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有楽町・朝日ホール、ノー・ベアーズ、No Bears、イラン、ジャファル・パナヒ、収監中のジャファル・パナヒ監督、まるで収監されるまでの過程を描いたかのような大胆な衝撃作『ノー・ベアーズ』が日本初公開!、「第23回東京フィルメックス」が2022年10月29日に開幕され、特別招待・オープニング作品としてジャファル・パナヒ監督が自ら出演する渾身の新作『ノー・ベアーズ』上映された。 監督がイラン当局に収監されながらもヴェネチア映画祭で公開され審査員特別賞を受賞したユーモラスで勇気溢れる傑作!、神谷ディレクター主導のもと開幕された「第23回東京フィルメックス」、『時代革命』、第79回 ヴェネチア国際映画祭:審査員特別賞、

まるで収監されるまでの過程を描いたかのようなジャファル・パナヒ監督による大胆な衝撃作『ノー・ベアーズ』が日本初公開!

第23回東京フィルメックス」が2022年10月29日に開幕され、特別招待・オープニング作品としてジャファル・パナヒ監督が自ら出演する渾身の新作『ノー・ベアーズ』が上映された。
監督がイラン当局に収監されながらもヴェネチア国際映画祭で公開され審査員特別賞を受賞したユーモラスで勇気溢れる傑作!


第23回東京フィルメックス」オープニングセレモニー

昨年に引き続き、神谷ディレクター主導のもと開幕した「第23回東京フィルメックス」。
クラウドファウンディングで融資を募り、映画を、フィルメックスを愛する人達のサポートを得て無事開催に漕ぎつけた。

本年度の東京国際映画祭で復活した黒澤明賞の授賞式で、受賞者の一人である深田晃司監督が日本映画界の窮状について熱く訴えていたが、ここにもその窮状は見てとれるだけに、無事、開催の運びまで漕ぎつけたフィルメックス関係者の方々の苦労は計り知れない。

昨年、直前まで作品タイトル非公開で、いわばサプライズで主要各国での上映と変わらぬスピードで特別上映された激動の香港の今を捉えたドキュメンタリー『時代革命』のように日本ではフィルメックスでしか観られないという作品も多い。

虚構のストーリーやドキュメンタリー、ジャンルといった区分けだけに留まらず、ソーシャル全般、お国事情といった世界で起きているリアルを作家たちの目と独自の発想を通して届けられる映画の数々。

驚きと深い感動が得られるサムシングをいち早く日本へと紹介し続けてきた東京フィルメックス。

これからも灯火を絶やさず、続いて欲しいと願うばかりである。


オープニング作品はジャファル・パナヒ監督の『ノー・ベアーズ』

『ノー・ベアーズ』監督:ジャファル・パナヒ © 2022_JP Production_all rights reserved

Story:

イランの名匠ジャファル・パナヒの目を通して並行して語られる2つの愛と抵抗の物語。
パナヒ監督自身が本人役で出演し、自らの境遇とイランの現状に対しての抗議を切り口鋭く描く。

軟禁状態のパナヒ監督は撮影現場に立ち会うことができず、自身は国境付近の辺境の村に身を寄せながらリモートで、助手の協力のもとに亡命しようとしているカップルのドキュメンタリーを撮影していた。

だが、辺境の地ゆえなかなか繋がらない電波や、村の掟に逆らって駆け落ちしようとしている恋人達、迷信深い村人達の言動、国境を越える裏ビジネスなどが相まって撮影は度々中断される。


Behind The Inside:

ここ十数年、芸術的自由に関する自己言及的作品を作り続けてきたパナヒ監督最新作。

監督がイラン当局に拘束される中、ヴェネチア国際映画祭でプレミア上映され、審査員特別賞を受賞した。

劇映画でありながらも、監督本人が自ら主演することによってドキュメンタリーのような緊張感、現実に起こったことを観ているかのような気分になる。

そしてそれは錯覚ではなく、きっと真実なのだ。

タイトルの『No Bears』は、村人がパナヒ監督に「その道は熊が出るから危ない、自分が一緒に行くからその前にお茶を飲もう」とカフェに誘い、お茶を飲みながら話をしていざ店を出ると「熊はいない。安全だ」と言って去っていくという作中に出てくる話にかけて、「危ないことはない、何もしていない」という監督のメッセージだと思えるからである。

映画制作を禁じられながらも、2011年に『これは映画ではない』というタイトルの作品を発表しているパナヒ監督だけに、常に命がけで作品を創り続けるその姿勢には脱帽するばかりである。


Awards:

  • 第79回 ヴェネチア国際映画祭:審査員特別賞・ジャファル・パナヒ
  • シカゴ国際映画祭:映画の勇気賞・ジャファル・パナヒ

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『ノー・ベアーズ』予告編

『ノー・ベアーズ/No Bears(原題)』(2022年・イラン・1時間46分)
監督:ジャファル・パナヒ
出演:ジャファル・パナヒ
© 2022_JP Production_all rights reserved

2022年 10月29日、11月7日 第23回東京フィルメックスにて上映!!



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