『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償/Judas and the Black Messiah』
差別と闘い続けた集団にスパイを送り込むFBI、生きることへの誇りと終わりなき弾圧、黒人が根深く抱えるBLM問題を鋭く提示する新世代の黒人による黒人の権利のための映画
1966年、シカゴ。
警官のフリをして自動車窃盗を犯した容疑で逮捕されたウィリアム・オニール(ラキース・スタンフィールド)。
FBIのロイ・ミッチェル特別捜査官(ジェシー・プレモンス)は、無罪放免にする代わりに、当時勢力を拡大しつつあったブラックパンサー党にスパイとして潜入することをウィリアムに持ちかける。
嫌々ながら承諾し、党内に潜入したウィリアムは党のイリノイ州支部長フレッド・ハンプトン(ダニエル・カルーヤ)に近づき、彼の警護となるほどの信頼を得るようになり、FBIへの情報提供の代わりに報奨金も手に入れていた。
しかし、徐々にウィリアム自身には、ブラックパンサー党員としての自覚が生まれてくるのだった・・・
FBIの犬としての自分と、黒人としてよりよく生きたいと思うようになってきた自分との間で引き裂かれそうになるウィリアム。
そして、カリスマ性のあるフレッドの脅威を重く感じ取ったFBIは、次の行動に出ようとする・・・。
果たしてウィリアムは、フレッドを守るのか? それとも・・・。
監督のシャカ・キングは、マーティン・スコセッシ監督の潜入捜査官もののクライム・ストーリーである映画『ディパーテッド』(2007年)を本作のヒントにしたと述べている。
トロイの木馬に見立てて、内部から崩壊する仕組みを考えたストーリー構成とした。
実は支部長フレッド・ハンプトンは、近作、アーロン・ソーキン監督作『シカゴ7裁判』(2020年)にもちょい役で登場する。こちらのフレッド役を演じるのは『WAVES ウェイブス』(2019年)で鮮烈な印象を残したケルヴィン・ハリソン・Jr. 。
あわせて観ることをお勧めする。
シカゴ7裁判 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
平和的に行われるはずの抗議デモが、警察との激しい衝突に発展。その責任を問われ逮捕・起訴された7人は、米国史上最も理不尽な裁判に立たされる。 予告編を観て詳細を確認。
Awards:
- 第93回アカデミー賞:助演男優賞・ダニエル・カルーヤ、歌曲賞・H.E.R.S.
- 第93回アカデミー賞ノミネート:作品賞、助演男優賞・ラキース・スタンフィールド、脚本賞、撮影賞
- 第78回ゴールデン・グロープ賞:助演男優賞(映画部門)・ダニエル・カルーヤ
- AFIアウォ―ド:ムーヴ・オブ・ジ・イヤー
- ダラス・フォートワース映画批評家協会賞:助演男優賞・ダニエル・カルーヤ
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー:トップ10フィルムス選出
- ネヴァダ映画批評家協会:助演男優賞・ダニエル・カルーヤ
- トロント映画批評家協会:助演男優賞・ダニエル・カルーヤ
『ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償』(2021年・アメリカ・2時間6分)
監督:
シャカ・キング
出演:
ダニエル・カルーヤ、ラキース・スタンフィールド、ジェシー・プレモンス、マーティン・シーン 他
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc., MACRO JWMH, LLC, Participant Media, LLC and BRON Creative USA, Corp. All rights reserved.
2021年9月3日 DVDレンタル開始‼
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【更新】2021年10月13日