1920年代のアメリカを舞台に描く壮絶なヒューマン・ドラマ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
『ピアノ・レッスン』の名匠ジェーン・カンピオン監督が兄弟の相克と男性至上主義や同性愛の問題も孕ませ昇華させた繊細さと骨太さが入り混じったリアルな人間ドラマ
Story:
1920年代のアメリカ、モンタナ州にある牧場。
頭脳明晰で冷徹なフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)と頑固で小うるさいが親切心のあるジョージ(ジェシー・プレモンス)の2人の兄弟は、牧場を上手く営んできた。
だが、ある時、ジョージが密かに子持ちの女性、ローズ(キルスティン・ダンスト)と結婚したことから兄弟の関係は悪化し、フィルはジョージとローズの夫婦へ敵意をむき出しにしてゆく。
フィルはローズの息子、ピーター(コディ・スミット=マクフィー)を手駒として使い、ジョージとローズの夫婦を攻撃し始めるのだった・・・。
緊迫した人間関係の果てに巻き起こる壮絶な人間ドラマの顛末は・・・。
Behind The Inside
キルスティン・ダンストの大ファンであった監督ジェーン・カンピオンの長年のラブコールで出演が実現!
20年ほど前にジェーン・カンピオンから受け取った手紙をキルスティン・ダンストは今でも大事に所持しているという。
だが、キャスティング当初はエリザベス・モスがローズ役と決まっていたが、タイカ・ワイティティ監督の新作への出演を優先したために降板、キルスティンがキャストされた経緯がある。
そして、本作中の夫、ジョージを演じたジェシー・プレモンスはキルスティンの実際の夫である。
このジョージ役もまた当初はポール・ダノが演じる予定だったが、マット・リーヴス監督版『バットマン』のリドラー役の撮影スケジュールを優先したためにジェシーにジョージ役が回ってきたのだという。
Awards:
- 第78回ヴェネチア国際映画祭:銀獅子賞(監督賞)受賞
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021年・イギリス・オーストラリア・アメリカ・カナダ・ニュージーランド・2時間5分)
監督:
ジェーン・カンピオン
出演:
ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト、ジェシー・プレモンス、コディ・スミット=マクフィー、トーマシン・マッケンジー、キース・キャラダイン 他
© 2021 Netflix Studios, LLC
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