奇妙な衝撃波に刻まれたサウンドと記憶の物語『メモリア』
実在とその隣にある異界の気配を感じさせる唯一無二の映像作家であり、現代美術家でもあるアピチャッポン・ウィーラセタクン。最新作はティルダ・スウィントンを主演に迎え、全編コロンビア・ロケを敢行!カンヌ映画祭で大絶賛され、審査員賞を受賞!
Story:
南米コロンビア、メデジンで花屋を営むジェシカ(ティルダ・スウィントン)は、呼吸疾患で入院している姉のカレン(アグネス・ブレッケ)とその夫フアン( ダニエル・ヒメネス・カチョ)を訪ねるため、ボゴダに滞在している。
ある夜、ジェシカは爆発音のような奇妙な音や衝撃波を感じ、眠りから覚める。
この不可解な体験の原因追及の旅が続いてゆく。
だが、山の中の小さな町を旅する内に不気味な爆発音による感覚異常は更に酷くなってゆくのだった・・・。
Behind The Inside:
奇妙な音の意味とは?
ウィーラセタクン監督自身が繰り返し耳にした騒音から着想を得ているという。
脚本執筆のためのコロンビア紀行
本作を作るにあたり、ウィーラセタクン監督は、綿密なコロンビア視察を行った。
ボゴタ、カリ、メデジン、ピハーオ、チョコ県、アンデス山脈やジャングルを視察して回った。
さらに刑務所や精神病院を訪れ、心理学者に取材し、薬物の幻覚症状について記録し、考察を重ねたものを基に
本作の脚本を仕上げた。
コロンビアを旅するウィーラセタクン監督の心象風景が分かる貴重な映像
CRITERION COLLECTIONリリースのアピチャッポン・ウィーラセタクンが『メモリア』製作前に旅したコロンビアでの日々を追ったコナー・ジェサップ監督によるドキュメンタリー作品で、俳優でもあるコナーはウィーラセタクン監督と旅をしながら、その作家性の秘密を探り続ける。
ウィーラセタクン監督は、「コロンビアで記憶を探しあてたい、ストーリーと巡り会いたい」と述べている。
そして、このマスター・ピース『メモリア』が生まれた。
Must Point:
アカデミー賞に選出!
第94回アカデミー賞:国際映画賞・コロンビア代表に選出されている。
Awards:
- 第74回カンヌ国際映画祭:審査員賞・アピチャッポン・ウィーラセタクン
『メモリア/Memoria(原題)』(2021年・コロンビア・タイ・フランス・ドイツ・メキシコ・カタール・イギリス・中国・スイス・2時間16分)
監督:
アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:
ティルダ・スウィントン、エルキン・ディアス、ジャンヌ・バリバール、フアン・パブロ・ウレゴ、ダニエル・ヒメネス・カチョ、アグネス・ブレッケ 他
©2021 Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF/Arte and Piano
2022年3月4日 ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷 他 全国順次公開‼
映画『MEMORIA メモリア』公式サイト
映画『MEMORIA メモリア』公式サイトです。3.4(FRI)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開
VOIDセレクト: アピチャッポン・ウィーラセタクンおすすめ
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