
インディーズ映画監督のリアリティ『アイ・ブレイム・ソサエティ/I Blame Society(原題)』
友人にも愛想を尽かされ、自分の才能の真価を実証するために途中で放り投げていた殺人ノワールものを完全犯罪にするべく奔走する女流監督のイタい青春コメディ

自称”インディーズ映画監督”ギリアン(ギリアン・ウォラス・ホルヴァト本人)は、仲間たちにもその才能を懐疑的に見られるようになっていた。
彼女は現状を打破すべく、以前、途中まで撮影して放り投げていた殺人ノワールものを完成させ、世に問いたいとい考えた。
リアリティ番組よろしく自らが映り、カメラに向かって、殺人や完全犯罪についての自説を語りながら、映画製作を始めた。
はたしてギリアンは、作品を完成させることはできるのか?
仲間たちを見返すことはできるのか?
また彼女の映画人生にゴールはあるのか?
何かに夢中になることは素晴らしいことだが、その行為そのものが、コミカルでどこか風刺的に思えてくることがある。
本作も映画作りというアート活動と殺人行為の境界が曖昧になっていき、ギリアン本人も映画を撮っているのか、完全殺人にのめり込んで自らガイドしているのか?混沌としていく。
Awards:
- イースタン・オレゴン映画祭:注目の監督賞・ギリアン・ウォラス・ホルヴァト
- インディー・メンフィス映画祭:新人監督賞・ギリアン・ウォラス・ホルヴァト
『アイ・ブレイム・ソサエティ/I Blame Society(原題)』(2020年・アメリカ・1時間24分)
監督:
ギリアン・ウォラス・ホルヴァト
出演:
ギリアン・ウォラス・ホルヴァト、キース・プールソン、チェイス・ウィリアムソン 他
© Cranked Up Films, 2020