トレイ・エドワード・シュルツ監督が創り上げた、まさに一生に一度の傑作!『WAVES/ウェイブス』
新鋭トレイ・エドワード・シュルツ監督が描く傷ついた若者たちの栄光と挫折、失った愛からの救済を色鮮やかに描く希望のストーリー
Story:
舞台はフロリダ、アフロ・アメリカンのエリート一家、恵まれた家庭に育ち、優秀なレスリング選手の高校生タイラーだったが、ある日、深刻な肩の故障から選手生命の危機を医師から伝えられ、徐々に人生の歯車が狂い始める。
そして…. 1年後、心を閉ざして生きるタイラーの妹、エミリーの前にルークという青年が現れる。
彼らは次第に惹かれあっていくが、ルークもまた心に深い傷を負っていた。
順調だったはずの長男の人生は父親からのプレッシャーで次第に崩れ始める。
そして、その後のふさぎがちな彼の妹の淡い恋の顛末を描く2部構成の作品となっている。
これは、監督のトレイ・エドワード・シュルツがウォン・カーウァイの二人の警官のそれぞれのストーリーを交わることなく錯綜させた『恋する惑星』を観て、一つの家庭の兄弟で全く別の話として構成している本作への着想を得たという。
Must Point:
時間経過に合わせてスクリーン画角が変化する実験的手法
本作の実験精神に溢れた特徴の一つ、ストーリーが進むにつれ、画面のアスペクト・レシオ(画面の左右の大きさ)が次第に変わってゆく映像となっている。
前半の兄タイラーのストーリーでは、次第に画面サイズが横長から真四角画面になってゆく。
ストーリー冒頭の360度回転するカメラも圧巻だが、スクリーンのフルサイズから周囲の風景は徐々に削られて真四角へ。最後は追い込まれてゆく主人公の内面に向かっていくかのようだ。そして、第2部では兄の話から妹の話へ移り変わり、画面サイズもドラマ終盤へ向かい再びフルサイズへと回帰してゆく。
監督のトレイ・エドワード・シュルツは、父親役のスターリング・K・ブラウンへ脚本を送る際、ストーリーの進行と共に変化する画面のアスペクト・レシオのことを付記し、どこでBGMがかかるかのタイミングまでも詳細に書いたキューシートを添えたPDFファイルを渡したという。
Awards:
- 米・アフリカ系アメリカ人映画批評家協会
ブレイクアウトパフォーマンス:ケルヴィン・ハリソンJr.
ウィ・シー・ユー賞:テイラー・ラッセル - 米・ゴッサム賞・ブレイクスルーアクター:テイラー・ラッセル
- 米・ハンプトンズ国際映画祭・脚本賞:トレイ・エドワード・シュルツ / A24
- 米・サンタバーバラ国際映画祭・ヴァーチュオソ賞:テイラー・ラッセル
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー・トップ10フィルムス
『WAVES/ウェイブス』(2019年・アメリカ・2時間15分)
監督:トレイ・エドワード・シュルツ
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr.、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
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2020年7月10日全国公開!
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【更新】2021年6月16日