼”の哀しみと優しさが同居する瞳。
孤独でいろどりのなかった彼の人生に、よろこびの時間が訪れる。3人での寄り道ドライブ、アイリーンと二人でのドライブデート、それまで仕事でしかなかったドライブが、幸せに満ちたものになるのだ。
哀しみを宿していた彼の瞳に優しい光が灯る。
アイリーンとベニッシオの日常に溶け込む彼の姿は、静かな優しさに満ち溢れている。
だが、幸せの時間は長くは続かなかった。
ふたりのために、幸せを感じた唯ひとときのために、彼はある“選択”をする。孤独な男の切なすぎる愛に、誰もが胸を締めつけられるだろう。
哀しみと優しさの中に現れる一瞬の狂気が秀逸な主演のライアン・ゴズリング、可愛らしさだけではなく女として、母親としての心の動きを繊細に表現した演技派女優キャリー・マリガン、本作で数多の助演男優賞を獲得した名優アルバート・ブルックス。
俳優陣の演技の素晴らしさと無駄を削ぎ落としたストーリー構成、ニコラス・ウィンディング・レフン監督独特の色彩感覚のコラボレーションによって生まれた現代のフィルム・ノワールをぜひご覧ください。
『Drive』予告編
Awards:
- 仏・カンヌ国際映画祭 監督賞
- 米・ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
- 米・ニューヨーク映画批評家協会賞 助演男優賞
- 全米映画批評家協会賞 助演男優賞
- 米・ボストン映画批評家協会賞 助演男優賞・音楽賞
- 米・シカゴ映画批評家協会賞 助演男優賞
- 米・放送映画批評家協会賞 アクション映画賞
- 米・サテライト賞 映画主演男優賞・映画助演男優賞・監督賞
『Drive』(2011年・アメリカ・1時間40分)
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、アルバート・ブルックス、オスカー・アイザック、クリスティーナ・ヘンドリックス、ロン・パールマン
© 2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved.
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