『パリのどこかで、あなたと』孤独や不安を抱え、本当のつながりを求める大人の姿を描く
現代を映し出すフランスの名手、セドリック・クラピッシュ監督最新作!
Story:
パリで癌の免疫治療の研究者として働いているメラニー。
1年前に恋人と別れてから、出会いを求めマッチングアプリで一夜限りの恋を繰り返していたがありのままの自分をさらけ出すことができずに悩んでいた。
倉庫で働くレミーはおとなしい性格で、同僚が解雇される中、自分は昇進することへの罪悪感とストレスを抱えていた。
それぞれの抱える悩みやストレスから、メラニーは過眠症に、レミーは不眠症になりセラピーに通い始める。
憧れの街パリで不器用に生きる2人。
隣り合うアパートメントで暮らしながらも、街ですれ違い、同じ店で買い物をし、同じ電車に乗っていても知り合うことはない。
Behind The Inside:
時代を映し出す名手、セドリック・クラピッシュ監督
人は大勢いても友達や大切な人とはなかなか出会えない、都会の、そして現代の大人の孤独や不安とともに生きる姿を、時代を映し出す名手、セドリック・クラピッシュ監督が繊細に描く。
メラニーを演じるのはフランスの映画やテレビ、演劇界で活躍するアナ・ジラルド。
かたやレミーを演じるのは、第72回カンヌ国際映画祭で、将来の活躍が期待される若手俳優に贈られるショパール・トロフィーを受賞し、フランスで大人気のフランソワ・シヴィル。
手軽な出会いや楽しみは山ほどあっても、だからこそ真剣な出会いや本当の人とのつながりは難しい、そんな現代の誰もが抱えているであろう悩みや不安を、名監督の手腕と主演ふたりの丁寧な演技で描きだした本作は、大いに共感を呼ぶことうけ合い。
悩みを描きながらも暗くなりすぎず、あたたかさとユーモアを交えて描かれる‘今’を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
Must Point:
主役ふたりはクラピッシュ監督の前作『おかえり、ブルゴーニュへ』で姉弟役を演じており、本作で2度目の共演となる。
クラピッシュ監督が気に入った俳優を繰り返し出演させるのは周知の事実で、ふたりは見事「クラピッシュ組」に入ったといえるだろう。
ちなみに、クラピッシュ監督作品の常連として知られるジヌディーヌ・スアレムは今回も出演している。
また、同じくクラピッシュ監督作品の常連であり『猫が行方不明』でのマダム・ルネ役が印象的だった、御年100歳を迎えたルネ・ル・カルムは本作が最後の出演となった。
ご冥福をお祈りいたします。
『パリのどこかで、あなたと』(2019年・フランス・1時間51分)
監督:
セドリック・クラピッシュ
出演:
アナ・ジラルド、フランソワ・シヴィル、ジヌディーヌ・スアレム、ルネ・ル・カルム
© 2019 / CE QUI ME MEUT MOTION PICTURE – STUDIOCANAL – FRANCE 2 CINEMA
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