フランスを代表する偉大なワインの生産地、その歴史は中世にまで遡ると言われるブルゴーニュ地方。醸造家たちが特級畑から摘み取られた葡萄から神々しいまでのワインに育て上げる様をカメラは美しく活写してゆく。極上のワインにまつわる叙事詩のようなドキュメンタリー
Story:
フランス、ワインの代名詞とも言われるブルゴーニュ地方。
素晴らしいワインの歴史は、中世にまで遡ると言われている。
ブルゴーニュのワインとは、単なるぶどう酒ではないという。
なぜなら、ブルゴーニュワインは美食への追求やワインへの愛だけが成せるのではなく、芸術として昇華しているからだという。
このドキュメンタリーは、偉大なワインの生産者、ソムリエ、そして本作の監督マリー=アンジュ・ゴルバネフスキーに、ワインについての大事な教えを授けた伝説的な醸造家ジャック・ピュイゼに強くインスパイアされ撮影された、ブルゴーニュ・ワインの真髄についての叙事詩。
ローマ時代から続く畑から生み出され、世界一高値で取引され飲むより語られることが多いと言われる稀少価値の高いワイン、名門ロマネコンティ。
7つの特級畑から摘み取られた葡萄だけがシャンベルタンを名乗ることができるとされ、力強さと品格を備えていることからブルゴーニュワインの王様と称えられるジュヴレ・シャンベルタン。
華やかで可憐な香りからブルゴーニュで最も女性的と表現される優美なワインを生むシャンボール・ミュジニー。
特級畑はないが、繊細で芳醇、優雅な味わいからブルゴーニュの貴婦人に譬えられるワイン、ヴォルネイ。
まるで金の雫を思わせるブルゴーニュ最高の白ワインのひとつとされるムルソー。
大地、空、そして人間の魂との出会いが奇跡のようなヴィンテージ・ワインを作り上げる姿をカメラは追い続ける。
Behind The Inside:
ワインとの本当の出会い
マリー=アンジュ・ゴルバネフスキー監督は、素晴らしいワインが何であるのかを知らなかったと言います。
しかし、ワインを深く知り始めるとそれは輪郭のない世界で、計り知れないくらい広大であることを思い知ります。
収穫の時に深く観察し、翌年、同じ時期に収穫を撮影をするという手法で撮影は進められました。
森の中を歩き、サン・ヴィヴァン修道院の頂上を散策し、時間は流れゆく。
葡萄の木が深く根を張り、良いワインを生み出すのに気が遠くなるほどの時間がかかり、そしてワイン・セラーではワインは樽の中で18ヶ月の間、時間をかけてゆっくりと熟成される。
このゆったりとしたリズムが監督にとって、人生のリズムを再発見することに繋がっていったと言います。
『ソウル・オブ・ワイン/The Soul of Wine』(2019年・フランス・1時間41分)
監督:
マリー=アンジュ・ゴルバネフスキー
© 2019 – SCHUCH Productions – Joparige Films – 127 Wall
Reels:
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