今まで、オリジナル脚本以外撮ることはなかったカンヌ映画祭常連のイタリアの至宝ナンニ・モレッティ。監督にとって初めての原作物の映画化は、現代的背景の中で描かれる3つの家族の肖像
Story:
ところはローマ、住人は挨拶を交わす程度で互いに親しくはない高級アパート。
ある夜、アパートの一階に車が衝突し、女性が亡くなる。
運転していたのは、同じアパートの3階に住むヴィットリオとドーラ(マルゲリータ・ブイ)の裁判官夫妻の息子アンドレア(アレッサンドロ・スペルドゥーティ)だった。
その時、2階に住むモニカ(アルバ・ロルヴァケル)は夫ジョルジョ(アドリアーノ・ジャンニーニ)が長期出張中で、陣痛のため一人で病院に向かうところだった。
1階のルーチョ(リッカルド・スカマルチョ)とサラ(エレーナ・リエッティ)夫妻は車の衝突で仕事場が破壊されたため、娘を朝まで向かいの老人に預けることにする。
小さな出来事が重なり合い、人々を追い詰め、家族の不和や予想もしなかったことへと発展してゆく。
Behind The Inside:
ナンニ・モレッティ初の原作ものの映画化!
今まで監督してきた作品は、全てオリジナル・ストーリーの映画作りをしてきたモレッティ監督だったが、本作では、イスラエルの小説家エシュコル・ネヴォの小説「スリー・フロアーズ・アップ」を翻案して映画化している。
原作ではテルアビブにある高級アパートが舞台となっており、他人とはあまり関わらないように暮らすイスラエルの人々の生活の閉塞感が表現されている。
モレッティは舞台をローマへと置き換え、イタリアン・テイストのローカライズを行った。
Awards:
- 第74回カンヌ国際映画祭:コンペティション部門正式出品作品
『3つの鍵/Three Floors』(2021年・イタリア・フランス・1時間59分)
監督:
ナンニ・モレッティ
出演:
リッカルド・スカマルチョ、マルゲリータ・ブイ、アルバ・ロルヴァケル、アドリアーノ・ジャンニーニ、エレーナ・リエッティ、ナンニ・モレッティ、デニース・タントゥッチ、アレッサンドロ・スペルドゥーティ、アンナ・ボナイウート 他
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