涙を誘うピュアな少女の成長記『コット、はじまりの夏』
ほとんどの国民が保守的なカソリック教徒ゆえ、離婚も中絶もできなかった1980年代のアイルランドが舞台。
無計画に出産を続ける家庭のため、まるで托卵のように遠縁の家庭で育てられることになる物静かな少女の日々を見守る心温まる成長物語。
Story:
1981年のアイルランド。
物静かな少女、9歳のケイト(キャサリン・クリンチ)は両親が無計画に子供を作り続ける家庭に育った。
溢れかえる子供達の世話に困った両親はケイトを夏の数ヶ月間、遠縁の家に預けることにする。
ケイトにとって、ショーン(アンドリュー・ベネット)とエイブヒン(キャリー・クロウリー)のキンセラ・ファミリーは親戚とはいえ、初めて会う見知らぬ人々であった。
そして、キンセラ家にはある秘密があった・・・。
いつになったら自宅に帰ることができるのか分からないまま、ケイトは預けられた家で成長し、自分らしい生き方を見出すことになる。
Behind The Inside:
中絶が禁止されていたアイルランドが舞台
厳格なカソリック教徒が多いアイルランド国民にとって、中絶と離婚は禁止されていた。
この現代でさえ、離婚するのに4年の年月をかけなければならず、結婚はせずに事実婚という家庭が多い。
そうしたアイルランド国民にとって、不遇の時代の家庭に生まれた少女が遠縁の家で悩みながら成長する様を真摯に描き、涙を誘う作品を作り上げた。
Under The Film:
アイルランド語映画初のオスカー・ノミネート
全編セリフがアイルランド語の映画でアカデミー賞・国際長編映画賞・ノミネートは初めての快挙。
Awards:
- 第95回アカデミー賞・ノミネート:国際長編映画賞(アイルランド選出)
- 第72回ベルリン国際映画祭:ジェネレーション部門(子供審査員が選ぶ子供が主人公の子供に関してのトピックを扱った映画)・グランプリ(クリスタル・ベア)受賞、スペシャル・メンション・コルム・バイレッド
『コット、はじまりの夏/The Quiet Girl(原題)』(2022年・アイルランド・1時間34分)
監督:
コルム・バイレッド
出演:
キャサリン・クリンチ、キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、マイケル・パトリック、ケイト・ニック・クォナノォ 他
© 2023 Fís Éireann/Screen Ireland. All rights reserved.