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突っ込みどころ満載映画 “No Kidding ムービーズ”⇒『クワイエット・プレイス』 注:ネタバレしていますのでご注意ください。 -スポイラー注意-

こんなストーリーはないでしょ!一体全体この設定はどうなってるの?話のつじつまが合わない、何で?こんな時にこんな死にそうな行動をするの!? こんなんだったら、あの時ああしていれば今、こんなことにならずに済んだのに!? 色々と噴出する疑念と疑問、観れば観るほどイライラしてしまう映画のアレコレを一刀両断‼ ネタバレ必死のスポイラー映画解説、今回の獲物は・・・

©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.

全米の劇場公開で約200億円を稼ぎ出し、日本での公開も約9億円のヒット!「音を立てたら、即死。」というキャッチで日本でも話題となった新感覚サバイバル・ホラー。

『クワイエット・プレイス』(2018年)
監督:
ジョン・クラシンスキー
出演:
エミリー・ブラント
ジョン・クラシンスキー
ミリセント・シモンズ
ノア・ジュプ
ケイド・ウッドワード
©2018 Paramount Pictures. All rights reserved.


メキシコに墜落した隕石から現れた、盲目だが鋭敏な聴覚で獲物を狙う異星からの怪物によって世界はほぼ壊滅していた。

アボット一家は手話を使うことで音を一切出さずに怪物から逃げ延び、森の中で暮らしていたが、その静かで平和な暮らしはいつまでも続くことはなかった・・・。


本作は、全米公開当時、全米最大の映画批評サイトRotten Tomatoesで驚異の95%フレッシュを叩き出し、オスカー監督ギレルモ・デル・トロやホラー小説の大家スティーブン・キングが鑑賞を推奨する大絶賛の事態となり、当然のごとく大ヒット現象となった。

確かに音を出してはならない!という設定は今までにないタイプの新感覚のストーリーで、そこから導き出される静かなるホラーは一度体験するとつい依存症になりやすい映画的仕掛け。

2021年公開予定の続編がすでに作られ、公開待機中であり、何と!? 3作目の製作アナウンスがされたばかりという続編ものフランチャイズ・ホラーとなってきた。


クワイエット・プレイス (字幕版)

元々、他の登場人物はほとんど出ず、森の中だけで展開する話でかなりのロウ・バジェットのホラー作品を作るという出発点だったとしか思えない本作『クワイエット・プレイス』。

主演のエミリー・ブラントの夫で俳優のジョン・クラシンスキー原案・脚本・監督・出演によるこの奇想天外なアイデアのストーリーは非常に優れているが、ディテイルでおかしな点がとても多い。

アメリカ人って、なんでこんなに大雑把なのか?などと、そのディテイルの詰めの甘さを考え始めると映画そのものに集中できなくなり、しまいにはイラっとしてくること請け合い。

まず、ストーリー序盤で橋を徒歩で通過中に一番年下の息子を怪物にさらわれるシーンで、あんなに気を配って行動しているのに何でまた年端のいかない子供に列の一番後ろを歩かせるのか?

しかも後で分かってくることだが、耳が遠い聾者の娘リーガン(ミリセント・シモンズ)が一度親が諦めさせた音の出るおもちゃを親に黙って弟に渡してしまったために、そのおもちゃから出た音のせいで怪物に襲われるとか、聾者に対してネガティブな扱いをしているのはいかがなものか?
しかも手話のレクチャーを出演者らに行ったという演者のリーガン役のミリセント・シモンズさんは実際に聾者であるということで、複雑な思いで演じたのではないのでしょうか?

あと本篇中で日付けが2度表示されるので、タイムライン的に怪物が出現してからの妊娠と分かるエミリー・ブラント演じるエヴリンの妊娠も何でこんな音を一切出せない非常時に子作りできるのか?とか、赤ちゃんが生まれて産声をあげた瞬間に、宣伝文句通り超即死!ですよ!と思うわけです。

旦那さんは、奥さんの臨月が近いというのに決死の覚悟で川へ魚釣りに出かけるとか、世界は壊滅的状況なのに家には電気がふんだんに供給されているとか、どこからこんなに多くの非常用の赤い電球を見つけてきたのか?とか細かいことを考え出すと無尽蔵に出てくる出てくる。

怪我を負ったエヴリン(エミリー・ブラント)が目覚めるとベッドの直ぐ下、膝上まで水漏れで浸水してるとか、コントみたいで、どんだけ気づかないで鈍いんだかと、唖然としてしまった。

盲目だが聴覚が発達しているという設定の怪物も川のせせらぎ、風の音、虫の音、鳥の鳴き声等、大きな生き物から発する音以外、自然界の音にはいちいち反応しないらしく、その違いが判然としないまま、食事中の音とか、雷が鳴るとか、大きな木の枝が折れて落下してくるとか、土砂崩れが起きるとか、そんな音でも怪物はいちいちワラワラと集まって来ないのだろうか?などといらぬ妄想をしながら、観続けることになる。

極めつけは、怪物はショットガン一発で倒せるということ。実は弱いんです。

そして、途中までショットガンを手にしていたお父さんのリー(ジョン・クラシンスキー)は、最後の方では、銃はどこかへ置いてきた様子で、武器としては圧倒的に不利なクワを手にして怪物と対峙します。

銃で撃ち殺せる怪物だったら、アメリカ軍の力で怪物を殲滅できたんじゃないのか?とか、映画で全く描かれていないのりしろ部分への妄想は果てしなく続きます。


とはいえ、来年公開!突っ込み待ちの続編2作目『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』公開の暁には、再び素直に観てしまうと思います。

3作目もどんなトンデモ展開が待っているのか?

楽しみで仕方ないフランチャイズ・ホラーシリーズの登場となりました。


映画『クワイエット・プレイス:DAY 1』公式サイト

シリーズ最新作『クワイエット・プレイス:DAY 1』2024年6月28日公開!舞台は大都市・ニューヨークへ!生存はほぼ不可能に!?世界が”沈黙”した日[DAY 1]を劇場で体感せよ!


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【更新】2021年8月14日


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