青春映画のニューヒーロー、チャーリー・プラマーが連続殺人事件の真犯人を追う『クローブヒッチ・キラー』
10代の若者を主人公にしたジュブナイル映画とホラーとスリラーの要素がつまったスラッシャー映画が絶妙にブレンドされた連続殺人犯捜しの謎解きスリラー
Story:
思春期真っ只中の16才の少年タイラー(チャーリー・プラマー)は、信仰を重んじる小さな町の貧しくも幸せな家庭で暮らしている。
ある日、ボーイスカウトの団長を務め、町でも信頼の厚い父親ドン(ディラン・マクダーモット)の小屋に忍び込んだタイラーは、猟奇的なポルノや不穏なポラロイド写真を見つけてしまう。
不審に思ったタイラーが調べを進めてゆくにつれ、10年前に起きた未解決事件「巻き結び(クローブヒッチ)連続殺人事件」の犯人が父親ドンなのではと疑惑の念が深まってゆく。
同じく事件を追う少女カッシ(マディセン・ベイティ)に協力を求め、真相を究明しようとするが、
衝撃的な結末が純真無垢な少年タイラーを待ち構えていた・・・。
Behind The Inside:
本作に影響を与えたのは、実際に起きた全米を震撼させた連続殺人事件
本作は1974年からカンザス州ウィチタで30年間もの間、10人を殺害し、逮捕された”BTK”と名乗った絞殺魔デニス・レイダーが犯した凶悪事件からインスパイアされており、いくつかの演出ディテイルに事件からの影響が色濃く出ている。
Bind, Torture, Kill: The Inside Story of BTK, the Serial Killer Next Door (English Edition)
“BTKとは、Bind(緊縛)、Torture(拷問)、Kill(殺す)の頭文字から取られたと云われている。
潜伏期間が非常に長く、2004年まではいわゆるコールド・ケース(未解決事件)とされていたが、BTKはサイコパス独特の特性で自らの犯罪の詳細を警察へ送り付けるという行為を繰り返し、フロッピーディスクを送るという凡ミスで足が付き、逮捕された。
実際に犯罪を犯したのは10人とされているが、真実は闇の中で、警察とのインタビューで、「多くの幸運な人々がいる」と述べているように狙いを定めた人々へのストーキングを繰り返し、挫折した殺人計画が数多いとも云われている。
カンザス州は死刑制度廃止のため、現在、レイダーは最低175年、10回連続の終身刑でカンザス州の刑務所に服している。独房生活で1日1時間の運動、週3回のシャワー、そしてテレビやラジオへのアクセス、雑誌の閲覧なども許可されているという。
『クローブヒッチ・キラー』(2018年・アメリカ・1時間49分)
監督:
ダンカン・スキルズ
出演:
チャーリー・プラマー、マディセン・ベイティ、ディラン・マクダーモット、サマンサ・マシス
© CLOVEHITCH FILM, LLC 2016 All Rights Reserved
2021年6月11日 新宿武蔵館 他 全国順次公開‼
VOIDセレクト: チャーリー・プラマーを知る4本‼
荒野にて(字幕版)
ゲティ家の身代金(字幕版)
僕と頭の中の落書きたち
スポンティニアス
More To Read:
忽然と姿を消した脱獄囚を探す刑務所長の苦悩を描く社会派ミステリー・ドラマ『ウォーデン 消えた死刑囚』
深淵へようこそ・・・忌わしき資産家に遺された驚愕の地下室ミステリー『インヘリタンス』
恐ろしくも美しく照らし出す孤島の灯台ミステリー『ザ・ライトハウス』