フランスの傑作グラフィック・ノベル「The Killer」をこだわりの映画監督デヴィッド・フィンチャーがその世界観を完膚なきまでに完全映像化!
他に代わりがいないとされる程の腕前の殺し屋ながら致命的なミスにより精神的にも窮地に立たされた殺し屋を、2019年の俳優生活休止からの復帰主演作となったマイケル・ファスベンダーが冷酷に演じる。
目が覚めるほどに冷静で鮮やかな落とし前の付け方の数々、これぞアクション・ノワール映画の真骨頂。
Story:
中南米での危険な大きなヤマで大金をせしめた後、メキシコでの悠々自適の引退生活を決め込んだ超腕ききの殺し屋(マイケル・ファスベンダー)。
だが、組織はそう甘くはなかった・・・。
再び殺しの任務を請負ったが、とあるミスから思いがけず岐路に立たされてしまった殺し屋。
やがてキューバ、ベネズエラ、アメリカにまたがる地政学的な重大危機に巻き込まれた殺し屋は自分を陥れた全ての敵に対して、単身挑んで行くことになる。
Behind The Inside:
原作はニューヨークタイムズ紙で”この10年間のベスト・グラフィック・ノベルの一冊”と言われた傑作
ベースとなった原作「The Killer」は、ストーリーをマッツこと、アレクシス・ノラン、作画をリュック・ジャカモンが担当した世界的人気のグラフィック・ノベルである。
ニューヨークタイムズ紙で”過去10年間のベスト・グラフィック・ノベルの一冊”と評されている。
原作者のアレクシス・ノランの別の作品も過去に映画化されているが、デヴィッド・フィンチャーにとって、本作の映画化は20年来の夢だったという。
映画史には、それこそ星の数ほどのアクション・ノワール作品が存在する。
この20年の間に制作されたヒットマンが活躍する映画の中に埋もれない尖った作品をフィンチャーが目指したかどうかはさておき、完全主義者のフィンチャーらしさに溢れる映像世界は誰にも簡単には真似のできない研ぎ澄まされた世界観となっていることは誰の目にも明かだ。
撮影のエリック・メッサーシュミットによる映像は全体的に画面が暗い、そしてファスベンダーの台詞を聞いているとまるでアンドロイドか何かのような無機質なトーンだ。
だが、暗い画像ばかりなのに独特のリズムとテンポに一気にその本来、地味な殺し屋の日々に引き込まれる。
ちなみに本作の脚色を担当した脚本家であり、リライトの名手、アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーは、久しぶりにデヴィッド・フィンチャーと組んでいる。
以前に脚本家としてクレジットされている作品とは、アンドリュー・ケヴィン・ウォーカーを最も有名にしたあのカルト的名作『セブン』(1996年)である。
Awards:
- 第80回ヴェネチア国際映画祭:コンペティション部門正式出品
- サウンドトラック・スターズ・アウォード(ヴェネチア国際映画祭・協賛企画):特別賞・トレント・レズナー、アッティカス・ロス
『ザ・キラー/The Killer』(2023年・アメリカ・1時間58分)
監督:
デヴィッド・フィンチャー
出演:
マイケル・ファスベンダー、モニーク・ガンダートン、ティルダ・スウィントン、ケリー・オマリー、アーリス・ハワード、チャールズ・パーネル、エミリアーノ・ペルニア、ソフィー・シャーロット、サラ・ベイカー 他
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