稀代のコメディアン ジョン・ベルーシ、その生涯『BELUSHI ベルーシ』
コメディ、映画、音楽とジャンルを越境して人々に愛と笑いを届け、嵐のように駆け抜け、33歳の若さで突然、この世を去ったアメリカン・コメディが生んだエンターティナー、ジョン・ベルーシの全人生。
Story:
アメリカ、イリノイ州シカゴでアルバニア移民の子として生まれた希代のコメディアンであり、俳優・ミュージシャンであったジョン・ベル―シ(1949年1月24日‐1982年3月5日)。
彼が33歳で突然この世を去るまでを、縁の深かった関係者へのインタビュー、アーカイブ映像、発見された未公開音声テープや妻へのラブレター、そしてアニメーション等で、怒涛のごとく駆け抜けた短い生涯を振り返るドキュメンタリー。
よそ者として扱われることを跳ね返すかのように、幼少時から自然とユーモアを武器にしていったベル―シは、次第に周囲の人々を楽しませる存在となってゆく。
シカゴの即興コメディ劇団セカンド・シティで劇団員同士として知り合ったダン・エイクロイドと意気投合し、その後の代表作であるドタバタ・コメディとロック・ミュージカルが融合した見事な傑作映画『ブルースブラザース』へと繋がってゆく。
ニューヨークへ拠点を移し、舞台、ラジオ、TV、映画、音楽へと活動領域を広げ、あっという間にアメリカン・コメディの象徴的存在にまで登り詰めたのもほんの束の間、ハリウッドの老舗ホテル、シャトー・マーモント・ホテルでコカインとヘロインを混合したドラッグの過剰摂取により死亡した亡骸が客室で発見される。
本作では、高校時代からのパートナーであり、当時の妻ジュディスが保管していた未公開音声テープやラブレター、詩を元に縁の深い関係者へのインタビューやアーカイブ映像、アニメーションでアメリカン・コメディの希代の天才、ジョン・ベル―シのあまりにも短かった生涯を追う。
Behind The Inside:
ベルーシの声は、ビル・ヘイダーが担当
本作中のジョン・ベルーシの声を『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』に出演している俳優でありコメディアンのビル・ヘイダーが担当している。
ヘイダーは、シカゴのコメディ劇団セカンド・シティからキャリアをスタートして、その後、サタデー・ナイト・ライブでの物まね芸で人気を呼んだ。
いわばジョン・ベルーシと全く同じ道を辿った後輩にあたる存在である。
ベルーシが最後に食べたものは、レンズ豆のスープ
ジョン・ベルーシは、100年間近くハリウッドの数々の伝説を生んだホテル、シャトー・マーモントの客室でドラッグのオーバー・ドーズで他界した。
ベルーシが死の直前、ドラッグ以外に口にしたものとは、ウエスト・ハリウッドにある名店レインボー・バー&グリルのレンズ豆のスープだったそうだ。
あまりにも突然に訪れた死に世界中がベルーシを喪ったことを悲嘆した。
ボブ・ウッドワードによるノンフィクション本の存在
ウォーターゲート事件における事件報道で有名となったワシントンポスト紙編集委員ボブ・ウッドワードによるジョン・ベルーシのキャリアとその死をスキャンダラスに綴ったノンフィクション「ベルーシ殺人事件―ハリウッドスターたちとドラッグの証言」が1989年に発刊された。
「ベルーシ殺人事件―ハリウッドスターたちとドラッグの証言」 を基に映画化されたのが『ベルーシ ブルースの消えた夜』(1992年)
『BELUSHI ベルーシ / Belushi』(2020年・アメリカ・1時間48分)
監督:
R.J.カトラー
出演:
ジョン・ベルーシ、トム・シラー、ハロルド・レイミス、ダン・エイクロイド、チェビー・チェイス、キャリー・フィッシャー、ジュディス・ベルーシ・ピサーノ、ジェームズ・ベルーシ、アイヴァン・ライトマン、キャンディス・バーゲン、ペニー・マーシャル、ジョン・ランディス 他
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