これから絶対観るべき!『おすすめ女性監督映画5選』
Me Too問題から時代は進み、今やハリウッドは女性監督による独自の視点が光る作品に注目が集まっている。
『ジ・アシスタント/The Assistant(原題)』(2019年・アメリカ・1時間27分)
監督:
キティー・グリーン
出演:
ジュリア・ガーナー、マシュー・マクファディン、ジョン・オルシーニ、ダグマーラ・ドミンスク、アレクサンダー・チャップリン、ブレッヒェ・ハイネン、クララ・ウォン、ジュリアーナ・キャンフィールド、クリスティン・フロセス、パトリック・ブリーン 他
©2019 Bleecker Street
大学卒業後、夢にまでみた映画業界での職にありつけたジェーン(ジュリア・ガーナー)
しかし日々の仕事の内容は、コーヒーを淹れ、コピー機の紙を入れ替え、ランチの注文を受け、電話の応対、出張の手配といった雑用をするだけ。
ルックスのよい女性は製作者の直属で働くことができ、容姿や様々な点で女性は蔑視され、差別を受けていると徐々に気が付き始める。
彼女は、自分の立場を何とか変えていきたいと自ら立ち上がるのだが….。
ウクライナのフェミニスト・グループを追ったドキュメンタリー『ウクライナ・イズ・ノット・ブローテル/Ukraine Is Not a Brothel(原題)』(2013年)の監督キティ・グリーンの新作が『ジ・アシスタント/The Assistant(原題)』(2019年)
Me Too問題に発展した大元の事件であるセクハラ問題や性的暴力で逮捕、訴追された元映画製作者ハーヴェイ・ワインスタイン。
ハーヴェイのアシスタントをモデルにして映画化されたが、映画界のことに限らず、女性が社会で働く際、日常的に蔑視されたり、迫害を受けていることを考えさせるストーリーとなっている。
Awards:
- ドーヴィル映画祭:監督賞・キティ・グリーン
日本公開未定
市井の人々の心からの交流を大自然の中で描いたもう一つの西部開拓史
『ファースト・カウ/First Cow(原題)』(2019年・アメリカ・2時間2分)
監督:
ケリー・ライヒャルト
出演:
ジョン・マガロ、オリオン・リー、ユエン・ブレムナー、アリア・ショウカット、ディラン・スミス、クレイトン・ネムロウ、パトリック・D・グリーン、ルネ・オーベルジョノワ 他
© Allyson Riggs/A24
西部開拓史時代のアメリカ、腕のよい料理人クッキー(ジョン・マガロ)は一人、西部を旅していた。
旅の途中、オレゴンで毛皮狩りの猟師たちと合流する。
そして、無一文の中国系移民キン・ルー(オリオン・リー)と知り合い、互いに信頼できる友となり、成功を夢見て一緒にビジネスを始めるのだった。
キン・ルーのアイデアで地主の乳牛から搾った乳を使ってクッキーがこしらえた焼き菓子が開拓地で評判となり、二人は小金を貯め込むが…。
さすらいの料理人と中国系移民の友情を描いた心温まる静かなる西部劇
ガンマンが主人公ではないという点で西部開拓時代を描いた映画としては異色の作品。
静かなる西部劇と云われる所以である。
Awards:
- ドーヴィル映画祭:審査委員賞
- デンバー映画批評家協会:脚色賞・ジョナサン・レイモンド、ケリー・ライヒャルト
- フロリダ映画批評家協会賞:作品賞
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー、U.S.A.:トップ10フィルムズ
- ニューヨーク映画批評家協会賞:作品賞
- ニューヨーク映画批評オンライン:トップ10フィルムズ
- フィラデルフィア映画批評協会賞:脚本賞・ケリー・ライヒャルト、ジョナサン・レイモンド
- サンフランシスコ・ベイエリア映画批評家協会賞:撮影賞・クリストファー・ブローヴェルト、プロダクション・デザイン賞・アンソニー・ガスパロ、ヴァネッサ・ノール
- サンセット映画協会賞:ベスト・ブレイクスルー賞・オリオン・リー
2020年7月10日 全米配信‼
日本公開未定
トラウマとなった学生時代の辛い傷を自ら清算するべく、夜な夜なナイトクラブで酔客になりすまし罠を仕掛ける血みどろのラブ・ハンターをキャリー・マリガンが熱演‼ すでに38(2021.1.27.時点)もの映画賞を受賞!の超快進撃‼
『プロミシング・ヤング・ウーマン/Promising Young Woman(原題)』(2020年・イギリス・1時間53分)
監督:
エメラルド・フェネル
出演:
キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、アダム・ブロディ、レイ・ニコルソン、サム・リチャードソン 他
© 2020 Filmnation Entertainment, Focus Features,LuckyChap Entertainment
医師を目指していたカサンドラ(キャリー・マリガン)は、学生時代に起きたあることで心に傷を負い医師になる夢を捨てた。
そして時は経ち、彼女は毎週末の夜になるとバーやクラブで酔ったフリをして男性客を誘惑していた。
ある目的を果たすために…。
怖いだけではないエンタメ・スリラーという演出力をみせたのは今回が長編映画は初めてというイギリス出身の女性監督エメラルド・フェネル。
製作会社は自身も本作のプロデューサーに名を連ねているマーゴット・ロビー経営の会社、ラッキー・チャップ。
スウィートで優しいイメージが強いキャリー・マリガンにとっては180度違う役柄に挑戦!持前の演技力で復讐鬼を軽妙に演じ切っている。アカデミー賞主演女優賞受賞の呼び声もジワジワと上がってきている。
Awards:
- シカゴ映画批評家協会:今後、期待される新人監督賞
- ニューヨーク映画批評家協会オンライン:主演女優賞・キャリー・マリガン、脚本賞・エメラルド・フェネル、新人監督賞・エメラルド・フェネル、トップ10フィルムズ・オブ・2020選出
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞:主演女優賞・キャリー・マリガン、トップ10フィルムズ・オブ・2020選出
- ロサンゼルス映画批評家協会賞:主演女優賞・キャリー・マリガン、脚本賞・エメラルド・フェネル
2020年12月25日全米公開‼
日本公開予定
ペンシルべニアからニューヨークへ…哀しみを抱えた少女のセンチメンタル・ジャーニー
『ネヴァー・レアリー・サムタイムス・オールウェイズ/Never Rarely Sometimes Always(原題)』(2020年・アメリカ・イギリス・1時間41分)
監督:
エリザ・ヒットマン
出演:
シドニー・フラニガン、タリア・ライダー、テオドール・ペルラン、ライアン・エッゴールド、シャロン・ヴァン・エッテン 他
© 2020 Focus Features, LLC. All Rights Reserved
ペンシルべニア州で暮らす17歳のオータム(シドニー・フラニガン)は、ある日、望まぬ妊娠をしていることに気づくが、その地域では未成年が親の同意なしには中絶はできなかった。
インターネットで見つけたいくつかの方法で中絶を試みたが、どれも失敗に終わる。
オータムの異変に気づいた従姉のスカイラー(タリア・ライダー)は、仕事場から金を盗み出し、二人で未成年でも自分の意志で中絶することが認められるニューヨークへ行くことにする。
しかし、大都会ニューヨークでも様々な難関が二人を待っていた…。
100人のオーディションを経てオータム役に選ばれたのは、これが初めての大役となった新人女優シドニー・フラニガン、すでにいくつかの映画賞において、主演女優賞を受賞している。
今期の賞レースでは、超目玉のダークホース的存在、この映画に出る前は、清掃員の仕事に就いていたという。
Awards:
- ベルリン国際映画祭:銀熊賞(審査員グランプリ)・エリザ・ヒットマン
- サンダンス映画祭:ドラマティック審査員特別賞・エリザ・ヒットマン
- ニューヨーク映画批評家協会賞:脚本賞・エリザ・ヒットマン、女優賞・シドニー・フラニガン
- ロサンゼルス映画批評家協会賞:ベスト・パフォーマンス賞(23歳以下)・シドニー・フラニガン
- ハリウッド批評家協会賞:
- フィラデルフィア映画批評家協会賞:最優秀新人賞・シドニー・フラニガン
2020年4月3日 全米配信‼
日本公開未定
ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞‼
仕事と家を失い季節労働をしながら
キャンピングカーで漂流する
希望探しのロードムービー
『ノマドランド』(2020年・アメリカ・1時間48分)
監督:
クロエ・ジャオ
出演:
フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ
©2020 TWENTIETH CENTURY STUDIOS. ALL RIGHTS RESERVED.
リーマンショック後、企業の倒産で住み慣れた家と仕事を失った60代女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)
彼女はキャンピングカーでアメリカ西部を漂流しながら、季節労働の仕事で日々を繋いで生きることにする。
旅先で出会う人々との交流、誇りをもって自由に生きる彼女は希望を見つけることができるのだろうか?
原作は、ジェシカ・ブルーダーが自らキャンピングカーに乗り、ノマド生活者として生活した体験を出版化した高齢化社会日本にとっても見逃すことのできない衝撃のルポ「ノマド:漂流する高齢労働者たち」(春秋社刊)
ノマド: 漂流する高齢労働者たち
Awards:
- 第77回ヴェネチア国際映画祭・金獅子賞
- トロント国際映画祭:観客賞
2021年3月26日全国順次公開‼
VOIDセレクト‼ 女性映画監督作品3選‼
ハート・ロッカー(字幕版)
ロスト・イン・トランスレーション(字幕版)
レディ・バード (字幕版)