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  • 世界中、現代でも根深く続いている因習とも言える旧来の女性差別に立ち向かう、女性の勇気と革命の物語『ペトルーニャに祝福を』
ペトルーニャに祝福を、テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ、ゾリツァ・ヌシェヴァ

世界中、現代でも根深く続いている因習とも言える旧来の女性差別に立ち向かう、女性の勇気と革命の物語『ペトルーニャに祝福を』

美人ではなく、体型太め、大卒なのに仕事はアルバイトのみ。そんな彼女がある事件をきっかけに世の中の不条理に立ち向かってゆく

© Sisters and Brother Mitevski Production, Entre Chien et Loup, Vertigo.Spiritus Movens Production, DueuxiemeLigne Films, EZ Films-2019 All rights reserved

Story:

舞台は現代の東ヨーロッパ、北マケドニアの小さな町。

大卒でありながらその知識を活かした仕事に就くことができず、悶々としながらウェイトレスのアルバイトで日々を過ごす32歳のペトルーニャ(ゾリツァ・ヌシェヴァ)。

決して美人ではなく、体型は太め。恋人もいない。

ペトルーニャの母親は、知人のツテで娘の仕事の面接の口を探してきて、彼女に言う。

「きれいな恰好をしていって。本当の年齢でなく、25歳だというのよ」

面接のために友人から多少マシなワンピースを借りたぺトルーニャが嫌々ながら指定された場所に行くと、そこは縫製工場で、多くの女性がミシンの前で作業をしていた。

面接担当の男性責任者はあからさまに不遜な態度で、スマホをいじりながらペトルーニャにぶしつけに年齢を聞き、「42歳に見える」と 一言。

そして「デスクワークの経験はないが、大学で学んだ知識がある」と語るぺトルーニャに近づくと、スカートに手をかけ、からかった挙句に暴言を吐く。

「裁縫はできず、就職経験もない。事務もしたことがない。見た目もそそらない」

セクハラにあった上に不採用という最悪な面接の帰り道、ぺトルーニャはイエス・キリストの受洗を祝う「神現祭」に出くわす。

「神現祭」は地元の伝統儀式で“十字架投げ”と呼ばれるもので、司祭(スアド・ベゴフスキ)が川に十字架を投げ込み、その十字架を男達が追いかけ、手に入れた者には幸せが訪れると伝えられる祭りだ。

司祭が川に十字架を投げ込んだ瞬間、多くの男達が我先にと半裸で川に入っていく。

川沿いまで来たぺトルーニャは、投げ込まれると同時に自分の前に流れてきた十字架を見て思わず川に飛び込み、それを掴み取った。

「女性が取ったわ!」
女性達から上がった歓声を無視し、男達はぺトルーニャの手から十字架を取り上げる。

「私が最初に取ったのに!」「女が取るのは禁止だ!」
逆上する男達をなだめながらも、前代未聞の事態に戸惑いを隠せない司祭。

その混乱に乗じ、ペトルーニャは再び十字架を奪って逃亡する。

逃げたペトルーニャに憤る男達に警察署長までが加わって、祭の場は一層の混乱に陥っていた。

「神現祭」の取材に来ていたテレビ局の女性リポーター、スラビツァ(ラビナ・ミテフスカ)は、警察署長や司祭に予定とは違う取材を始める。

「女性が十字架を取るのは問題ですか? なぜ? どこに違法性が?」と尋ねるスラビツァに、「子供に男だけが取れる と教えている」と歯切れ悪く答える司祭。

なんとか騒ぎを収めたい警察署長は「君の仕事はイカれた女を追うことか?」と問いただすが、「怒り狂った集団が、彼女を追いかけているんですよ」と一歩も引かず言い返すスラビツァ。

その頃ペトルーニャの家では、ずぶ濡れで帰ってきた娘を娘を不審に思っていた母親が、「田舎町の珍事」というテレビニュースを見て事の次第を知り怒り狂う。

「罰当たりのバケモノ! 近所に何を言われるかわからない! 出ていけ!」 その母親に蹴りを入れて、ペトルーニャは言い放つ。

「十字架は私のもの! 絶対に渡さない!」

だが、家にやってきた警察にペトルーニャは連行されてしまい・・・。


Behind The Inside:

実際に起こった事件にインスパイアされて生まれた物語

2014年、マケドニア東部の町シュティプである女性が十字架を掴み取ったが、彼女は地元の住民と宗教関係者達の怒りを買った。

マケドニアを含む東ヨーロッパの東方正教を信仰するほとんどの国では、毎年1月19日の神現祭の日、十字架を川に投げ入れる行事が催されているが、女性はこの行事に参加することが許されていない。

彼女に対して地元住民の反応は、男性のみならず女性も含め、「狂っている」「精神障害」「問題のある」というもので、これを見たテオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督とプロデューサー兼女優のラビナ・ミテフスカは、これは社会の同調主義、根深く続いている女性蔑視の顕れで、放っておいてはならない問題だと痛感したところから生まれたとしている。

この「神現祭」のように男性のみ参加できるという祭は日本にも数多くある。

世界中に同じようなことは数多あり、だからこそペトルーニャの物語は彼女ひとりの物語ではなく、私達全てに共通する物語だと言えるのではないだろうか。


5/22公開「ペトルーニャに祝福を」予告編

【北マケドニアの小さな街。ペトルーニャは女性に禁じられた”幸せの十字架”を偶然手にするが――】32歳のペトルーニャは、美人でもなく、体型は太目、恋人もいない。大学で学んだのに仕事はウェイトレスのバイトだけ。主義を曲げて臨んだ面接でもセクハラに遭った上に不採用となった帰り道に、地元の伝統儀式”十字架投げ”に出くわす…

『ペトルーニャに祝福を』予告編

Awards:

  • 第69回 ベルリン国際映画祭:エキュメニカル審査員賞(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ)
  • 第69回 ベルリン国際映画祭:ギルド映画賞(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ)
  • LUX賞(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ)
  • スロベニア映画祭:Best Minority Coproductions賞受賞(テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ)
  • セビリア・ヨーロッパ映画祭:最優秀女優賞受賞(ゾリツァ・ヌシェヴァ)

『ペトルーニャに祝福を』(2019年・北マケドニア・ベルギー・スロベニア・クロアチア・フランス・1時間40分)
監督:
テオナ・ストゥルガル・ミテフスカ
出演:
ゾリツァ・ヌシェヴァ、ラビナ・ミテフスカ、シメオン・モニ・ダメフスキ、スアド・ベゴフスキ、ステファン・ブイシッチ、ビオレタ・シャプコフスカ
© Sisters and Brother Mitevski Production, Entre Chien et Loup, Vertigo.Spiritus Movens Production, DueuxiemeLigne Films, EZ Films-2019 All rights reserved

2021年5月22日 岩波ホール他 全国順次公開‼


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