今秋、渋谷で再開催決定!トラベリング・ウィズ・ウェス・アンダーソン『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』
インスタグラムの人気アカウント“Accidentally Wes Anderson”を知っているだろうか?
ウェス・アンダーソン映画に出てきそうなパステルカラーのポップでシンメトリックな構図と切り取り方で撮影された世界中の風景写真が一堂に介す、ウェス好きなら知らない者はいない大人気のSNS上のグローバル・コミュニティのことである。
この”偶然にもウェス・アンダーソン風”の写真たちが、大人気を博した韓国の展示に始まり、日本にも『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』として、天王洲・寺田倉庫G1にて開催された。
会期も残すところあと1週間のタイミングでいかにもウェス・アンダーソン映画を好みそうなファッショニスタな若者で賑わう会場へと足を運んだ。
ウェス映画の世界観をうまく醸成した旅を誘うアミューズメント・パークのようなナイスな展示の数々は、今まであった写真展示の楽しみ方とは違う異次元の楽しみ方を体感できる。
同展のルーツとなった人気のインスタグラム・アカウント(AWA)の熱心なフォロワーやウェス・アンダーソンの映画にくびったけのファン以外にも、プロアマ問わず写真を嗜む方々にも強くリコメンしたい。
AWA創設者のコーヴァル夫妻が撮影した作品以外にも夫妻が”冒険者”と呼ぶシェアされた世界中の写真のリアル展示をこれだけの人々が楽しんでいるのは、写真というジャンルの世界ではエポックメイキングな出来事として記憶されることだろう。
展示方法に通常の写真展を超えた工夫がなされており、素晴らしくセンス抜群であり、これからの時代の画像の愛しみ方、楽しみ方のヒントが見え隠れする。
旅心を誘う写真と戯れることができるとっておきの場所は期間限定開催である。そして、今秋に渋谷での再開催も決定した!
時間を作って、ぜひ足を運ばれることをお勧めする。
アメリカ人、コーヴァル夫妻が考えた”死ぬまでにしたい100のこと”
このフォロワー数180万人以上を誇る有名なインスタグラム・アカウント、Accidentally Wes Anderson(偶然にもウェス・アンダーソン風)は、アメリカ、ブルックリンに住むワリーとアマンダ·コーヴァル夫妻が旅行計画のバケットリスト(死ぬまでにしたい100のこと)を構想したことに端を発した。
ソーシャルでシェアされていた写真をリアル展示して、どこが面白いのか?と訝しむ気持ちもあったが、実際に会場で観てみるとその疑問は瞬く間に解消されていた。
コロナ禍で世界が停滞していたこの数年間に世界中の誰もが感じていたであろう鬱屈した気分を発散させるかのように、旅情を誘うコンセプトをより分かりやすく表現した展示や、ウェス映画の世界観を巧みに移植したセンス抜群のプレゼンテーションに飽きもせず最後まで見入った。
ウェス・アンダーソン映画によく登場する左右対称のシンメトリカルな構図、目を引く印象的な模様、気持ちが弾むパステルカラー、全ての写真は場所にまつわる物語とともに紹介され、旅心をくすぐり続ける。
もちろんウェス・アンダーソンご本人からもお墨付きだ。
ぼくが見たこともない場所や物を撮ったものだが、実際、ぼくが撮りそうな写真だ。
ウェス・アンダーソン監督からのAWAへ向けてのメッセージ
ほかにはない魅力的な風景を発見し共有してくれたことに、心からの祝福と大きな感謝を伝えたい。
トラベリング・ウィズ・ウェス・アンダーソン
ウェス・アンダーソンの映画といえば、彼独自の世界観で彩られたファッショナブルでユニークな舞台とオールスター・キャストで描かれるシュールな笑いに包まれた演出が年齢を問わず、ファッション感度の高い人々に愛されてきた。
会場内も流行に敏感なファッショニスタな日本の若者たちを中心に国籍を問わず、様々な国の人々が入り混じり、大盛況であった。
また会場内は撮影自由なので、スマホ撮影はもちろん、フジやライカを首からぶら下げている人を見かけた。
ノスタルジックでどこか多幸感を感じさせてくれる作品と共に口々に「ここ行ってみたい!」などと言いながら自撮りしたり、無心に作品を撮り続ける人もいた。
写真展という姿をしたアミューズメント・パークでは、来場者全員が主人公であり、ヴァーチャル・トラベラーなのだ。
写真展という姿をしたアミューズメント・パーク
展示風景もオフィシャル・サイトの画像を見る限りでは25万人を動員した韓国での展示の時よりもより、ウェス・アンダーソンの映画の舞台装置かのような壁や造作物で構成されており、日本公開バージョンは、よりウェス・アンダーソン・ドリブンにブラッシュアップされているようだ。作品を眺めながらそぞろ歩いているだけで十二分に楽しめる。
作品展示方法もテーマごとに分かれており、予想を裏切り、決して飽きさせない。
また額装されたこれぞといった一点ものの写真やパネルマウントの組み写真だけでなく、動きを感じさせるインスタレーションなどもあり、写真展示というものの可能性を指し示している。
こうした新感覚の展示方法により、インスタで見ることができる作品に大勢の人々が熱狂しているのだから、恐れ入る。
ウェス・アンダーソンの世界観を身に纏いながら、実はウェスの映画とは全く関係のない写真を愛で愉しむヴァーチャル・アドベンチャー。
一枚一枚の写真の背景にはストーリーがあり、それを眺めて感動して、パシャ!するあなたが主人公。
写真との新しい戯れ方がそこにはある。
『アステロイド・シティ』と連動して、バズりそうな予感の渋谷ヒカリエでの再開催
そして、この『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 』は、場所を渋谷に移動して、今秋、再開催が決定した。
折しもウェス・アンダーソン監督の最新作『アステロイド・シティ』が9月1日に渋谷パルコ・シネクイントで封切られた直後となり、渋谷ヒカリエでの開催ということもあり、本展を取り巻く期待値は大いに盛り上がるハズだ。
『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』
©AWA ©GROUNDSEESAW
2023年 4月5日 – 5月26日 11:00 – 19:00 東京・天王洲・寺田倉庫G1ビル
休館日なし、入館は閉館の30分前まで。
毎週金曜・土曜、4月30日 – 5月4日、22日 – 25日は、20時まで。
渋谷での待望の再開催が決定‼︎
『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』
©AWA ©GROUNDSEESAW
会 期:2023年11月25日(土)~12月28日(木)
会 場:ヒカリエホール(渋谷ヒカリエ9F) 東京都渋谷区渋谷2丁目21-1
開催情報の詳細は、『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 』オフィシャルサイト上の今後のアップデイトをご確認ください。