『フェアウェル』
「優しい嘘」を軸に異文化の間で揺れる感情をコミカルかつハートフルに描く
幼い頃に家族と共に中国からアメリカに移住したビリー(オークワフィナ)は、作家志望だがうまくいかず落ち込んでいた。
そんなある日、両親から中国・長春で暮らすナイナイ(ビリーの祖母・チャオ・シュウチェン)が癌で余命いくばくもないことを知らされる。
ビリー達はナイナイに会うため家族総出で長春に集まるが、ナイナイに病状を悟られないよう、日本に住むいとこの結婚式だと嘘をつく。
両親はナイナイに死期が迫っていることを知らせないことにしており、真実を伝えるべきだとするビリーと口論になる。
中国で生まれ育った両親と、生まれは中国でも育ちはアメリカのビリーは考え方が異なっていて家族といえども文化の壁があり、ビリーの葛藤は募る。
苦悩するビリーを慰め、元気付けてくれたのは他でもないナイナイ。
家族でぶつかりあい、慰めあいながらも時間は過ぎてゆき、とうとう嘘の結婚式の日を迎える。
果たして最後までナイナイに病状を隠し通せるのか?
そして、帰国の途につくビリーたちが選んだ答えとは?
家族の絆、文化の違い、優しさ、あたたかさ。
ふたつの文化の間で生きるアイデンティティの複雑さと共に、家族の愛情をハートフルかつコミカルに描く話題作。
Must Point:
本作は中国・北京で生まれ、アメリカ・マイアミで育ったルル・ワン監督の実体験に基づく物語。
移民2世であるワン監督が、生まれ故郷で感じる戸惑いや逡巡をリアルな感覚を通して鮮やかに描き出す。
2019年のサンダンス映画祭ドラマコンペティション部門でプレミア上映され、数々の賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
Awards:
- ゴールデングローブ賞: 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)・オークワフィナ
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞:インディペンデント映画トップ10
- ニューヨーク映画批評家オンライン賞:作品賞トップ10
- ロサンゼルス映画批評家協会賞: 助演女優賞・チャオ・シューチェン
- シカゴ映画批評家協会賞:有望監督賞・ルル・ワン
『フェアウェル』(2019年・アメリカ・1時間40分)
監督:ルル・ワン
出演:オークワフィナ、ツィ・マー、ダイアナ・リン、チャオ・シュウチェン、 ルー・ホン、チアン・ヨンポー、チェン・ハン、水原碧衣、ツァン・ジン、リー・シャン、ヤン・シュエチェン、ジム・リュー
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