ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモスによる女性版フランケンシュタイン『哀れなるものたち』
本作は、オリジナル作品を発表し続けてきた奇想のギリシャ人映像作家ヨルゴス・ランティモス初めての原作からの映画化にして、最も長編の作品となる。
主演は『女王陛下のお気に入り』(2018年)以来のご縁となったエマ・ストーン。天才的な外科医の科学者によって蘇生された哀れな女性の未知なる解放を赤裸々に演じる!
Story:
非常識をものともしない天才的な外科技術を持つ科学者ゴドウィン・バクスター博士(ウィレム・デフォー)は、身投げした女性が身籠もっていた子の脳を移植することで、ベラ・バクスター(エマ・ストーン)として蘇らせることに成功する。
バクスター博士の調教によって、ベラは多くのことを学んで理想の女性になるために成長してゆく。
だが、もっと世界を知りたいベラは、口先ばかりの自堕落な弁護士ダンカン・ウェダーバーン(マーク・ラファロ)と駆け落ちして、大陸横断の旅に出る。
更なる自由と解放へと向かってゆくベラに待ち受けているものとは・・・?
Behind The Inside:
ベニスでは8分間のスタンディング・オベーションで祝福されたランティモス監督
7月14日から長く続いているSAG-AFTRA(映画俳優組合-米国テレビ・ラジオ芸能人組合)によるストライキの余波を受けて、出演者は一人も参加しなかった今年のヴェネチア国際映画でのコンペティション部門での正式上映であったが、正式上映後、観客たちは8分余りのスタンディング・オベーションをもってヨルゴス・ランティモス監督を祝福した。
本作はプロデューサーの一人として名を連ねている主演のエマ・ストーンによる生々しい性描写によってR指定となっている。
これに関してランティモス監督は、ベラのこのシーンをきれいごとの演技で済ませれば、ある意味、主人公の存在を裏切ることにもなると考えていて、このベッドシーンの話をエマに切り出した時、エマはベラなんだからしなければならないことをしましょう!と力強く言ったと述べている。
ユニークな原作を元に創造者たちの強い信念で作られた本作は見事、作品賞にあたる最高賞の金獅子賞に輝き、ヨルゴス・ランティモス監督は再び世界で伝説を作った。
Awards:
- 第80回ヴェネチア国際映画祭:コンペティション部門正式出品・金獅子賞受賞・ヨルゴス・ランティモス
『哀れなるものたち/Poor Things』(2023年・アイルランド・イギリス・アメリカ・2時間21分)
監督:
ヨルゴス・ランティモス
出演:
エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー・ユセフ、ジェロッド・カーマイケル、ハンナ・シグラ、マーガレット・クアリー、ヴィッキー・ペッパーダイン、ジャック・バートン 他
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