実はテコンドー黒帯の有段者、ナイスガイ、デヴ・パテルの新境地!壮絶なアクション巨編『モンキーマン/Monkey Man』
アクション・スターのイメージよりも知的なナイスガイのイメージが強いデヴ・パテル渾身の初監督・主演作は、サウス・バイ・サウスウエストでのヘッドライナー上映後、”ムンバイのジョン・ウィック”と熱狂的に迎えられた意欲作。
邪悪な伝道師と悪徳警官により全滅した町で唯一生き残った少年が成長し、殺された母親のために血で血を洗う報復を描くリベンジ・アクション・ノワール。
Story:
インドの山中、キッド(ジャティン・マリック=少年時代)は、母ニーラからインド神話の神猿ハヌマーンの伝説を教え込まれて育った。
架空の地、ヤタマ市近郊で影響力のある邪悪な伝道師ババ・シャクティ(マカランド・デシュパンデ)は、腐敗した悪徳警察官ラナ(シカンダル・ケール)を送り込み、町の乗っ取りを企てていた。
残忍なラナによって住民は皆殺しにされ、ニーラは自らの命を犠牲にして、キッドを逃す。
数年後、キッド(デヴ・パテル)は、タイガー(シャールト・コプリー)の寺院で行われる地下格闘技に猿のマスクを着けたファイター、モンキーマンとして出場し、八百長試合でファイトマネーを稼いでいた。
だが、彼の真の目的は無惨に殺された母のため、ババとラナへの復讐を果たすことであった。
キッドはクイーニー(アシュウィニー・カルセカール)が仕切る高級売春宿の常連客となった羽ぶりのよい悪徳警官ラナと今や影響力のある有力政治家となったババへの報復の時が来るのを待っていたのだ。
Behind The Inside:
アクション映画界に風穴を開けてやる!デヴ・パテルが込めた本作への熱き想い
出演作品からはナイスガイという印象が強いデヴ・パテルだが、実は幼少時からテコンドーを始め、16歳の時に黒帯保持の有段者となった生粋のアスリートである。
彼が祖父からいつも聞かされていた逸話と大好きなブルース・リー映画、韓国のノワール作品、ボリウッド映画へのオマージュが沢山詰まった本作は、あぶく銭を稼ぐことばかり考えて作られた愚かなアクション映画界に風穴を開ける魂のこもった真のアクション作品を目指したとデヴは言っている。
その熱意もあってデヴが撮影中に負った怪我は数知れずで、手の骨折、足の指先の骨折2本、肩腱板断裂、目の感染症と満身創痍で主演と監督をこなしたという。
Under The Film:
ネットフリックス・ストレート配信から劇場公開へと作品の運命を変えたキーマン
本作は諸般の事情から製作費削減を受け、マルチカメラ撮影のシーンは一部をGOPROとiPhoneで代用しているという。
またオリジナル編集版は血みどろの暴力シーン、言語、レイプを含む過度な性的シーン、ドラッグ使用シーン等のためR指定となり、後にレイプ・シーンは削除された。
デヴ自身が撮影中に大怪我をして、カメラをGOPROとiPhoneで一部撮影したり、確実にR指定となるてんこ盛りのヤバいスペック 等、シネマニアの興味を惹くカルト作品となる要素がギッシリと詰まった作品ではあるが、当初は劇場公開ではなくNetflixへのストレート配信の予定であったという。
そこへ大きな助け舟が現れる。
その人とは、『ゲット・アウト』(2017年)、『アス』(2019年)、『NOPE/ノープ』(2022年)のジョーダン・ピール監督である。
試写を観たジョーダンは、本作は劇場公開にするべき内容の作品との直感から権利をNetflixから自社であるモンキーパウ社で買い上げ、ユニバーサル映画との配給ディールに話をつけたのだ。
アメリカ国内での公開直後の興行収入は約15億円の製作費に対して約50億円と3倍強を稼ぎ出した。
ジョーダン・ピールの眼力に間違いはなかったということである。
Awards:
- サウス・バイ・サウスウエスト:ヘッドライナー上映:観客賞
『モンキーマン/Monkey Man』(2024年・アメリカ・カナダ・シンガポール・インド・2時間1分)
監督:
デヴ・パテル
出演:
デヴ・パテル、シャールト・コプリー、ピトバッシュ・トリパシー、シカンダル・ケール、ソビタ・ドゥリパラ、マカランド・デシュパンデ、アシュウィニー・カルセカール、ヴィピン・シャルマ、アディティ・カルクンテ、ジョモン・トーマス、ヴィージェイ・クーマー 他
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