日本未公開のロシアの鬼才『セルゲイ・ロズニツァ『群衆』ドキュメンタリー3選』
カンヌ国際映画祭で2冠!世界三大映画祭に近作10作品が全て出品されている知られざるドキュメンタリー作家、日本初公開!
科学者としてウクライナの国立機関でAIの研究をしていたセルゲイ・ロズニツァはソ連崩壊後、モスクワの全ロシア映画大学へ入学し、その後、ドキュメンタリー映画作家としての活動を始める。
これまで21作のドキュメンタリーと4作品の長編ドキュメンタリーを発表してきた。
『セルゲイ・ロズニツァ“群衆”ドキュメンタリー3選』はロズニツァのこの数年間の作品群をセレクトしたドキュメンタリー。
様々な時代を突き動かしているのが「群衆」であり、時代の象徴が「顔」であることに気がつかせてくれる3作品が選ばれた。
人々を映すことで現代ロシアの心象風景を描いている。
『国葬』(2019年・オランダ・リトアニア・2時間15分)
ソ連の独裁者スターリンの国葬を記録した貴重なアーカイブ映像を基に製作したドキュメンタリー。
ロズニツァ自らが“歴史に近づく行為”と云う手法であるアーカイヴァル映画(=歴史の埋もれた映像を探し出し時系列的に並べ、まるで歴史が動いているかのような編集で見せる表現方法。)で製作されている。
『粛清裁判』(2018年・オランダ・ロシア・2時間3分)
8人の有識者が西側諸国と結託してクーデターを企てた疑いで裁判にかけられた。
約90年前、スターリンによって行われた見せしめ裁判の記録映像を基に製作したドキュメンタリー。
権力によって人々が扇動され、独裁政権が形作られてゆく様子が描かれる。
『アウステルリッツ』(2016年・ドイツ・1時間34分)
人類は過去の過ちを忘却することで劣化してゆくという愚かさ
戦後75年を経て、記憶を社会で共有し未来へつなげる試みはツーリズムと化していた。
ホロコーストの舞台となった元強制収容所を観光するダークツーリズムを題材に描いたシニカルなドキュメンタリー。
『セルゲイ・ロズニツァ『群衆』ドキュメンタリー3選』
監督:セルゲイ・ロズニツァ
©ATOMS & VOID / ©Imperativ Film
【更新】2023年2月28日