
一人の命のために奔走する大人たちの特別な旅『ベイビー・ブローカー』
名匠是枝裕和✖️名優ソン・ガンホで贈る感動のヒューマン・ドラマ。赤ちゃんポストから始まる命の大切さを訴えかける心の旅路

Story:
借金に追われながらクリーニング店を営むサンヒョン(ソン・ガンホ)と赤ちゃんポストがある施設で働く児童養護施設出身の孤独な男ドンス(カン・ドンウォン)。
彼らは裏で互いに手を組み、身寄りのない赤ちゃんを子供が欲しい人にあっせんするベイビー・ブローカーをしていた。
ある土砂降りの雨の晩、サンヒョンとドンスは若い女ソヨン(イ・ジウン)が赤ちゃんポストに預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。
しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、赤ちゃんのために新しい家族を探しているという嘘をつく二人。
サンヒョンとドンスを怪しむソヨンだったが、彼らと共に養父母探しの旅に出るのだった。
一方、サンヒョンとドンスを検挙するため尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、是が非でも現行犯で逮捕しようと追跡を始める。
旅路の果てに赤ちゃんを育ててくれる養父母は見つかるのか?
それぞれの運命の歯車が回り出す・・・。
Behind The Inside:
ソン・ガンホにとって、悲願のカンヌ映画祭・男優賞受賞!
今までに数回、作品と共にカンヌ入りしたことがある韓国が誇る名優ソン・ガンホだが、過去に男優賞を獲ったことはなかった。
本作で第75回カンヌ国際映画祭・男優賞を見事受賞したが、実は3年前にも受賞のチャンスはあった。
2019年開催の第72回カンヌ国際映画祭において、ポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』がパルム・ドール賞を受賞した時、審査委員長のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが非常に強くソン・ガンホを男優賞に推したとされたが、最高賞であるパルム・ドール賞受賞作品は、更に他の賞の授与はできないというカンヌ独自の厳格なルールがあり、誰もが認める名演技であったにも関わらずソン・ガンホに男優賞を授与することは叶わなかったという経緯があった。
あれから3年が経ち、本作での男優賞受賞の輝かしい栄誉でソン・ガンホは、その時の雪辱は果たしたと言えるのかもしれない。
今回、コンペ部門へ監督作『Decision To Leave』でカンヌ入りし、監督賞を受賞となったパク・チャヌク監督は、過去に代表作『渇き』(2009年)でソン・ガンホとカンヌ入りして審査員賞を受賞している盟友同士。
きっと南仏の地で互いの受賞を称え合ったに違いない。
Awards:
- 第75回カンヌ国際映画祭:コンペティション部門・男優賞・ソン・ガンホ、エキュメニカル審査員賞・是枝裕和
『ベイビー・ブローカー/Broker』(2022年・韓国・2時間9分)
監督:
是枝裕和
出演:
ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン
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