tenet、テネット、クリストファーノーラン

クリストファー・ノーラン監督作『テネット/TENET』に関して、現時点で分かること

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET』は、世界を駆け巡るスパイ物アクション・スリラー。第2弾の予告編も公開されたが第三次世界大戦を未然に防ぐために時を反転(もしくは重力操作?)できる(?)特殊能力を持つプロタゴニスト(善玉)と呼ばれるジョン・デヴィッド・ワシントン演じるエージェントが命がけで奔走するという大まかなストーリー以外、全容はいまだに掴めていない。ではアンタゴニスト(悪玉)は、誰のことなのだろうか?

映像が逆回転する場面が多々見られるが、タイムトラベル物ということではないようだ。そして、予告編の中で吐露される台詞の断片、「核による大量虐殺よりももっと恐ろしいもの」とは、一体何のことなのだろうか?

タイトルのテネットとは、ジョン・デヴィッド・ワシントンが所属する組織の名称であり、“主義” “教え” といった意味がある。前から読んでも後ろから読んでもTENETと読めるこの言葉はアンビグラムという鏡文字、物語の構造上のヒントにもなっているのかもしれない。

劇場公開が待望されているスパイアクション大作『TENET』の現時点で分かっていることをリストアップすることでそのストーリーと世界観の謎に少しでも迫ってみたい。

出演者について:

「大作映画への出演依頼の話には絶えず警戒してきた」と語るロバート・パティンソンは、撮影に入る前、施錠された部屋の中で本作の脚本を読んだ。今まで経験したことのないストーリーで夢中になって読んだと述べている。ノーラン監督だけに大作でもとてもオリジナリティ溢れる私的なクリエイションに感じられたので『TENET』に参加することにしたのだろう。

『ブラッククランズマン』(2018年)で話題を呼んだジョン・デヴィッド・ワシントンは、理解できないことだらけだった様子で、セットでのノーラン監督はどんなことでも質問をすると懇切丁寧に説明をしてくれ、恐れ入ったと述べている。早く完成した本編を観て、自分がどう繋がってどう映っているのか?を確認したいと言うほど。どんな映画になっているのか、演じきった後も完全には把握できていないのかもしれない。

190センチという長身でバレリーナから俳優へと転身したエリザベス・デビッキ(『ウィドウズ/Widows 妻たちの落とし前』(2018年))はその規格外の美しさで女優としての新境地を本作で見せてくれるだろう。

『A Million Little Pieces』(2019年)では、脚本執筆の才能まで披露しているアーロン・テイラー=ジョンソン(『キックアス』(2010年)『キングスマン・ファーストエージェント』(2020年)は、予告編で重装備した兵士として突入するシーンがほんの一瞬だけ映っているが、現時点では完全にカメオ出演的な扱いである。どうやら物語の鍵を握る重要な人物の一人のようだ。

1973年に俳優としてのキャリアをスタートさせたインド出身の女優ディンプル・カパディアは、今まで一度もオーディションを受けたことがないという幸運なキャリアの持ち主。TENETでもオーディションを受けずに役を手に入れている。
総てを見抜いている預言者のような役どころなのかも。

本作で8度目のノーラン監督とのタッグとなるマイケル・ケイン、そしてケネス・ブラナーは前作『ダンケルク』(2017年)に続いての出演。ロバート、アーロン、マイケル、ケネスとイギリス人俳優が主要な役どころを占めているのも愛国心溢れるノーラン監督作品のお約束だ。

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スタッフについて:

撮影は『ダンケルク』(2017年)に続いて、スイス人・シネマトグラファー、ホイテ・ヴァン・ホイテマが続投。前作でスピットファイアの実機を大空へ飛ばしたリアルに撮る主義のカメラマンは、今度は巨大なジャンボジェットの実機を格納庫へ突っ込ませて派手に炎上させている。

画像左:監督クリストファー・ノーラン / 画像右:撮影監督ホイテ・ヴァン・ホイテマ


編集は新しくジェニファー・レイン(『へレディタリー/継承』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『フランシス・ハ』)が担当。

音楽のハンス・ジマーは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『デューン』であまりにも忙しいためにスウェーデン人のルドゥイグ・ゴランソン(『クリード チャンプを継ぐ男』『ブラックパンサー』)が初参加。

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ストーリーについて:

クリストファー・ノーランの映画といえば、時間操作をテーマとした作品が実に多い。

  • 『フォロウィング』(1998年)→ 尾行する者と追われる者を時系列シャッフルで描く間にいつの間にか立場が逆転してしまう。
  • 『メメント』(2000年)→ 記憶を10分間しか維持できない男が妻殺しの犯人を追いながらストーリーが終わりから始まりまでリワインドして行くことで真相が明らかになって行く。
  • 『インセプション』(2010年)→ 夢の中に入り込む泥棒をテーマに時間と空間が階層化されて描かれる。
  • 『インターステラー』(2014年)→ ワームホール理論を使ったタイムトラベルがもたらす悲喜劇。

これらの作品の中で、本作『TENET』に最も雰囲気の近い印象の作品は、20年もの構想期間を経て製作された『インセプション』だ。ただ本作『TENET』はノーラン監督初のスパイ映画。とはいえ007のジェームズ・ボンドやミッション・インポッシブルのイーサン・ハントのような派手なアクションシーンばかりが続くということでもない。

予告編をじっくりと観察していると人や物が重力とは無関係に動いているように見えたりするのは空間的な隔たりに依存しない非局所性という古典物理学では説明できない振る舞いをしているということなのかもしれません。

それはつまり現在、世界各国で研究が進められている量子力学に関係していて、ある組織が量子コンピューター開発や量子テレポーテーション(空間移動)といった概念を使って全世界の秩序をひっくり返そうとしているというストーリーラインなのかもしれません。

タイトルのムービングロゴが真ん中の文字から徐々に消えて行くようにストーリー展開も起承転結などではなく、話の真ん中から始まり、一つのイベントに対して微妙に結末や過程が違う二通りの描き方をして、カットバックで交互に見せて行きながら、先の未来とかなり前の過去へとバタフライエフェクトの考え方に量子力学テレポーテーションが合わさり、未来と過去へとストーリーの真ん中で起きる二通りの出来事がさざ波のように寄せて影響をもたらすといった簡単に想像するにはかなりハードルの高いストーリー構成をしていたりするのではないでしょうか?(かなり荒唐無稽な予想です)

公開日について:

アメリカでの公開日が、収束する兆しのない新型コロナ感染拡大のため、8月12日(水)に再延期された。日本での公開は、9月18日(金)と変わらず。

TENETに関して、現時点で分かっていることをまとめてみました。クリストファー・ノーラン監督が創り出す映画は一度だけでなく何度も観て、その度に新たなる映像的刺激と気づきがある。映画の中の映画と呼んで異論はないであろう本作を映画館で無事、観ることができることを祈っています。IMAXシアターでも是非観たい!



TENET(2020年・アメリカ)
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デベッキ、アーロン・テイラー₌ジョンソン、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナー、マーティン・ドノヴァン、ディンプル・カパディア、ヒメーシュ・パテル、クレマンス・ポエジー
2020年9月18日(金)より全国ロードショー!
© SYNCOPY FILMS / Warner Brothers Entertainment Inc.

TENET 予告編

ワーナー映画『TENET』オフィシャルサイト


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