
『トイ・ストーリー5』、日米で塗り替えられたオープニング記録――「アニメ最速の3億ドル」と「洋画史上最大の初動」
全米初週末3日間、1億6,000万ドル。シリーズ史上最高、アニメーション映画史上でも歴代2位の大台。
日本初週末3日間、24億1,510万円。実写込みの洋画オープニングとして歴代1位を記録。
全米公開から日本公開まで、わずか14日。ハリウッド大作としては異例に詰まった公開間隔。
累計3億ドル到達まで公開11日——シリーズ最速ペースで独走中。

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全米:シリーズ最高のオープニング、されどアニメ史上では”2位”止まり
2026年6月19日に封切られた『トイ・ストーリー5』は、初週末3日間で1億6,000万ドルを記録。これはシリーズ自身の記録を大幅に更新するもので、前作『トイ・ストーリー4』(2019年)の1億2,090万ドルを4割近く上回る結果となった。
ただし、アニメーション映画全体の歴代オープニング記録の中では2位にとどまる。首位は『インクレディブル・ファミリー』(2018年)の1億8,270万ドルで、『インサイド・ヘッド2』(2024年)の1億5,420万ドルが3位につけている。世界興収でも初週末3億1,200万ドルを記録し2026年最大のオープニングとなったが、ピクサー史上では『インサイド・ヘッド2』の3億8,400万ドルに次ぐ歴代2位。「シリーズ最高」ではあっても「アニメ史上最高」ではない、という位置づけは押さえておきたいところだ。
批評面では、ロッテントマトの批評家スコアが93〜94%とシリーズの中では最も低い数字になった一方、観客スコア(Popcornmeter)は95%とシリーズ最高を記録。CinemaScoreは全作共通の「A」評価を維持している。批評家評価は相対的に伸び悩みつつ、観客の満足度はむしろ過去最高という、やや珍しいねじれが生じている。
日本:洋画オープニング史上最大の初動
7月3日公開の日本では、初日だけで4億8,446万円・32万705人を動員し、ディズニー・ピクサー作品の日本国内歴代初日記録を更新した。続く初週末3日間の成績は24億1,510万円・164万人。これまで洋画(実写込み)のオープニング興収記録として首位だった『アナと雪の女王2』(19億4,223万円・145.4万人)を上回り、日本における洋画公開史上最大の初動記録となった。
Filmarksでの評価も4.2/5とシリーズ最高を記録しており、批評・観客とも好意的な受け止めが目立つ。最終興収については、業界筋からは200億円到達も射程圏内という強気な観測が出ている一方、独立系の興行予想では105.6億円程度という、より保守的な見立ても存在する。
為替換算で見る規模差と、それだけでは測れない「公開間隔」の詰まり方
初週末興収を単純に為替換算すると、日本の24億1,510万円はおよそ1,500万ドル相当(1ドル161円換算)。アメリカの1億6,000万ドルと比べると規模差はおよそ10.7倍で、これは市場規模の違いとしては 通常レンジに収まる数字だ。
むしろ注目すべきは公開タイミングの詰め方だろう。全米公開(6月19日)から日本公開(7月3日)までは、わずか14日。従来、ハリウッド大作の日本公開は本国から数ヶ月遅れるのが通例だったことを踏まえると、今回の間隔はかなり異例に短い。夏休み商戦を巡る配給側の戦略的判断が透けて見える数字だ。
シリーズを通してみる日本市場の比重
過去作との対比でも面白い構図が浮かぶ。『トイ・ストーリー3』(2010年、北米興収4億1,500万ドル)は日本で最終108億円、『トイ・ストーリー4』(2019年、北米興収4億3,400万ドル)は日本で最終100.9億円という着地だった。北米の規模に対して、日本が一定の存在感を持ち続けてきたシリーズであることが分かる。
『5』が仮に業界予想通り200億円に到達すれば、シリーズの中でも日本市場の比重としては過去最大級の水準になる計算だ。一方で保守的な105.6億円予想が的中した場合は、『3』『4』とほぼ同水準の着地となり、「初動の記録更新」と「最終興収でのシリーズ内の立ち位置」が必ずしも比例しない可能性も残る。この最終数字の行方は、今後の興収推移を追ううえでの一つの見どころになりそうだ。
上映フォーマットの厚みも初動を後押し
日本側では2D・Dolby Atmos・Dolby Cinema・4D・IMAX・Screen X・Ultra 4DXなど、計11バージョンという幅広い上映フォーマットが用意された。プレミアムフォーマットの充実が、記録的な初動を下支えした要因の一つとして書き添えておきたい。
典型的な北米の失速ペースと、日本のロングラン期待
全米では公開2週目に7,083万ドル(-44.4%)と大幅に減速しつつも、累計3億ドル到達までは公開からわずか11日というシリーズ最速ペースを記録している(『4』は17日、『3』は18日)。前半の勢いが凄まじい反面、減速も早いという典型的な北米の興収カーブだ。
対照的に、日本は7月中旬から本格化する夏休み期間をこれから迎える。初動の記録に加えて、家族層の動員が本格化するこれからの数週間でどれだけ興収を積み増せるかが、最終的な着地点を左右することになりそうだ。
『トイ・ストーリー5』(2026年・アメリカ・1時間42分)
監督:アンドリュー・スタントン
共同監督:ケナ・ハリス
製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ/ウォルト・ディズニー・スタジオ
声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック、トニー・ヘイル、グレタ・リー、コナン・オブライエン
日本語吹替版声の出演:唐沢寿明、所ジョージ、日下由美、竜星涼、広瀬アリス、佐野勇斗、井上和、松井ケムリ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2026年7月3日公開
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