前途有望だったはずの彼女たち。リベンジ・スリラー『プロミシング・ヤング・ウーマン』
目には目を歯には歯を!学生時代の辛く苦い思いを清算するべく、夜な夜なナイトクラブで酔客を装う血みどろのラブ・ハンターをキャリー・マリガンが熱演!すでに107(2021.4.25時点)もの映画賞を受賞!の超快進撃!
Story:
キャシー(キャリー・マリガン)は医大に通う学生で、優秀な医師になるだろうと思われていた将来有望な女性だった。
だが、親友がレイプされた上、その訴えも認められず自殺してしまったことをきっかけに医大を中退し、今は両親と同居しながらカフェでアルバイトをする日々。
そんな無為の日々を過ごす彼女は毎週末の夜になるとバーやクラブで酔ったフリをして男性客を誘惑していた。
ある目的を果たすために・・・。
Behind The Inside:
怖いだけではないエンタメ・スリラー
怖いだけではないエンタメ・スリラーという演出力をみせたのは今回が長編映画は初めてというイギリス出身の女性監督エメラルド・フェネル。
フェネル監督自身も俳優であり、また脚本家でもある。
Netflix「ザ・クラウン」ではカミラ夫人を演じており、またドラマ「キリング・イヴ/Killing Eve」の脚本家としてエミー賞にノミネートされている。
監督の配役に対するこだわりは下心だらけの男たちを演じる俳優に対しても発揮されており、いかにもそういうことをしそうな見た目やイメージの俳優ではなく、いわゆる「ナイスガイ」、世間的には良い人として見られているタイプを選ぶことで問題提起している。
本作は単なる復讐劇ではなく、今も世界中で起こっていることに対して様々な角度から考え、自分では無意識のうちに加害者の味方をしていないか問いかける内容となっている。
Under The Film:
スウィートで優しいイメージが強いキャリー・マリガンにとっては180度違う役柄に挑戦!
持前の演技力で復讐鬼を軽妙に演じ切っている。
当初、キャシー役はマーゴット・ロビーという案もあったが、フェネル監督の「主役はこういった役柄を演じていない女優」にしたいという意向でキャリー・マリガンに白羽の矢が立った。
プロデュースは、マーゴット・ロビーが主催する女性主人公の作品を主に製作するラッキーチャップ・エンターテインメント
Awards:
- 第93回 アカデミー賞:脚本賞・エメラルド・フェネル
- 第93回 アカデミー賞ノミネート:作品賞、監督賞・エメラルド・フェネル、主演女優賞・キャリー・マリガン、編集賞・フレデリック・トラバル
- 第78回 ゴールデングローブ賞ノミネート :最優秀作品賞(ドラマ)、最優秀主演女優賞(ドラマ)・キャリー・マリガン、最優秀監督賞・エメラルド・フェネル、最優秀脚本賞・エメラルド・フェネル
- シカゴ映画批評家協会:今後、期待される新人監督賞
- ニューヨーク映画批評家協会オンライン:主演女優賞・キャリー・マリガン、脚本賞・エメラルド・フェネル、新人監督賞・エメラルド・フェネル、トップ10フィルムズ・オブ・2020選出
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞:主演女優賞・キャリー・マリガン、トップ10フィルムズ・オブ・2020選出
- ロサンゼルス映画批評家協会賞:主演女優賞・キャリー・マリガン、脚本賞・エメラルド・フェネル
『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020年・イギリス・1時間53分)
監督:
エメラルド・フェネル
出演:
キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、アダム・ブロディ、レイ・ニコルソン、サム・リチャードソン 他
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