リベンジ・スリラー『ゴッド・イズ・ブレット/God Is a Bullet(原題)
『ゲーム・オブ・スローンズ』で名を挙げた次代のアクション・ヒーローとなりそうなニコライ・コスター=ワルドーと『イット・フォローズ』主演の今、最注目の女優マイカ・モンローがダブル・キャストされ、メキシコを舞台にした血に塗れた復讐譚。
ジェイミー・フォックス演じる男を仲間に引き入れ、三人のガンマンは無軌道なカルト集団を殲滅しに向かう。
マンソン・ファミリーとレオンとマチルダをステアしてマカロニ・ウエスタンで割ったようなリベンジ・ガン・アクション。
Story:
刑事ボブ・ハイタワー(ニコライ・コスター=ワルドー)は、元妻が狂信的なならず者カルト組織によって殺され、娘が連れ去られたことを知る。
警察による要領を得ない捜査は未解決に終わり、苛立つボブは警察を飛び出し、タトゥーを身体に入れ、自ら組織への潜入捜査を試みる。
ボブはカルト施設から脱出した被害者ケース・ハーディン(マイカ・モンロー)と謎の男、ザ・フェリーマン(ジェイミー・フォックス)の助けを借りて、娘の命を救うため、カルトの首領サイルス(カール・グルスマン)を追撃する。
Behind The Inside:
注目のマイカ・モンロー最新作!
『イット・フォローズ』(2014年)で主演した要注目の女優でプロのカイト・ボーディング選手でもあるマイカ・モンローと数々のスターを生んでいる『ゲーム・オブ・スローンズ』で名を挙げたニコライ・コスター=ワルドーのダブル主演の本作は、原作を元に実際に起きた事件にインスパイアされ、『君に読む物語』のニック・カサヴェテス監督がメガホンをとっている。
原作は、覆面作家ボストン・テランによるデビュー小説「神は銃弾/God Is a Bullet(原題)」で英国推理作家協会賞の最優秀新人賞にあたるジョン・クリーシー・ダガー賞を受賞し、エドガー賞 処女長編賞の候補ともなった名作。
この原作を元に実際に起きた事件にもインスパイアされてニックとボストンによって、脚色されている。
ニックといえば、アメリカ映画界の名匠ジョン・カサベテスを父に持ち、母は『グロリア』のジーナ・ローランズであるが、そんなサラブレットのニックにも苦い記憶がある。
ニックの別れた妻との諍いで自分の元にいた娘を妻に連れ去られ、誘拐事件となった思い出したくない経験があり、そのことも加味された脚本となっているのかもしれない。
硬軟、善人と悪人を演じ分けられるカメレオン俳優ジェイミー・フォックスを傍に据え、マイカ・モンローとニコライ・コスター=ワルドーというこれから映画界を面白くしてくれそうな役者を前面に出して、血みどろのガンアクションを展開するのだから、面白くない訳がない。
そして、注目すべきは、カルトの首領サイルスを演じるカール・グルスマンである。
カールは、ゾーイ・クラヴィッツが秘密にしていた元夫で『ノクターナル・アニマルズ』(2016年)、『ネオン・デーモン』(2016年)、『ルクス・エテルナ 永遠の光』(2019年)といったエッヂの効いた作品で存在感を放ち、マイカ・モンローとの共演最新スリラー『ウォッチャー/Watcher』(2022年)でもその不気味な演技が評判となった。
『ゴッド・イズ・ブレット/God Is a Bullet』(2023年・メキシコ・アメリカ・2時間35分)
監督:
ニック・カサヴェテス
出演:
マイカ・モンロー、ニコライ・コスター=ワルドー、ジェイミー・フォックス、イーサン・サプリー、ジャニュアリー・ジョーンズ、ギャレット・ウェアリング、ジョナサン・タッカー、カール・グルスマン、ポール・ヨハンセン、デヴィッド・ソーントン 他
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