香港と共に歩んだ40年『我が心の香港 映画監督アン・ホイ』
英国で映画作りを学び、ツイ・ハークやパトリック・タムらと共に香港ニューウェーブの旗手として香港映画に深く寄与し、時代の先を走り続ける女性映画監督のトップ・ランナー、アン・ホイ。彼女の香港愛に溢れる映画屋人生を様々な映画人の証言を基に描くドキュメンタリー
Story:
『客途秋恨』(1990年)『女人、四十。』(1995年)などの作品で世界的に知られ、今年74歳になる香港映画の巨匠アン・ホイ。
1980年代以降、ツイ・ハークやパトリック・タムらと共に、香港ニューウェーブの旗手として香港映画の発展に大きく貢献してきた40年に及ぶエネルギッシュな映画人生。
ダイナミックな時代の流れに身をまかせて活動し続けたアジアの女性監督のトップランナーとしての歩みでもあった。
香港の文化を重んじ、ロンドンで映画を学んだ彼女は、まさに“東洋と西洋の出会い”“香港魂”を体現する存在でもある。
本作は現代までの香港映画の発展に深く寄与してきた映画監督アン・ホイの姿を描く、彼女の香港愛に溢れた真摯なドキュメンタリーである。
Behind The Inside:
映画監督アン・ホイ(許鞍華)について
1947年5月23日 中国遼寧省鞍山市で中国人の父と大分県出身の日本人の母との間に生まれる。
5歳の時に香港に移住。
10代の頃、母が日本人であることを知り、当時の反日教育の影響もあって反感を持ったが、徐々に和解していった。
香港大学で英語と文学を学んだ後、ロンドンの映画学校で2年学ぶ。
香港に戻り、映画監督キン・フーのアシスタントとなる。
その後、テレビドラマやドキュメンタリー作品を手がける。
代表作の『客途秋恨』(1991年)は20代後半に母の故郷に2人で旅した経験から生まれた。
2008年、第19回福岡アジア文化賞大賞を女性で初めて受賞。
2009年の第22回東京国際映画祭では「アン・ホイNow & Then」として天水圍2部作とテレビ作品7本が上映された。
問題を提起するような作風よりも人間性を追いかけることに自らの作家性を見出している。
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『我が心の香港 映画監督アン・ホイ』予告編(2020年・香港・1時間51分)
監督:
マン・リムチョン
出演:
アン・ホイ、ナンサン・シー、ツイ・ハーク、フルーツ・チャン、ティエン・チュアンチュアン、ホウ・シャオシェン、アンディ・ラウ、ジャ・ジャンクー、シルヴィア・チャン
© 2020 A.M. Associates Limited
2021年11月6日 新宿 K’s cinemaにて公開‼
同時(限定)上映作品:
『男人四十』(2002年)11月12日から14日の各日1回のみ(上映時間は劇場にてご確認ください。)
出演:ジャッキー・チュン、カリーナ・ラム、アニタ・ムイ、エリック・コット
『桃(タオ)さんのしあわせ』(2011年) 11月19日から21日の各日1回のみ(上映時間は劇場にてご確認ください。)
出演:ディニー・イップ、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、サモハン、ツイ・ハーク 他
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