• HOME
  • Articles
  • CINEMANAUT
  • フィリピン、ドゥテルテ政権下、麻薬患者や売人の射殺許可を与えた超法規的政策の下で苦悶する人々を追った迫真のドキュメンタリー『アスワン』
アスワン、aswan、アリックス・アイン・アルンパク、ドキュメンタリー、フィリピン、麻薬戦争

フィリピン、ドゥテルテ政権下、麻薬患者や売人の射殺許可を与えた超法規的政策の下で苦悶する人々を追った迫真のドキュメンタリー『アスワン』

タイトルのアスワンとは、フィリピンの民間民間伝承に登場する妖怪の名からとられている。

強権のドゥテルテ政権の下、麻薬売人や患者を見つけたその場で射殺する許可を与え、以前は週に2人ほどの死者が出ていたところが毎日10人以上が亡くなるという異常事態となっているフィリピン。

この数年で3万人以上の人間が警察もしくは、まるで闇の死刑執行人のような何者かに射殺されているという目を覆うばかりの非常事態となっているフィリピンの陰惨な現状をカメラが追い続ける。

はじめは麻薬の売人を現行犯で射殺するというものだったが、次第に末端の麻薬患者の一般人を標的にし、麻薬組織の上層部は捕まることがないという政府が目的とする麻薬戦争の撲滅には全く繋がっていない。

作品中、子供たちがシャブという単語を口にする。約50人に一人が麻薬常習者というフィリピンでの麻薬乱用は、日本から持ち込まれたものなのでは?と思わせる戦慄すべきシーンである。


この勇気ある迫真のドキュメンタリーを撮影したのは、女性監督アリックス・アイン・アルンパク。

すでに世界各国のドキュメンタリー映画祭で絶賛され、多くの賞を受賞している。


Awards:

  • DMZ国際ドキュメンタリー映画祭:ホワイト・グース賞(大賞)・アリックス・アイン・アルンパク
  • テルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭:ビヨンド・ザ・スクリーン・コンペティション入賞:アリックス・アイン・アルンパク
  • アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭:新人賞部門:国際批評家連盟賞・アリックス・アイン・アルンパク
  • テッサロニキドキュメンタリーフェスティバル:アムネスティ・インターナショナル賞・アリックス・アイン・アルンパク

『アスワン』(2019年・フィリピン・フランス・ノルウェー・カタール・ドイツ・1時間25分)
監督:アリックス・アイン・アルンパク

第21回東京フィルメックスにて
2020年10月30日及び11月2日上映‼

第21回東京フィルメックス TOKYO FILMeX 2020

VOID RECOMMENDS