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『マトリックス レザレクションズ』パンくずリスト~謎だらけの第4作目を歩くための道しるべ~

前3作で完結したかに見えた『マトリックス』が18年の時を経て、ラナ・ウォシャウスキー単独での監督最新作として公開される!様々な憶測を呼ぶ未だ厚いベールに包まれた『マトリックス レザレクションズ』は過去3作とは何が違うのか、また勝手ではあるが、独自予想もしてみたい。

© 2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED

Story:

サンフランシスコで暮らすトーマス・A・アンダーソン(キアヌ・リーブス)は、心理カウンセラーのセラピストから青い色のカプセル薬を処方してもらい、それを飲み続けることでごく普通の生活を送っていた。

ある日、 ティファニー(キャリー=アン・モス)という女性と偶然出会う・・・。

そして、ある使命をもってトーマスの前に現れたのは、あのモーフィアスと同じ名だが別人の男(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)。

モーフィアスに赤い色のカプセルを与えられたトーマスは、ネオとして目覚めてゆくのだった・・・。

覚醒したネオは、マトリックスの世界に未だ囚われているトリニティー(キャリー=アン・モス)を救出するため、そして、人類を救うために新たな闘いを挑むことになる。



Behind The Inside:

1作目の『マトリックス』との思い出

18年を経て、作られた最新作レザレクションズの後、もう1作あるとされる新シリーズは過去3作品ととは何が違うのか?その前にマトリックス第1作と筆者との邂逅について触れたいと思う。

『マトリックス』(1999年)は、筆者にとって、とても思い出深い映画である。7年ほど勤めた映像制作会社を辞め、フリーになって初めての特別番組を演出した作品だったからだ。

いつものように試写室で試写を観て、感想を訊かれ、仕事を発注された時、天命すら感じた。

当時のワーナー映画の宣伝部は、現在の隆盛とは180度違い、それほど大きなメガヒット作品を抱えていなかった。セガール作品頼みだった長いトンネルを抜けて、ようやくヒットする作品が出てきていた時代。

『マトリックス』という得たいの知れないSF映画がやってきて、それがTOHOに頼らない松竹チェーン・ベースがデフォルトの興行形態で87億円もの興行収入を打ち立てたのだ。

当時のキアヌ・リーブスの知名度の集客力だけでは到達できない興収なので、配役の妙、撮影ビル・ポープの映像センス、ドン・ディヴィスの楽曲の神話のような荘厳さ、そして、VFX担当のジョン・ゲイターによる120台のニコンの一眼レフを円周状に配置して撮影した写真を全て合成したというバレット・タイムという驚くべき合成技法、そしてマシンに支配された未来社会は、人間は機械社会へのエネルギー供給源でヴァーチャルの世界でニセの生を感じているというテーマを基に、巧みにコンピューターとオンラインの世界を被せて構築するという奇想天外な発想のストーリーを書いたウォシャウスキー姉妹(当時はウォシャウスキー兄弟)に因るところが大きい。

ウォシャウスキー姉妹の前作といえば、マトリックスでの裏切り者サイファーを演じたジョー・パントリアーノも出ているヒッチコックばりのスタイリッシュなノワール『バウンド』だが、日本国内での興行はインディーズ系の配給からの単館上映だった。『バウンド』のチラシにおすすめコメントを掲載していただいた筆者は、ヒッチコッキアンな監督コンビとして注目していたが、まさかのSF大作でこれは物凄い監督キャリアのハイジャンプだな!と感じた。

テレビ朝日の深夜枠で放送された30分の特別番組『マトリックス 驚異の映像革命』は、抜き焼きと呼ぶ映画の本編映像が数シーン収録された映像素材はあまりに量が少ないため、特別に本編全部の映像とEPKと呼ばれるメイキングと監督、キャストのインタビュー集と各種予告とごく一部の本編の抜き焼きが入った20数分の宣伝用映像素材を使って制作した。

「なぜ、気づかない」という印象的なキャッチコピーなど宣伝部の意気込みは感じられたが、ジョエル・シルバーがプロデュースする大作感のある映画なのに、まだ未知数の映画だったためか、来日取材も何もなかったので、追加取材等がない状態でのおかずの少ない特番制作だった。

この制作は通常の番組製作費であったが、観た途端に魅了された自分はコスト度外視で作ることに決めた。

編集は、2分間ほどのオープニング・シークエンスの特殊映像処理をするため、通常、テレビ番組では番組タイトル制作くらいにしか使われることのないインフェルノというハイエンドなデジタル合成編集機で丸1日かけてスタジオに籠って作った。

他にもいくつかアバンCGを懇意にしている仕事仲間に依頼し、彼も愉しんでいたようで、週末散歩で下北沢のアンティークショップで見かけた古いダイヤル式の黒電話を写真に撮り、それをアフターエフェクツで回転させ、白地にマトリックス・グリーンが映える見事なCGを作ってくれた。

音響効果のスタッフもいつも以上に熱心に音を作ってくれ、サントラの音源を速度とタイミングをズラしたものをリミックスしてくれたりした。

筆者もオフライン編集はとことん根を詰めて編集した。

完成した番組は、宣伝部の方々もご満足だった様子で、この意外なカットの繋ぎは今後の予告を作る時の参考にしたいと云われたのは、ちょっと嬉しかった。

ただここまで音楽も映像も手の込んだ編集をされると本国には見せることはできないとも云われた。きっとそうだったことでしょう。

2作目以降も制作して欲しいとも云われたのだが、それは実現することはなかったが、SF映画史の紛れもない金字塔的作品である1作目に関われたことは自分にとってはちょっとした勲章のようなものであった。

特典映像に収録されることもある日本映画の特番とは違い、外国映画の特別番組というものは1回地上波で放送したら、二度と観ることは叶わないのが、映画宣伝映像制作物の哀しいところです。


過去3作品との相違点

『マトリックス』『マトリックス リローデッド』『マトリックス レヴォリューションズ』に関わった一部の主要なキャスト、スタッフが交代している。かなり根幹を成す人々が抜けている。

  1. ウォシャウスキー姉妹の妹リリーが監督から退いて、姉のラナによる単独監督作品となった。
  2. 前3作でメイン・キャストだったローレンス・フィッシュバーン、ヒューゴ・ウィービングの不在
  3. 前3作をプロデュースした製作者ジョエル・シルバーが交代。
  4. 初期からのウォシャウスキー作品のヴィジュアル面とサウンド面のアイコンを作り続けた撮影監督のビル・ポープと音楽のドン・デイヴィスが交代

本作『マトリックス レザレクションズ』で起きた変化

  1. スーパー35ミリフィルム撮影であった過去3作品とは違い、時代の流れからかデジタル撮影となった。
  2. セカンド・ユニットの撮影班ナシは初めてで、再撮のし易いデジタル化の恩恵からか、本数を重ねてきた演出家としての自信の表れなのか?アクションシーンも全てラナが演出している。
  3. 両親への追悼の気持ちがあったのか?ラナのホームタウンであるシカゴでの撮影に拘り、実行しようとしたが予算超過の憂き目に遭い、撮影を断念している。
  4. マトリックス・シリーズ史上最長の2時間28分の上映時間。
  5. コロナ禍の影響で2021年5月21日公開予定から1年ほど繰り下げたが、再び繰り上げ、2021年12月22日全米公開となった。日本公開は、5日早い12月17日公開。

『マトリックス レザレクションズ』インフォデミックな考察

何故、再びネオとトリニティーのマトリックスなのか?

前3作の製作当時はもう『マトリックス』シリーズは作らないと公言していた監督たちであったが、時代は巡り、3つのゲームが製作された。

マトリックス・ユニバースは、強固な世界として拡張され続けてきた。そして、ワーナーブラザースは、映像版マトリックス・フランチャイズをずっと望んでいた。

様々な憶測が飛びかい、心から大事に思っているキャラクターであるネオとトリニティーを他の監督に委ねるくらいならばとウォシャウスキーとしては、新たな物語を作らざるを得なくなったのではないのだろうか?

またウォシャウスキー家の両親が5週間という短い期間に立て続けに亡くなり、その悲しみのショックから立ち直るためにもラナは、ネオとトリニティーの新たな愛のチャプターを書き上げようと考えたのだという。

また妹のリリーは、両親を失った深い悲しみのため、本作の監督からは敢えて退いたとのこと。

第4作目は、第1作目の続きなのか? 違う世界線なのか?

1作目でネオがモーフィアスに与えられた赤いカプセルを飲まずにもしも青いカプセルを飲んだら起きた場合の世界線の延長上であれば、ネオが通常のスピードで加齢していることにも道理が通る。

『マトリックス レボリューションズ』(2003年)中、マシン・シティ突入で先に絶命したかに見えたトリニティーは生きていたからティファニーとして、再びトーマス・アンダーソンの前に姿を現すことができたのではないのか?

モーフィアスは、何故、別の人物になったのか?

エージェント・スミスは、ヒューゴ・ウィービイングのスケジュールが合わなかったという極めてフィジカルなお断りの理由だが、出演して然るべきモーフィアス役のローレンス・フィッシュバーンが召集されなかったという理由は何なのだろう?

先述のゲームの一つである「ザ・マトリックス・オンライン」の中で、モーフィアスはネオをマシン・シティからの救出に出かけた際、銃撃で死亡する設定となっている。

そのマトリックス・ユニバースをゲームのストーリー・ラインにまで拡張して考慮するとモーフィアスにはもう出番は巡っては来ない。

では、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世が演じるモーフィアスとは、一体誰なのか?

本作にも登場するジェイダ・ピンケット・スミスが演じたナイオビとモーフィアスは、元恋人同士。あの気が強いナイオビのことだ、モーフィアスに内緒でシングルマザーとしてザイオンで子供を育てていてもおかしくはない。

その愛息が成長すれば、 ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世くらいの見た目の年齢に達していることだろう。

ラナは、タイムトラベルの要素はないと断言していることからするとトーマス・アンダーソンやティファニーと同じく、他のキャラクターもまた同じようにして歳をとり、成長しているというのがこの世界の順当な考え方であろう。

ザイオンの平和が破られ、再び救世主が必要な事態となり、母であるナイオビに頼まれ、夢の神が名の由来であるモーフィアスを名乗ってネオの前に現れたとしたら、救世主を探し出すという父親と同じ役目を代わりに担っているとは言えないだろうか?

復活の話なのか?世襲の話なのか?本当の主役は一体誰なのか?

『マトリックス レボリューションズ』(2003年) でトレインマンが作ったマトリックスとソースの中間地点、モービル・アヴェニューにネオが墜ち、立ち往生した時に出逢う削除されるべき不正プログラムの一種、エグザイルのラーマーの一人娘の少女サティは、その後、何故か預言者オラクルの部屋にも登場し、オラクルとの深い親和性を感じさせた。

本作ではマトリックスを立て直すために必要不可欠とされる最後のエグザイルであるサティ(プリヤンカー・チョープラー)が成長した姿を現す。

そして、もう一人、まるでトリニティーのような敏捷なアクションが可能の戦闘能力を持つ若き女性戦士、バグズ(ジェシカ・ヘンウィック)が登場する。

バグズの腕には、ネオを導く幸運の白兎のタトゥーが彫られている。

バグズのBugsとはバグズ・バニーのバグズであり、コンピューター用語のバグのことでもある。

ONE=救世主のアナグラムであるNEOもまた、元々は、マトリックスの秩序を汚すバグのような存在であった。

では、ネオを崇拝し、導こうとするバグズは一体、何者なのか?

再び『マトリックス レボリューションズ』(2003年) 中でトリニティーが絶命するシーンを回想してみる。

あの時、トリニティーもまたネオの子を身籠っていたのではないのだろうか?

その子が無事に育っていたとしたら・・・。

その子が娘だったとしたら、バグズくらいの娘に成長しているのではないのだろうか?

バグズもまたトリニティーの危機を知らせにネオの元へとやってきたのだとしたら・・・。

本作は、父親と母親のよき特徴を持った娘バグズがネオの継承者となり、ラスト・エグザイルのサティと助け合いながら、マトリックスそのものをよりよき世界へとコードを書き変え、再構築させる物語なのだとしたら・・・。

このレザレクションズというタイトルは、復活という意味が複数形であることにも注目されたい。

特定の人物ではなく全人類という意味なのかもしれない。

そして、ラナ・ウォシャウスキーは、今回のシリーズは2本作ると述べていることから、話の顛末にはまだ続きがあるということだ。

クライマックスは、まだまだこれから。


映画『マトリックス レザレクションズ』本予告 2021年12月17日(金)公開

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『マトリックス レザレクションズ』予告編


『マトリックス レザレクションズ』2021年12月17日(金)公開、映画前売券(一般券)(ムビチケEメール送付タイプ)

『マトリックス レザレクションズ/The Matrix Resurrections(原題)』(2021年・アメリカ・2時間28分)
監督:
ラナ・ウォシャウスキー
出演:
キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジェシカ・ヘンウィック、プリヤンカー・チョープラー、ニール・パトリック・ハリス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ジョナサン・グロフ、エレンディラ・イバラ、ランベール・ウィルソン、クリスティーナ・リッチ 他
© 2021 WARNER BROTHERS ENTERTAINMENT. ALL RIGHTS RESERVED

2021年12月17日 全国公開‼


映画『マトリックス レザレクションズ』オフィシャルサイト。12月17日(金)公開

12月17日(金)公開 映画『マトリックス レザレクションズ』オフィシャルサイト。真実の先を知る覚悟はあるか?主演キアヌ・リーブス、空前の社会現象を巻き起こしたアクション超大作の新章!


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