
天国のような日々『サム・カインド・オブ・ヘヴン/Some Kind of Heaven(原題)』
老後をのんびりではなく、優雅に過ごしたい!そんなセレブな退職者のためのディズニーランド=フロリダの高級リタイヤメント・コミュニティ“ザ・ヴィレッジ”での日々に密着したドキュメンタリー

本作は、新鋭監督ランス・オッペンハイムにとっての鮮烈なデビュー作となる。
映像表現で人の内面を抉り出す鬼才ダーレン・アレノフスキー監督によるプロデュース及び、確かな誌面でアメリカを代表する高級日刊誌ニューヨーク・タイムス製作のドキュメンタリー作品。
フロリダに13万人以上のリタイヤしたシニアが暮らす桃源郷、退職者のためのディズニーランドと呼ばれる “ザ・ヴィレッジズ フロリダ”がある。
そこには、合計52のゴルフコース、100軒以上のレストラン、無数の噴水、スイミング・プール、音楽を楽しむステージがあり、一年を通してパーティが開かれている。
またそれぞれ3つの警察署、消防署が配置され、病院、生活支援施設、認知症に関してのケア施設、24時間体制のパトロール等、万全の管理が施されている。
セレブなシニア層には天国のようであっても、今どきのジェネレーションZ世代にはこの世界はまるでファンタジーのようにしか目に映らないかもしれない。
ここに暮らすリタイア後の人々の決して若返ることはないが、若い頃に戻ったかのように嬉々として余生を満喫する人々の幸せな日々をカメラは追って行く。
欧米型のラグジュアリー・リタイヤメント・コミュニティは、施設の制限なく野外で自由に活動し、社会的な交流を図ることで老後生活の質の向上を目的としている。そこが日本にあるしっかりと守られた施設内でゆったりと過ごす高級ケア・ホームとの大きな違いである。
ザ・ヴィレッジズ フロリダではユニークでシビアな規約があり、年齢19歳以下は、30日間しか家族と施設内に滞在することはできない。55歳から正式に暮らすことができる。19歳以上の大人は55歳以上の家族と一緒に暮らすことができる。
また移動手段はゴルフカートで、皆それぞれにカスタムして個性を競い合っていたり、昨年からはドローンによる医薬品の配達も行われているといった先進のサービスも導入されている。
Awards:
- フィラデルフィア映画祭:ベスト・ドキュメンタリー賞
- サンダンス映画祭:ネクスト・イノベーター賞(ノミネート)・ランス・オッペンハイム
『サム・カインド・オブ・ヘヴン/Some Kind of Heaven(原題)』(2020年・アメリカ・1時間23分)
監督:
ランス・オッペンハイム
出演:
デニス・ディーン(本人)、リン・ヘンリー(本人)、アン・キンサー(本人)、レジー・キンサー(本人)、ゲイリー・シュワルツ(本人) 他
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