目の前のことすべてが頼りなく、怪奇な気持ちに包まれドキドキが最後まで止まらない!このままついていくか?それとも『もう終わりにしよう。』
非ファンタジーで非倒錯、では目の前で起きていることは一体何なのか?フィクションを揺さぶり続けるかのようなメタフィクションな脚本を書き続ける超絶インテリ、チャーリー・カウフマンの最新作は定石のジャンルを超えて好き放題な展開の不可解極まるストーリー
Story:
ジェイク(ジェシー・プレモンス)は、恋人(ジェシー・バックリー)を連れ雪が降りしきる中、両親の待つ実家へと車を走らせる。
両親に初めて会いに行くにも拘わらず、彼女はもうこの関係は終わりにしようと心の中でつぶやき続ける。
両親の農場に着いてから次々と不可解なことが彼女の身に降りかかってくる。
記憶違いなのか?夢なのか?未来なのか?他人の記憶が混ざっているのか?
見間違いなのか?
恣意的なほどに終わりの見えない記憶と見た目のボタンの掛け違いは延々と続いてゆく。
2020年に初めての小説『Antkind』を発刊したチャーリー・カウフマン。
『エターナル・サンシャイン』(2004年)でアカデミー賞脚本賞を受賞した、目の前の世界を違ったものに見せてくれる異才が脚色した原作小説はイアン・リードの異色のスリラー小説『もう終わりにしよう。』
もう終わりにしよう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
本作は2度3度観る度に気が付く場面や台詞の微細な変化に驚嘆しながら、散らかすようにして観客に残してゆく多くの問いについて様々に考えを巡らせるのが楽しい。
だが、正解は存在しない、突き離されておしまい、そんな作品。
Awards:
- ボストン・オンライン映画批評家協会:脚本賞・チャーリー・カウフマン
- ボストン映画批評家協会賞:脚本賞・チャーリー・カウフマン、編集賞・ロバート・フラツェン
- シカゴ映画批評家協会賞:編集賞
- 映画討論批評家協会賞:脚色賞・チャーリー・カウフマン
- フロリダ映画批評家協会賞:脚色賞・チャーリー・カウフマン
『もう終わりにしよう。/I am thinking of ending things』(2020年・アメリカ・2時間14分)
監督:
チャーリー・カウフマン
出演:
ジェシー・バックリー、ジェシー・プレモンス、トニ・コレット、デビッド・シューリス、ガイ・ボイド
©2020 Netflix Studios, LLC
2020年9月4日より Netflixにて配信中‼
VOIDセレクト‼ チャーリー・カウフマンを知る3本‼
マルコヴィッチの穴 (字幕版)
エターナル・サンシャイン (字幕版)
アノマリサ (字幕版)