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第22回東京フィルメックス、第34回東京国際映画祭、有楽町、日比谷、銀座エリアで同時開催‼、 『偶然と想像』、クリント・イーストウッド主演・監督作『クライ・マッチョ』

第22回東京フィルメックスと第34回東京国際映画祭が有楽町、日比谷、銀座エリアで同時開催

第22回を迎える東京フィルメックスは10月30日から有楽町エリアにメイン会場を置き、朝日ホールにて開会式が執り行われた。


開会式後は、特別招待作品、濱口竜介監督作『偶然と想像』が主要キャストと濱口監督による舞台挨拶後にオープニング作品として上映され、その後のQ&Aでは、濱口監督、出演の中島歩、神谷直希プログラム・ディレクターによるMCの元、多くの質問が集まる中、終始和やかに質疑応答が行われた。

『偶然と想像』 は、「偶然」という共通の主題を持つ、それぞれ異なる3つの短編から成るアンソロジー作品。


『偶然と想像』予告編 – 12/17(金)Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー

12/17(金)Bunkamuraル・シネマ他全国ロードショー『偶然と想像』日本版予告編第71回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)受賞第22回東京フィルメックスオープニング作品公式サイト)https://guzen-sozo.incline.life/公式Twitter)@FilmWFF https:/…

『偶然と想像』 予告編

登場人物たちの交わす会話は、映画の虚構の枠を超え、現実世界の真理を突くような、実際にありそうなシニカルな話ばかりで、台詞のひとつひとつ、また俳優陣のリアクションに一喜一憂する楽しさに溢れている。

どこかエリック・ロメールやホン・サンスの作品世界を思わせる優しさと皮肉がない交ぜとなったリアリティを孕んだ会話劇となっており、必見の作品。



映画『偶然と想像』公式サイト|濱口竜介監督 第71回ベルリン国際映画祭 銀熊賞(審査員グランプリ)受賞、第22回東京フィルメックスオープニング作品観客賞受賞

12/17(金) Bunkamuraル・シネマほかロードショー|第1話『魔法(よりもっと不確か)』古川琴音 中島歩玄理第2話『扉は開けたままで』渋川清彦森郁月 甲斐翔真 第3話『もう一度』占部房子 河井青葉


東京フィルメックス・コンペティションは、幅広くアジア地域から選びぬかれた全10作品が出そろった。

時代の流れを加速させたコロナ禍による劇場映画業界の変容、その先を見据えた映画祭運営の裏に見え隠れする海外の映画祭に似た思想、等、確固としたスタンスに22回目を迎えた東京フィルメックスのプライドのようなものが感じられるようになってきた。

東京国際映画祭のオープニング作品は、クリント・イーストウッド主演・監督作『クライ・マッチョ』

そして、今年から同じ有楽町、日比谷、銀座エリア開催となった東京国際映画祭は、フィルメックスの頭脳であった市山尚三氏を新たなプログラム・ディレクターに迎え、第34回という開催回数の文字は表面上ではほぼ消失し、”TOKYO FILM 2021″と、心機一転の心意気を感じずにはいられない。

22回開催し、世界へ羽ばたいていった映画作家を育てた映画祭を見習って34回を迎えた古参の国際映画祭の立て直しをしているようにも感じられる今年である。

将来は、ベルリン映画祭にとってのフォーラム部門、カンヌ映画祭にとっての批評家週間のような運営母体は違っても同時期同エリア開催とし、互いを補完し合う関係性の二つの映画祭へと育っていくのかもしれない。

Home Page – 第22回「東京フィルメックス」

監督:アレクサンドレ・コべリゼ(Alexandre KOBERIDZE)『見上げた空に何が見える?』What Do We See When We Look at the Sky? ドイツ、ジョージア / 2021 / 150分 副賞として賞金50万円が監督に授与されます。 授賞理由; この、クタイシという街についての美しいポートレイトにおいて、カメラは人々や動物たち、木々や雨どいなど存在するすべてのものに平等な視線を注ぐ。一方的な暴力装置にもなりうる映画=カメラを使いながら、本作品では被写体とフェアな関係を結ぶことに成功し、イメージは映画と世界との対話へと開かれてゆく。魔術のように突拍子もないフィクションは単に嘘の世界を信じさせるためにではなく、現代において断ち切られた世界への信頼を再び回復させるために機能するだろう。『見上げた空に何が見える?』と問うこのユニークな挑戦は、映画の未来に一筋の光を見せてくれる。


第34回東京国際映画祭(2021)

第34回東京国際映画祭 2021年10月30日(土)~11月8日(月)【10日間】[会場]日比谷・有楽町・銀座地区にて


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