傷つき飛べなくなった雛鳥が懸命に飛ぼうとする姿に勇気付けられていく『ペンギンが教えてくれたこと』
不慮の事故で半身不随となり、人生に絶望していた主人公に希望を与えたペンギンと名付けられた一羽のカササギと家族の心温まる実話
Story:
オーストラリアのシドニーに住むサム(ナオミ・ワッツ)は、写真家の夫キャム(アンドリュー・リンカーン)と3人の息子達と慎ましくも幸せな生活を送っていた。
だが、家族の楽しい思い出となるはずだった旅行先のタイで、サムが寄りかかったバルコニーの手すりが壊れ、高所から落下したことにより脊髄を損傷し半身不随となってしまう。
思うように動けず、大好きなサーフィンをすることはおろか身の回りのことも自分一人ではできず、子供たちからも頼られることがなくなったサムは「自分は役立たずだ」と落ち込み、自暴自棄になり引きこもり生活を送っていた。
そんなある日、息子のノア(グリフィン・マーレイ=ジョンストン)が一羽の傷ついたカササギを連れて帰ってくる。
最初は鳥を飼うことを疎ましく思い反対していたサムだったが、白黒の羽にちなんで「ペンギン」と名付けられた幼いカササギがユーモラスに歩き回り、傷つき飛べないながらも懸命に飛ぼうとする姿に勇気付けられ、いつしか生きる希望を見出していく。
Behind The Inside:
ペンギン役のカササギは10羽もいた!
本作で絶望に立ち向かい、徐々に人生を取り戻していく主人公を好演したナオミ・ワッツと共にもうひとりの主人公ともいえる「ペンギン」を演じたカササギ。
実は一羽ではなく、10羽の演技を組み合わせており、時に愛らしく、時にはユーモラスに、そしてまたある時は健気な姿を印象的に見せてくれる。
10羽の演技巧者に敬意を評して、彼らの名前は下記の通り。
Gerry , Clipper , Eugene , Maggie May , Mavis , Pew , Pip , Wendell , Swoop , Hollywood
またノア役のグリフィン・マーレイ=ジョンストンも子役ながら、セリフなしのシーンでもその表情で感情が伝わってくる、ベテラン俳優陣に引けを取らない演技が光っていた。
実に今後が楽しみな俳優である。
Must Point:
原作はベストセラー・ノンフィクションの感動作
本作はオーストラリアでベストセラーとなったノンフィクション『ペンギンが教えてくれたこと―ある一家を救った世界一愛情ぶかい鳥の話』(原題:『PENGUIN BLOOM: The Odd Little Bird Who Saved a Family』)を原作としている。
原作はサムの夫で写真家のキャメロン・ブルームと『ブルーデイブック』シリーズで有名なブラッドリー・トレヴァー・グリーヴの共著である。
キャメロンが撮ったペンギンとサムや息子たちの素晴らしい写真は原作本と映画のラストに使用されており、この心打つ物語が真実であることを明確に伝えている。
また、映画はシドニーのノーザンビーチにある本物のブルーム家の家屋を使用して撮影されており、製作にも名を連ねるナオミ・ワッツと共に製作陣の原作に対する真摯な想いが感じられる。
『ペンギンが教えてくれたこと』(2021年・オーストラリア・アメリカ・1時間35分)
監督:
グレンディン・イヴィン
出演:
ナオミ・ワッツ、アンドリュー・リンカーン、ジャッキー・ウィーヴァー
グリフィン・マーレイ=ジョンストン、レイチェル・ハウス、リアンナ・ウォルスマン、リサ・ヘンズリー、フェリックス・キャメロン、エイブ・クリフォード=バー
© 2021 Netflix Studios, LLC
2021年1月27日よりNetflixにて配信‼
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【更新】2022年2月14日