
死霊魂
ある日突然、収容所送りとなった人々へ破滅的な大飢饉が折り重なる!生き残った者たちの証言から明るみになる衝撃的な事実とは?

明らかにされることのない中国の歴史の闇、“中国版ホロコースト”とも称される50年前の“反右派闘争”
中国政府のキャンペーンに乗せられ、うっかり自由に発言した55万人の右派とされる人々が収容所送りとなった。折しも7年間で4500万人もの人間が命を落とした大飢饉の時期と重なり、地獄と化した収容所での生存者はわずか1割だった。
本作は、中国人監督ワン・ビン(『鉄西区』(2002年)『鳳鳴―中国の記憶』(2007年))が2005年から2017年までの12年をかけ、120名の生存者の証言を集め、のべ600時間にも及ぶ映像記録を3部作、8時間弱の作品としてまとめあげた決して忘れてはならない魂の記録。
無残にも消えて行った多くの死者へ問いかけ、そして人間の尊厳と本質とは何かを突き付けるワン・ビンによる中国ドキュメンタリー映画の集大成‼
Must Point:
14歳の時、父が他界してから24歳まで建設設計院で働き、家族の生計を支えたワン・ビンは仕事先で写真に興味を持ち勉強を始め、北京電影学院撮影科で学んだ。
仕事がなかったため新聞映画撮影所で1年半ほど働いた後、中古のデジタルカメラを手に入れ、独自に『鉄西区』のドキュメンタリー撮影を始める。この5時間の処女作は世界的な称賛を集めた。
その後も真摯にドキュメンタリーを撮り続け、世界に名だたるドキュメンタリー作家の一人となっている。
ワン・ビンは、中国ドキュメンタリ-映画の大きなうねりの頂点に位置している
ニコラス・ラポルド、ザ・ニューヨーク・タイムス
Awards:
- 山形国際ドキュメンタリー映画祭・ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
- ファロ―アイランド映画祭・ベスト・アチーブメント・イン・ディレクティング:ワン・ビン
『死霊魂』(2018年・フランス・スイス・8時間26分(3部上映-休憩2回)・ドキュメンタリー)
監督:ワン・ビン
©LES FILMS D’ICI-CS PRODUCTIONS-ARTE FRANCE CINÉMA-ADOK FILMS-WANG BING 2018