こんなに強い老兵、見たことない!『SISU シス 不死身の男』
旧ソ連に侵攻され、ナチス・ドイツに祖国を焼かれたフィンランド。
愛犬と旅する謎の老兵コルピがたまたま掘り当てた金塊。
だが、お宝の臭いを嗅ぎつけたナチスの戦車兵団に老兵はつけ狙われることに・・・。
ナチスに対抗する武器はツルハシ一本のみ、地雷原での勝ち目のない銃撃戦で撃たれようとも縛首になろうとも強靭な体力と知力でピンチを切り抜け死ぬことを拒否した謎の老兵の正体とは?
CG少なめ、まるで往年のオールド・スクールの典型的なアクション映画を思い出させてくれる胸のすく傑作が世界一幸せな国と言われるフィンランドから生まれた。
老兵は、本当にツルハシ一本でナチス兵団を討てるのか?
Story:
第二次世界大戦末期、旧ソ連に侵攻され、ナチス・ドイツによって焦土と化した祖国フィンランドを愛犬ウッコを連れ、あてどもない旅を続ける謎の老兵アアタミ・コルピ。
旅の途中、運よく金塊を掘り当てるのだが、捕虜を連れ地雷埋設作業をしながら移動するならず者のようなナチス・ドイツ軍の戦車兵団に目をつけられ、老兵コルピは追われることに。
迫り来るナチス軍と戦う武器は、たった一本のツルハシだけだった・・・。
そして老兵コルピの背後には、無数の地雷原が待っていた・・・。
Behind The Inside:
コロナ禍が生んだアクション映画の傑作にはモデルとなった伝説のフィンランド兵士がいた!
監督のヤルマリ・ヘランダーは当初、カナダでSFコメディ映画”ジェリー・アンド・ミス・ユニバース”を撮ろうとしていたが、コロナ禍により映画企画は延期となったため、2021年の秋『SISU シス 不死身の男』の脚本を短期間で書き上げ、約600万ドルという商業作品としては低予算の映画化を進めた。
主人公である不死身の老兵コルピは実在の人物をモデルとしている。
冬戦争の際、フィンランドへ侵攻した旧ソ連の兵士を世界戦史最多と言われる500人以上狙撃し、”白い死神”と恐れられたフィンランドの伝説的な狙撃兵、またの名を”銃殺王”と言われるシモ・ヘイヘである。
本作は予算ありきの中、コロナ禍ということもあり、感染を避けるために隔絶されたロケーションで、小さめのプロダクションサイズでの撮影を行った。
本編を観るとそうした困難な社会情勢を上手く逆手に取って仕上げたアクション映画であるということがよく分かる内容となっている。
Awards:
- シッチェス・カタロニア国際映画祭:主演男優賞・ヨルマ・トンミラ、撮影賞・クジェル・ラーゲルース、作品賞(オフィシャル・ファンタスティック・コンペティション)、オリジナル楽曲賞・ジュリー・セップ、トゥオーマス・ワイノーラ
『SISU シス 不死身の男/Sisu』(2022年・フィンランド・イギリス・1時間31分)
監督:
ヤルマリ・ヘランダー
出演:
ヨルマ・トンミラ、アクセル・ヘニー、ジャック・ドゥーラン、ミモザ・ウィラモ、オンニ・トンミラ、アルトゥ・カプライネン、セヴィリ・サーリネン 他
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