家族同然だった子守役のアンドロイドが目覚めなくなった時… 記憶回路を取り出し、彼の過去を調べてゆく内に気づいてゆくこととは・・・?
Story:
アンドロイド(人型ロボット)が子守を任される未来の時代。
茶葉を売る古風なビジネスを生業としているジェイク(コリン・ファレル)とその妻キーラ(ジョディ・ターナー=スミス)の夫妻は、中国系の養女ミカ(マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ)の子守役として、同じく中国系の社会文化を醸成できる相手としてシッターのアンドロイド、ヤン(ジャスティン・H・ミン)を4人目の家族として購入し、一緒に暮らしていた。
ところが、ある日突然、ヤンが動かなくなる。
ジェイクは、家族同然のヤンを救うために腐心するが、目覚めることはなく、記憶回路を取り出しヤンが今までどのようにして過ごしてきたのか、彼の知られざる過去を知ることとなる。
Behind The Inside:
原作は、小説家アレクサンダー・ワインスタインの短編小説「Saying Goodbye to Yang」
小説家アレクサンダー・ワインスタインが2016年に発表したテクノロジーと人間をテーマとした短編集「Children of the New World」に収録されている。この短編を監督のコゴナダが3ヶ月かけて脚本として書き上げた。
Must Point:
監督のコゴナダという一風変わった名はニックネームで、野田高梧の名前を入れ替えた同形異音語
韓国系アメリカ人監督コゴナダは、コリン・ファレルが”プロフェッサー”と呼ぶほど、歩く映画百科事典のような映画通であり、小津安二郎監督を敬愛していることでも知られている。
映画に関するドキュメンタリー作品を作ってきた映像作家は、覆面作家のように職業名をKOGONADA(コゴナダ)と名乗る。小津監督の全作品の脚本を執筆した脚本家、野田高梧(のだこうご)の名前を入れ替えた同形異音語である。
コゴナダが本名を名乗らないのは、多くの移民のアメリカ人のように付けられた名がアジアが出自の自分には奇妙で不釣り合いに感じられたからなのだという。
コゴナダの小津愛は、前作『コロンバス/Columbus(原題)』(2017年)で濃厚に感じさせ、小津監督作品へのオマージュのような作品となっている。
本作『アフター・ヤン』の中でも小津作品『麦秋』(1951年)からインスパイアされたシーンも撮影されている。
Awards:
- カンヌ国際映画祭:ある視点部門正式上映作品
- サンダンス映画祭:Alfred P. Sloan 商業映画賞(SF/科学技術関連作品のみへ授与)
『アフター・ヤン/After Yang(原題)』(2021年・アメリカ・1時間36分)
監督:
コゴナダ
出演:
コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ、ジャスティン・H・ミン 他
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