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マンク、ハーマン・J・マンキウィッツ、ゲイリー・オールドマン、デヴィッド・フィンチャー、市民ケーン、オーソン・ウェルズ

映画史上の金字塔と呼ばれるオーソン・ウエルズの『市民ケーン』誕生の舞台裏を脚本家の苦悩を通して描いた『マンク』


機知に富んでいるが全く理解されない作風のアルコール中毒の脚本家ハーマン・J・マンキウィッツが様々な難題を抱えながら『市民ケーン』を書き上げるまでを描く。

©2020 Netflix Studios, LLC

1930年代の黄金期ハリウッドを舞台にオーソン・ウェルズの主演・監督作『市民ケーン』の脚本を執筆しているハーマン・J・マンキウィッツ(通称:マンク)。

アルコールに溺れるマンクは書いたものをなじられながらもその機知に富んだセンスで脚本を仕上げ、映画プロデューサー、監督・主演のオーソン・ウェルズ、そして、ケーンのモデルと云われた厄介な新聞王ハーストとの板挟みに悩みながら、壮絶な製作現場を何とか切り抜けてゆく。


監督は鬼才デヴィッド・フィンチャー、主演はアカデミー賞俳優・ゲイリー・オールドマンという強力タッグで、実はこの二人、同じ女性、ドーニャ・フィレオレンティーノと以前、結婚していたという奇遇な間柄。デヴィッドの子供一人とゲイリーの二人の子供は兄弟同士ということになる。

そして、本作の脚本は、デヴィッド・フィンチャーの父親で元ライフ・マガジンのチーフ・エディターであったジャック・フィンチャーが1990年代に書いたものを映画化している。デヴィッドは『ゲーム』(1997年)の後にケヴィン・スぺイシー主演で製作に入りたかったが、モノクロ作品が製作スタジオから嫌われて、製作に入れなかったという経緯がある。

本作『マンク』を観る前に必ず、この映画史上ベストワンとして、つとに有名な『市民ケーン』を観ることをお勧めする。


市民ケーン(日本語吹替版)

また、こんな作品も以前、作られた。

『市民ケーン』の公開を巡るオーソン・ウェルズと新聞王ハーストの熾烈な争いをドラマ化したジェイムズ・クロムウェル、リーヴ・シュライバー主演のTV映画『ザ・ディレクター [市民ケーン]の真実』


ザ・ディレクター [市民ケーン]の真実 [DVD]

『Mank/マンク』予告編 – Netflix

『Mank/マンク』は、一部劇場にて11月20日 (金) 公開、Netflixでは12月4日 (金) より配信スタート。出演はアカデミー賞受賞のゲイリー・オールドマン、アマンダ・セイフライド、リリー・コリンズ、アーリス・ハワード、トム・ペルフリー、サム・トラウトン、フェルディナンド・キングズレー、タペンス・ミドル…

『マンク』予告編

Must Point:

本作のヴィジュアル上の大きな特徴は、モノクロ作品であるということ。

1930年代のレトロでグラマラスなハリウッドの時代の空気感と市民ケーンがモノクロ作品であったことから、トーンを合わせたいというデヴィッドの思惑があるからだと考えたい。

『マンク』にみる特徴的な暗部のディテイルをハッキリさせ、明るい部分はディテイルを失わずにより明るくするモノクロ(白黒)版のHDR映像は、映画撮影カメラメーカーRedの8K撮影ができるモノクロ専用カメラ、MONSTRO 8K MONOCHROMEという新型カメラを使用している。カラーでは撮影していないため、映像データにはカラー情報は一切存在しないという潔い撮影がなされた。

撮影は『ゴーン・ガール』(2014年)でギャファー(照明技術係)を経験し、デヴィッド・フィンチャー製作のNetflixドラマ『マインドハンター』で撮影を担当してきたエリック・メッサーシュミットが長編映画のシネマトグラファーとしてデヴィッドと初めて組んでいる。


Awards:

  • 第93回アカデミー賞・撮影賞・エリック・メッサーシュミット、美術賞
  • 第93回アカデミー賞ノミネート:作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、作曲賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、音響賞

『マンク』(2020年・アメリカ・2時間11分)
監督:
デヴィッド・フィンチャー
出演:
ゲイリー・オールドマン、アマンダ・セイフライド、チャールズ・ダンス、リリー・コリンズ、アーリス・ハワード、トム・ペルフリー、サム・トラウトン、トム・バーク 他
©2020 Netflix Studios, LLC

2020年11月20日 一部の映画館にて全国公開‼


【更新】2021年5月8日


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