チャーチルの秘密部隊の活躍を描いた戦争アクション『非紳士的な戦争省 / The Ministry of Ungentlemanly Warfare』
ガイ・リッチー監督最新作は第二次世界大戦が舞台。
ヨーロッパへのナチス侵攻を食い止めるため、英国首相ウィンストン・チャーチル指揮の元、組織された特殊部隊があった。007も所属するかの有名な英国諜報機関MI6の前身と言われ、型破りで非紳士的な戦い方から”非紳士的な戦争省”と呼ばれた特殊作戦執行部(SOE)の活躍を描く。
本作は実際にあった英国軍によるナチス、Uボートの補給路を断つ破壊工作「オペレーション・ポストマスター」を下敷きにした戦争アクション。
Story:
1941年、第二次世界大戦の初頭、ドイツ軍による執拗なロンドン市街への空爆と、潜水艦隊による補給援助物資輸送船攻撃により痛手を負っていた英国はナチス・ドイツ軍のヨーロッパ侵攻を何としてでも食い止めようと必死だった。
ウィンストン・チャーチル首相(ロリー・キニア)の承認の元、コリン・ガビンズ’M’少将(ケイリー・エルウィス)が極秘に設立した特殊作戦執行部(SOE)の任務はトップ・シークレットであり、その役目はヨーロッパ各地におけるヒトラー総統及びナチス・ドイツと同盟の枢軸国に対する諜報活動、破壊工作や特殊作戦など主に騒乱の種まきを展開し、ナチスの侵攻を止めることであった。
Uボートへの補給路を断つ妨害工作「オペレーション・ポストマスター」のため、西アフリカのギニア湾沖にあるスペイン領フェルナンド ポー島へと派兵されたのは、刑期を短くすることを条件に参戦したガス・マーチ・フィリップス少佐(ヘンリー・カヴィル)を中心に航海士グラハム・ヘイズ(ヒーロー・ファインズ・ティフィン)、爆破のプロ、フレディ・アルバレス(ヘンリー・ゴールディング)、弓の達人、アンダース・ラッセン(アラン・リッチソン)、ゲシュタポに捕えられていたところを救出され参戦する有能な工作兵ジェフリー・アップルヤード(アレックス・ペティファー)の5名。
彼らに加えてナチスの司令官ハインリッヒ・ルーア(ティル・シュヴァイガー)を誘惑するために元女優で射撃の名手マージョリー・スチュワート(エイザ・ゴンザレス)も島に上陸し、カジノ経営者のリチャード・ヘロン(バブス・オルサンモクン)の助けを借り、ハインリッヒの命を狙っていた。
今、まさに急襲作戦「オペレーション・ポストマスター」が始まろうとしていた!
Behind The Inside:
007ファンはマスト・ウォッチな作品
本作は、第二次世界大戦初期の段階で予想以上の速さでナチス・ドイツによるヨーロッパ侵攻が進んだことに焦りを感じた英国首相ウィンストン・チャーチル主導の元、秘密裏に組織された特殊作戦執行部(SOE)の極秘任務である、Uボートの補給基地を港にある船ごと破壊する「オペレーション・ポストマスター」を元に制作された。また、「オペレーション・ポストマスター」は2016年になってようやく開示された、知られざる実際の急襲作戦であった。
ヘンリー・カヴィルが演じたガス・マーチ・フィリップス少佐は実在の人物であり、イアン・フレミング原作の007シリーズに登場するジェームズ・ボンドのモデルであったと言われている。
ヘンリー・カヴィルといえば、007ファンが選ぶネクスト・ボンドの候補としても度々、その名が挙げられるトップ・スターである。
だが、カヴィルが演じたガス・マーチ・フィリップス少佐は、007のように不死身というわけにはいかず実際にはこの作戦の8ヶ月後に戦死している。
実は、本作には007シリーズの生みの親である小説家イアン・フレミング(フレディ・フォックス)が登場する。
ケイリー・エルウィスが演じるコリン・ガビンズ’M’少将がMと呼ばれていたり、後に小説家となるイアン・フレミングが登場したりする辺りは明らかに007シリーズへのオマージュであり、ガイ・リッチー監督一流のコミカルな茶目気であることは間違いない。
『非紳士的な戦争省 / The Ministry of Ungentlemanly Warfare』』(2024年・アメリカ・イギリス・トルコ・2時間)
監督:
ガイ・リッチー
出演:
ヘンリー・カヴィル、エイザ・ゴンザレス、ヘンリー・ゴールディング、アラン・リッチソン、アレックス・ペティファー、ヒーロー・ファインズ・ティフィン、ケイリー・エルウィス、ロリー・キニア、バブス・オルサンモクン、ティル・シュヴァイガー、フレディ・フォックス 他
© 2024 LIONS GATE ENT. INC. ALL RIGHTS RESERVED.