
大富豪の老人の死後もiPhoneで繋がり続けた少年の奇譚『ハリガン氏の電話』
ホラー小説の鬼才スティーブン・キングの短編小説を元に映画化。大富豪のハリガン氏に見込まれ、小説の読み聞かせのアルバイトをしていたクレイグ少年。ハリガン氏の死後、彼の身辺で不可思議な事件が起こる。不可解な連続死と時を同じくして、ハリガン氏からクレイグのiPhoneにメッセージが届き始めるのだった・・・。

Story:
クレイグ(ジェイデン・マーテル)は幼い頃に母親を亡くし、メイン州ハーロウで父親(ジョー・ティペット)と二人で暮らしていた。
ある日、教会のミサで聖書の一節を読み上げたところ、大富豪のハリガン氏(ドナルド・サザーランド)に気に入られ、時給5ドルで彼に本の読み聞かせをすることに。
おそらく表には出せないような手段も用いて巨万の富を築き上げたであろう、前時代の遺物のような一筋縄ではいかない偏屈な老人のハリガン氏と、幼い頃に亡くした母親への思慕を胸に抱きつつも、息子想いの父親と幸せに暮らすクレイグ少年。
環境も性格も年代も全く異なる、共通項などないかのような二人だったが、毎週の読み聞かせを重ねるごとに彼らは心を通わせ始めてゆく。
ハリガン氏が希望する本を読むため、幼い少年が読んで意味が理解できるのだろうか?と思うような書物の数々が登場するのだが、素直で利発なクレイグ少年は書物の内容とハリガン氏との対話により、聡明な青年へと成長してゆく。
やがて、幼い少年だったクレイグは高校生となり、彼はハリガン氏にiPhoneの使い方を教える。
最初はiPhoneに抵抗を示し、便利すぎる文明の利器に警鐘を鳴らすハリガン氏だったが、いつのまにか常にiPhoneをいじり続けることに。
やがてハリガン氏は天寿を全うするが、死んだはずの彼とクレイグは、iPhoneのテキスト・メッセージを通じた奇妙な形でつながり続けていた・・・。
それは、ハリガン氏から友人であるクレイグへのメッセージなのか、それとも・・・。
Behind The Inside:
スティーブン・キング原作とご縁のある俳優ジェイデン・マーテル
本作の原作は、2020年4月にアメリカで刊行されたスティーブン・キングの短編集『If It Bleeds(原題)』収録の短編『Mr. Harrigan’s Phone』。
本作で主人公を演じたジェイデン・マーテルはスティーブン・キング原作の映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)と続編『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』(2019)にもビル・デンブロウ役で出演しており、通算3作品目となり、スティーブン・キングお気に入りの俳優と言えるのではないでしょうか。
今後がますます楽しみな若手俳優のひとりです。
『ハリガン氏の電話/Mr. Harrigan’s Phone』(2022年・アメリカ・1時間46分)
監督:ジョン・リー・ハンコック
出演:ジェイデン・マーテル、ドナルド・サザーランド、ジョー・ティペット、カービー・ハウエル=バプティスト、サイラス・アーノルド、コリン・オブライエン、トーマス・フランシス・マーフィ、ペギー・J・スコット
© 2022 Netflix Studios, LLC
Netflixにて 配信中!!
Watch Mr. Harrigan’s Phone | Netflix Official Site
A boy and an aging billionaire bond over books – and their first iPhones. But when the older man passes, their mysterious connection refuses to die. Watch trailers & learn more.