携帯もSNSもない1990年代を舞台に、世界最北端の街ムルマンスクを目指しての鉄道旅行。
メランコリーとオフビートなユーモア、見知らぬ者同士の出会いの感動を最果ての地で昇華させた純愛物語。
© 2021 AAMU FILM COMPANY / ACHTUNG PANDA! / AMRION PRODUCTION / CTB FILM PRODUCTION
Story:
モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラ(セイディ・ハーラ)。
古代のペトログリフ(岩面彫刻)を恋人と一緒に見に行く予定だったが、ドタキャンされてしまい、急遽一人旅に。
そんな彼女が寝台列車6号コンパートメントに乗り合わせたのは、モスクワのインテリたちとは正反対の粗野なロシア人労働者リョーハ(ユーリー・ボリソフ)。
全く気の合うはずのない二人は半ば否応なしに、二泊三日の旅を共にすることになるのだが・・・。
Behind The Inside:
コロナ禍のロシアでの撮影は難航を極めた
監督は時刻表に左右され撮影が制約されても、移動する列車内にこだわって撮影した。
それは動いている列車内で撮影することによる、リアルで絶大な効果を狙ってのことだそう。
だがコロナ禍のため予定は狂い、モスクワ・ロケ撮影の予定がサンクト・ペテルブルグに置き換えて撮影された。
また列車内ということもあり非常に暗いシーンが続くため、フィルム撮影後の現像はロシア国内では技術的に不可能でありハンガリーのブタぺストのラボで予定していたが、こともあろうにコロナ禍のため撮影後のネガフィルムをロシア国外へ持ち出すことが厳禁となった。
そのため撮影スタッフがこっそりロシアの国境を越え、現像所へ運んだという。
傑作が生まれた陰でこんな苦労があったのだ。
2023年2月10日(金)、新宿シネマカリテほか全国順次公開 カンヌ映画祭グランプリをはじめ世界中で17冠の快挙! カウリスマキ監督に続く、フィンランドの新たな才能が誕生! 恋人にドタキャンされ世界最北端の駅へ向かう寝台列車に一人で乗り込んだ学生ラウラが、6号コンパートメントで乗り合わせたのは粗野な炭鉱夫のリョーハだった。 …
『コンパートメント No.6』予告編
Awards:
- 第94回アカデミー賞:国際長編映画賞・フィンランド代表
- 第74回カンヌ国際映画祭:グランプリ・ユホ・クオスマネン、エキュメニカル審査員特別メンション・ユホ・クオスマネン
- ファロ諸島映画祭:お気に入り俳優賞・ユーリー・ボリソフ
- ヨーテボリ国際映画祭:最優秀演技賞・セイディ・ハーラ、国際批評家連盟賞・ユホ・クオスマネン
- マナキ・ブラザーズ映画祭:メイン・コンペティション・カメラ300・J・P・パッシ(撮影監督)
- ユッシ賞:最優秀作品賞、最優秀女優賞・セイディ・ハーラ、監督賞・ユホ・クオスマネン、、脚本賞、撮影賞、メイクアップ賞、編集賞
- サンパウロ国際映画祭:最優秀俳優賞・ユーリー・ボリソフ
- バリャドリッド国際映画祭:最優秀俳優賞・ユーリー・ボリソフ
『コンパートメント No.6/Compartment Number 6(原題)』(2021年・フィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ・1時間47分)
監督:
ユホ・クオスマネン
出演:
セイディ・ハーラ、ユーリー・ボリソフ、ディナーラ・ドルカーロワ
© 2021 AAMU FILM COMPANY / ACHTUNG PANDA! / AMRION PRODUCTION / CTB FILM PRODUCTION
2023年 2月10日 新宿シネマカリテ 他 にて 全国順次公開!!
モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラ。彼女の、古代のペトログリフ(岩面彫刻)を見に行く旅は、恋人にドタキャンされ、急遽一人旅に。そんな彼女が寝台列車6号コンパートメントに乗り合わせたのは、モスクワのインテリたちとは正反対の、粗野なロシア人労働者リョーハ。最悪の出会いから始まった、二人の長い旅の行方は……。 …
VOIDセレクト: フィンランド映画おすすめ
1951年、戦後間もないフィンランドで、高い理想を持って<マリメッコ>を立ち上げ、瞬く間に世界的なブランドへと押し上げた女性、アルミ・ラティア。当時は稀な女性起業家として、破天荒なキャラクターと天才的なプロデュース・PR力で、何度も襲いかかる破産の危機、夫や家族との軋轢など様々な困難と闘った。新しいライフスタイルを作り出そうとしたアルミの「何をも恐れない」パワフルで波瀾万丈な人生を彩り鮮やか…
フィンランド北部の小さな村にある食堂へ、上海から料理人チェンとその息子がやって来た。恩人を探していると言うが、知る人は誰もいない。食堂を経営するシルカは、チェンが食堂を手伝う代わりに、恩人探しに協力することとなる。恩人探しが思うように進まない一方で、チェンが作る料理は評判となり食堂は大盛況。次第にシルカ、そして常連客とも親しくなっていくチェンだったが、観光ビザの期限が迫り、帰国する日が近づい…
1962年、夏。プロボクサーのオリ・マキは、世界タイトル戦でアメリカ人チャンピオンと戦うチャンスを得る。ヘルシンキの明るい陽射しの中、お膳立てはすべて整いあとは減量して集中するだけ。周囲の期待を一身に背負い、フィンランドの誇りのために闘うはずだった。そんな時、なんとオリはライヤに恋をしてしまった!国中の期待を背負う周囲が勝手に盛り上がり、赤の他人に期待される中、自分なりの幸せをつかむために彼…
フィンランドで国民的大ヒットの児童文学映画化作品第2弾。クリスマスの近づくある日、バラの木夫人から買った小さなかわいいおうちで暮らすオンネリとアンネリのもとに、プティッチャネンというこびとの一族の家族がバラの木夫人をたずねてやってきました。
フィンランドの首都ヘルシンキで小さな美術店を営む72歳のオラヴィは、顧客リストは手書きで管理、領収書はタイプライターで発行するなど、いまだに古い商いを続けている老美術商。しかし最近はオンラインギャラリーの勢いにおされ、客足も遠のき資金繰りも悪化、店を畳む事も考え始めていた。そんなある日、美術商仲間に誘われ訪れたオークションハウスの下見会にて、彼は1枚の肖像画に目を奪われる。「男の肖像」と名付…
フィンランドの映画作家アキ・カウリスマキ監督による”敗者三部作”の第1作。つつましくも幸せな結婚生活を送る中年カップルに突如襲い掛かった、不運が続く毎日を描く。フィンランドのヘルシンキ。市電の運転手をしている男性ラウリはある日、リストラに遭ってあえなく失業してしまう。同じころ、レストランで給仕長をする彼の妻イロナも職を失う。やがてラウリは転職してバスの運転手になったが、健康診断で聴覚の異状が…
熱くなったサウナストーンに水がかけられ、ジュワっという音とともに、サウナにロウリュ(蒸気)が立ち上がる。ロウリュに包まれながら、フィンランドの男たちは語り始める。継父からの虐待、犯罪歴のある昔の自分、離れ離れになった娘・・・これまで話すことができなかった人生の悩みや苦しみ。子どもが生まれた喜び、かけがえのない”親友”との友情、老いてからの出逢い・・・じんわりと伝わってくる大切な人への想い。ロ…
外科医師のユハは夏の休日を、家族とともに湖畔の別荘で過ごしている。この日も、釣りを楽しみ、妻、娘と優雅でのどかな一日を過ごすはずだった…。うたた寝をしていたある日の午後、妻が湖の底に沈んでいた網に足をとられ、水死してしまう。不慮の事故により、突然訪れた失意の日々。以来、ユハは、妻を救えなかったという自責の念から、毎日を無気力で死んだように過ごしていたが…。(C)Helsinki-fi…
第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、本業である絵画制作に打ち込んでいくのだが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていた。そんな中、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い激しい恋に落ち…。(C)
アキ・カウリスマキ監督による”敗者三部作”第2作。第55回カンヌ国際映画祭でグランプリとカティ・オウティネンに対する女優賞を受賞。記憶を失った男性の運命を描く。列車で夜のヘルシンキにたどり着いた男性は暴漢に襲われ、身ぐるみ剥がされた上に意識不明の重体に陥る。病院に担ぎ込まれた彼はいったん死亡宣告を受けるが、その後奇跡的に息を吹き返して病院から脱走。港湾地区で行き倒れとなっているところを、コン…
More To Read:
妻を不慮の事故で失い、死んだように毎日を送っている外科医のユハ。 救いを求めた先は、ふと迷い込んだSMクラブだった。 喉元を締め付けられ、窒息寸前の生死をさまよう中でだけ、妻と再会できるのだ。 光や色調の息をのむ映像と、生と死の世界を時間や音で表現する繊細な演出で、美しい愛と再生の物語を見事に描き出す。 …