挑発的なエコ・スリラー『HOW TO BLOW UP』
人間生態学者であり、さらにノンフィクション作家、環境活動家でもあるスウェーデンのアンドレアス・マルムが環境破壊と闘う思想とその行動を描き、欧米で大きな波紋を投げかけた話題の書「パイプライン爆破法 ー 燃える地球でいかに闘うか」にインスパイアされ映像化!
なんと、本作完成後にFBIから”エネルギー施設破壊を助長する可能性がある危険な思想の詰まった内容”だとして、警告が発せられたという前代未聞の曰くつきの映画となっている。
ダニエル・ゴールドヘイバー監督がメガホンをとったストーリーは、環境運動のためエコ・テロリズムを計画する様々な事情から集まった8名の環境活動家たちの目的遂行までの道のりを描く。
彼らは手始めに西テキサス、石油パイプラインの爆破テロを計画するのだが・・・。
Story:
カリフォルニア州ロングビーチ。
ソシィ(アリエラ・ベアラー)は、気候変動による地球への壊滅的な悪影響に憤りを感じていた。
なぜなら、彼女の母は石油精製所が引き金となった環境汚染に苦しめられた街で起きた熱波によって命を落としていたのだ。
ソシィは効果の弱い反対デモよりもより過激な環境活動家として、行動を起こそうとしていた。
友人のテオ(サッシャ・レイン)が環境汚染が原因で末期癌に侵されていたこともあり、エコ・テロリズムへと急速に傾倒していく。
プロジェクトに懐疑的な友人のアリーシャ(ジェイミー・ローソン)を巻き込み、デモで知り合ったフィルム・スクールに通うショーン(マーカス・スクリブナー)、石油精製所に先祖代々受け継いできた土地を収用され個人的恨みを持つテキサス生まれのブルーカラー・ワーカーのドゥエイン(ジェイク・ウィアリー)、そして、ノースダコタ居留地出身で爆発物制作に詳しいネイティブ・アメリカンのマイケル(フォレスト・グッドラック)、冒険好きのカップル、ローガン(ルーカス・ゲイジ)とロウハン(クリスティン・フロセス)がプロジェクトに加わる。
非暴力なアクションでは効果は不十分だとして、この環境活動家たちはアジトで手作り爆弾を制作し始める。
グループは手始めに土地勘のある西テキサスのドゥエインの土地に完成した石油パイプラインの爆破テロを計画する。
パイプライン破壊を成功させ、インスタグラムへ勝利の犯行声明を投稿することで世界の石油ビジネスへ暗い影を落とすことが狙いだったのだがー。
Behind The Inside:
原案となった本の著者は気候変動問題について独創的な思想家と呼ばれるアンドレアス・マルム
人間生態学者、ノンフィクション作家、環境活動家の肩書を持つスウェーデンのアンドレアス・マルムは静かなる抗議(非暴力不服従運動)が主流の環境運動ではなく、人間へは非暴力であるが、財物に対して破壊活動をすることで抵抗してゆくという考え方を自身の書物「パイプライン爆破法 ー 燃える地球でいかに闘うか」で記している。
この原案となった本と同名タイトルの本作は、曖昧にフィクション化された翻案作品として、ダニエル・ゴールドヘイバー監督の手により、短期間で一気呵成に完成した。
『HOW TO BLOW UP / How to Blow Up a Pipeline』(2022年・アメリカ・1時間44分)
監督:
ダニエル・ゴールドヘイバー
出演:
アリエラ・ベアラー、クリスティン・フロセス、ルーカス・ゲイジ、フォレスト・グッドラック、サッシャ・レイン、ジェイミー・ローソン、マーカス・スクリブナー、ジェイク・ウィアリー 他
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