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招聘作品の力で変革を続ける東京国際映画祭のリノベとクラファンが奏功したフィルメックス、東京、同じ日比谷エリアで行われた2つの映画祭の変革の波は穏やかに進行中だ。23回目を迎えた今年の東京フィルメックスは、先行して始まった東京国際映画祭と会期が5日間重なる形で有楽町朝日ホールで開催された。助成金を50%カットされたことで資金難となってしまったが目標300万円のクラウド・ファウンディングを実施。開催直前に目標金額を達成し、無事フル日程での開催にこぎ着けた。育っていった映像作家や映画ファンが出資することで1つの絆に繋がれるクラファンは悲嘆よりももっと夢のあることだと感じる、招聘作品セレクトから始まった映画祭のリノベ、日本的なコンセプトの映画祭はもうやめた方がよい、派手さはないがポテンシャルは高い!海外の映画祭と引けを取らないフィルメックス、【最優秀作品賞】 『自叙伝/Autobiography(原題)』、監督:マクバル・ムバラク、【審査員特別賞】 『ソウルに帰る/Return to Seoul(原題)』、監督:ダヴィ・シュー、【審査員特別賞】 『Next Sohee(英題)』、監督:チョン・ジュリ、【スペシャル・メンション】 『ダム/The Dam(原題)』、監督:アリ・チェリ、【観客賞】 『遠いところ/A Far Shore(英題)』、 監督:工藤将亮 、【学生審査員賞】 『地中海熱/Mediterranean Fever(原題)』、監督:マハ・ハジ 、市山尚三ディレクター、カイマック 』、ミルチョ・マンチェフスキ監督、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、『バルド、偽りの記録と一握りの真実』、Netflix、

招聘作品の力で変革を続ける東京国際映画祭のリノベとクラファンが奏功したフィルメックス

東京、同じ日比谷エリアで行われた2つの映画祭の変革の波は穏やかに進行中だ。23回目を迎えた今年の東京フィルメックスは、先行して始まった東京国際映画祭と会期が5日間重なる形で有楽町朝日ホールで開催された。助成金を50%カットされたことで資金難となってしまったが目標300万円のクラウド・ファウンディングを実施。開催直前に目標金額を達成し、無事フル日程での開催にこぎ着けた。育っていった映像作家や映画ファンが出資することにより、1つの絆で繋がれるクラファンは悲嘆よりももっと夢のあることだと感じる


招聘作品セレクトから始まった映画祭のリノベ

今年も二つの国際映画祭が東京、銀座・有楽町・日比谷エリアで開催された。

東京国際映画祭が10月24日から先駆けて開幕し、その5日後に東京フィルメックス が10月29日に開始。ほぼ同時期に開催される二つの国際映画祭により秋の銀座・有楽町・日比谷エリアは映画色に染まった。

映画ファンにとってはなんとも贅沢な映画体験ができる13日間ということになる。

東京国際映画祭は昨年同様、招聘する作品の力で映画祭そのものをリノベーションしようとしているように感じられる。

日本の映画ファンにも馴染みのある台湾の映画監督ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集は、東京国際映画祭と東京フィルメックスの二つの映画祭会場にまたがる形で上映され、母体は違えど映画祭同士が連携していることの証だと感じた。

ドイツのベルリン国際映画祭には、若手監督作品や実験的な作品を上映するフォーラム部門がある。

フォーラム部門は運営者が本体のベルリン映画祭とは全く別だが、同時開催となっていて、新人作家を多く扱うフィルメックスは、フォーラム部門に似ていると以前から感じていた。

連携することで川上から川下まで幅広く作品を網羅でき、総花的になることで年齢層もより幅広い観客動員が可能になるハズだから、この2つの映画祭の開催時期がディゾルブしてゆく志向は間違っていない。

東京フィルメックスの創始者である市山尚三ディレクターが昨年から東京国際映画祭のプログラミング・ディレクターに就任してからは、今年のベルリン、カンヌ、ヴェネチアでの気になる話題作がここ東京でも観ることが叶うようになってきた。

夏の終わりに開催されるイタリアのヴェネチア国際映画祭のコンペ部門で金獅子賞を受賞し圧勝したトッド・フィリップス監督作『ジョーカー』(2019年)のサクセスあたりから、ここ数年アメリカのアカデミー賞の前哨戦の一つとなる傾向が出てきた。
だがそれによって出品審査のハードルが上がったようで映画祭の開催タイミング的にヴェネチアのコンペ部門ではじかれた作品の受け皿の一つの映画祭となりつつあることから良作が集まり易くなってきているそうだ。

ただ上映作品が充実してきているということに反して、YouTubeで観たオープニングのレッド・カーペット・セレモニーはお通夜のようだった。

日本的なコンセプトの映画祭はもうやめた方がよい

未公開の最新の洋画を追い続けているウェブマガジンVOIDとしては、どうしても観たかったすでに弊誌で記事にしてきた注目の最新映画の鑑賞と検証、見知らぬ映画を通して未来を切り開く映像作家との出会い、そして記事化をそそられる取材をしてみたい興味深いイベント、この3点に集中して、2つの映画祭を観て回った。

何しろ海外の三大映画祭でかかった映画を同年内にいち早く観れるとあって寝不足になりながら日比谷詣でを大いに楽しんだ。

映画祭は自分が観たいものだけを選んであとは脇目も振らずに上映館を渡り歩いていればこれほど楽しいことはないが、ほとんどの場合、記者会見がないのが本当に寂しい限りだ。舞台挨拶では得られる情報があまりにも少ない。

開会式のお祭り気分のパレードも必要ではあるが、映画祭で本来必要な催しは、正式上映前のメインの上映館に入場する時の監督と出演陣によるレッド・カーペット・ウォークである。(あとプレス・カンファレンス(記者会見))それが上映前の舞台挨拶に集約して置き換えられているところが日本的なのだ。

マスコミへの対応も、昨年同様クロージング・セレモニー取材へ行かないと、本来セレモニーよりも誰もが審査結果の考えを聞いてみたい審査員の授賞後の会見場所には入れてはもらえないなど、セレモニーと受賞会見がセットになっているのが、マスコミというものに対する期待と施策、考え方がよく分かるものだった。

東京のど真ん中での開催なので、受賞該当作品の映画関係者が不在の場合、都内にある大使館の大使が代わりに受賞トロフィーを受け取るというのはよく考えついたなとは思うが、撮る方は正直シラケる。

空前の円安なのだからもっとゲストには来日してもらって、延泊して日本のよいところを観て回って貰えばよいものをとは余計なことだが思ってしまう。

舞台挨拶があることで省略されてしまっている、海外では必ずある筈の作品ごとに開くプレス・カンファレンスは国内配給が付いている作品で配給会社仕切りで会見を開かなければ行わない慣習も、映画祭仕切りで記者会見を開くようにはならないものなのか?

作品ごとに記者会見を開かなければ、海外の映画誌の記者やメディアは来ないと思う。

あと日本国内の映画に関してのメディア・ライターが育たない。

気になったイベントはこの3つ。
新作『カイマック 』をワールド・プレミア上映の場として来日した、欧米の著名な大学で映画に関しての教鞭をとるほど映画術に長けた北マケドニア出身の名匠ミルチョ・マンチェフスキ監督の貴重なティーチイン。交流ラウンジは有楽町 micro FOOD&IDEA MARKETで行われた。

メキシコ出身の名匠アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の最新作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』についてのBASE Qでの記者会見。

そしてその数時間後、再びイニャリトゥ監督が14年ぶりに復活をした黒澤明賞授賞式に登壇し、同賞受賞者の深田晃司監督と共に黒澤作品への思い入れのあるスピーチを披露した帝国ホテルでの取材イベント。

Netflix仕切りで東京ミッドタウン日比谷にあるイベントスペースBASE Qで行われた前述の『バルド、偽りの記録と一握りの真実』が待機中のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督来日記者会見の取材には赴いた。

『バルド、偽りの記録と一握りの真実』アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督来日記者会見

世界の映画人に自慢できるスペースであることは間違いない、東京ミッドタウン日比谷BASE Qは、オンライン配信にまで対応した極めてモダンな素晴らしいスペースなので、ここをメインの記者会見場にして、全てのコンペ作品といくつかの特別上映作品の記者会見を開催すればよいのにと思った。

何事もコストがかかるということなのだろうが、宝の持ち腐れというのか、ミッドタウン日比谷という折角の立派な箱を生かし切れていない。

写真:左から、神谷直希東京フィルメックス・プログラム・ディレクター、リティ・パン( 映画監督 )、キム・ヒジョン( 映画監督 )、キキ・ファン( 映画プログラマー )

派手さはないがポテンシャルは高い!海外の映画祭と引けを取らないフィルメックス

投下している資本もライト・ウェイト級だからこそのフットワークの良さと、ベルリン国際映画祭とも協調しながら新人作家を育てる試みを行っているため、新たな発見ができる魅力と底力のある作品が集まる東京フィルメックス。

東京フィルメックスの運営は昨年とさほど変わらない印象だったが、主に新型コロナ対策のことを考えてか、上映後は館内になるべく滞留させないような対応がされていたように感じた。

Q&Aは、すっかりオンライン版Q&Aは実施しなくなったが、よきオンラインQ&Aは過去にいくつもあった。

2年前の『天国にちがいない』のエリア・スレイマン監督の時など、とても楽しく、観客と同じ空間で対峙しているわけではないからか、独特のリラックス感や観客への働きかけなどもあり、来日できない監督などはオンラインでもQ&Aを積極的に行っていただきたいと思った。

映画に関わったご当人たちが登壇しないからと言って、有り難みが薄れるということはなく、世界といつでも繋がっているということを体感できるオンラインのQ&Aはもっとあってよいと感じる。

コロナ感染対策の会場設備のデジタル化でコストがかかっていっているとのことだったが、入場もパッドによる自動読み取りであったり、昨年同様、チケットの購入もオンラインで端末で簡単に取ることができた。

まだ予算が割ける東京国際映画祭と比べるとより合理的であり、世知辛さよりも利便性すら感じた。

ただ通常、プレスパスとして配られるIDカードも画像のみの送付で特にフィジカルなIDカードとしては存在せず、スマホの画像フォルダにIDの写しを入れておいて、何があれば見せるといったことでよいのかもとは思ったのだが、やはりプレスがIDを首からぶらさげているという国際映画祭の一つの景色は様々な観点から省略しない方がよいのでは。

デジタル化がコスト高になるということから昨年は実施された有料のオンライン上映が今年は無くなっていた。

昨年、筆者は出品監督の見逃し作品や、他では観ることは難しい過去の代表作など、例えばジャッカワーン・ニンタムロン監督の『消失点』他、数本の作品をレンタルして観た。

期間限定ということもあり、通常、映画をオンライン・サイトでレンタルして観るのよりも得難い作品を観ることができたという感動が残り、あのサービスはぜひ復活させていただきたいと切に願う。

フィルメックスで上映されても日本で配給・上映されることなく、幻の過去の作品となっていく映画もあるのだ。

難しいこととは承知の上で、例えばフィルメックス・オンライン・シアターを常時開設し、ここでしか観ることができない作品を鑑賞できるといった取り組みもしていただけないだろうか、と思っている。

新人作家を育てているという国際映画祭最強のツールを持っている東京フィルメックス

今回もまた全ての参加作品の鑑賞をコンプリートすることは無理ゲーであった。

各賞受賞作品に関しては、審査員の方々が決めたことなので異論はないが、感銘を受けた映画は確実に別の作品であった。

審査員によってモノサシが変わっていってしまうというのは致し方ないことなのだろうか。

無冠に終わった上映作品の中に好きになった映画があるという作品バラエティの豊かさと密度の濃さ、ここで観なかったら終生観れなくなる作品もあるのかもしれないと思わせるところが、この映画祭の瞠目すべき点である。

東京フィルメックスは、「タレンツ・トーキョー 2022」という映画監督やプロデューサーを目指すアジアの参加者に対してプロからの講義や映画関係者へのプレゼンテーションによって、映画製作のためのノウハウとネットワーク構築の機会が得られる場を毎年、映画祭の傍で同時開催している。

11階の会議スペースで行われているので、観客にとっては窺い知れないことではあるのだが、多くの映像作家たちがここを経由して監督となっていき、監督作品が東京フィルメックスでお披露目されるという機会を得るといった流れとなっている。

こうして未来の映像作家を育てる一翼を担うことで、その作家が世界へと羽ばたいて行き、ひいては映画祭の権威に重みがつき、プレゼンスが上がって行くという図式があり、そうすることが映画祭が生き残り、繁栄するための重要な術の一つとなっている。

こうしたフローが朝日ホールに来場した観客にも映像かパネル写真か、図式チャートか、何か具体的な形で知ることができると観客の一人として、コンペ作品への向き合い方も変わるのではないのかと、今回感じた。

コロナ対策でロビーに人の流れが滞留して不味いのであれば、オンラインで記録やその後の作家たちの足跡をお知らせするなどの特設サイトがあってもよいのかもしれない。

特筆すべきは、今年も各言語での通訳の方々の仕事が素晴らしく、快適にQ&Aに聞き入ることができた。

神谷直希東京フィルメックス・プログラム・ディレクター

2年目となった神谷プログラム・ディレクター主導の下、正しく前を向いて映画祭を作っていることが感じれられた今年の東京フィルメックス。

スタッフの皆様方のたゆまぬ努力のおかげで、今回も刺激と得ることの多い映画祭を堪能することができたことに、厚くお礼を申し上げたいと思います。


第23回東京フィルメックス・受賞結果

『自叙伝/Autobiography(原題)』 より

【最優秀作品賞】
『自叙伝/Autobiography(原題)』
(2022年・インドネシア、フランス、シンガポール、ポーランド、フィリピン、ドイツ、カタール・ 1時間56分)

監督:マクバル・ムバラク

授賞理由
見事な演出による自信に満ちた映画スタイルで、モラルコントロールの巨大な網に対する個人の抵抗の探求は、次第に権力構造が不穏な邪悪さへと変化する様子を描いている。このテーマは緊急かつ普遍的である。


マクバル・ムバラク監督

まずプログラミング・ディレクターはじめとして、映画祭の皆さんにお礼を伝えたいと思います。この映画を信じてくださったこと、そしてこの映画はこれからインドネシアで公開となります。これによって、簡単に紹介しやすい映画ではないかもしれませんが、今後、ますます本作品への期待が高まるのではないかと思います。プロデューサーはこの場にはおりませんが、この喜びを分かち合いたいと思います。ありがとうございました。

マクバル・ムバラク監督、受賞喜びのコメント

『ソウルに帰る/Return to Seoul(原題)』 より

審査員特別賞
『ソウルに帰る/Return to Seoul(原題)』
(2022年・ドイツ、フランス、ベルギー、カタール・1時間56分)
監督:ダヴィ・シュー

授賞理由
私たちはどこから来て、どこへ行くのか? アイデンティティと出自を求めることで、疑問や可能性、新たな展望を切り開き、他にはない魅力的な文化と映画の旅へと導いている。


受賞の喜びを語るダヴィ・シュー監督(ビデオ)

「ソウルへ帰る」の監督をしたダヴィ・シューです。
東京フィルメックスの審査員特別賞を受賞できてとてもありがたく、そして名誉に思っております。
この映画が受賞するとは夢のようです。
今は、映画祭での上映を観客のみなさまとご一緒できなかったことを残念に思っております。
審査員の皆さま、選んでいただき本当にありがとうございました。
映画祭の皆さまにもお礼を言いたいです。この映画祭で上映するのは私の夢でした。
できれば日本で配給会社を見つけてもっと多くの人に見てもらえるようになればと願っております。

ダヴィ・シュー監督からの受賞喜びのメッセージ

『Next Sohee(英題)』より

審査員特別賞
『Next Sohee(英題)』
(2022年・韓国・2時間18分)
監督:チョン・ジュリ

授賞理由
企業文化や資本主義が効率や経済的成果を追求する冷酷な世界では、人命やその他の価値がどのように犠牲になっているかが考察されることで、人を搾取するメカニズムに光が当てられている。


チョン・ジュリ監督

シナリオを書いて、撮影して、編集している時には、ここ東京フィルメックスに来て、こうして皆さんとお会いしているとは想像もしていませんでした。韓国社会の小さな話だからと思ったからです。しかし、こうして上映されまして、観客の皆さんがご覧になって、心から共感してくださる。その姿を見て、私は感動しました。本当に久しぶりに作った映画なのですけれども、このような大きな賞で私を応援してくださいました。審査員の方々に心より感謝申し上げたいと思います。この作品に着手した瞬間から完成して今、ここに至る瞬間まで私の最も力強い同志であり、最高の俳優のぺ・ドゥナさん、そして私に会った瞬間からソヒそのものの姿で私の前に現れてくださいましたキム・シウンさん、このお二人にこの幸運を捧げたいと思います。実はですね、私は上映を終えた後、昨日、韓国へ戻ったのですが、この知らせを聞きまして、今日再び、こちらへ戻ってまいりました。私が映画の中で描いている悲しみよりももっと悲惨な現実がありまして、私は心を痛めておりました。皆様からいただきました格別な感激に勇気をもらい、映画の力というものを信じ、私が韓国へ戻りましたら、全力を尽くして映画を作って行きたいと思います。本日は本当にありがとうございました。

チョン・ジュリ監督からの受賞喜びのコメント

『ダム/The Dam(原題)』より

【スペシャル・メンション】

『ダム/The Dam(原題)』(2022年・フランス、スーダン、レバノン、ドイツ、セルビア、カタール・1時間20分)
監督:アリ・チェリ

授賞理由
リアリズムとイマジネーションを融合させた芸術的で詩的なこの作品は、腐敗やグローバル化の危険性に対する人間のどうしようもない闘いを隠喩的に表現している。


登壇時のアリ・チェリ監督

こんばんは。みなさんと今晩一緒にいられなくてとても残念です。このスペシャル・メンションは私にはとても重要です。特にこれが東京からのものだからです。審査員のみなさまと東京フィルメックスの選考委員の方々、スタッフのみなさまに感謝したいと思います。今週映画祭で観客のみなさまと一緒に映画を見られてすばらしかったです。私の思い、友人たちスタッフのみんなはスーダンやベイルートにいるのでこのスペシャルメンションは彼らに捧げます。そしてこの作品を作るのに参加してくれたみんなに捧げます。ありがとうございました。

アリ・チェリ監督から受賞の喜びのメッセージ

■第23回東京フィルメックス コンペティション審査員:
リティ・パン ( フランス・カンボジア / 映画監督 )
キム・ヒジョン ( 韓国 / 映画監督 )
キキ・ファン ( 香港 / 映画プログラマー )


『遠いところ/A Far Shore(英題)』より

【観客賞】
『遠いところ/A Far Shore(英題)』
(2022年・日本・2時間8分)
監督:工藤将亮


工藤将亮 監督

才能豊かな監督たちが集まる東京フィルメックスのコンペティションで上映できたこと、そんな中で観客賞を受賞できたこと、大変光栄です。まだ何者でもない自分の作品を信じ、演じてくれた花瀬琴音さん、キャストのみんなの演技が観客の皆様に届いたことが何よりもうれしいです。そして、撮影に関わってくださった全ての沖縄の皆様にスタッフを代表して御礼申し上げます。

『遠いところ/A Far Shore(英題)』工藤将亮 監督の受賞喜びのコメント

映画『遠いところ』オフィシャルサイト

2023年劇場公開|現代社会の病巣に鋭く切り込む新鋭・工藤将亮監督の才気溢れる衝撃作


『地中海熱』/Mediterranean Fever(原題) 』 より

授賞理由
この映画からは、彼らのアイデンティティを包み込むような優しさを感じました。
ユーモアあふれる演出の中に漂う、確かな絶望感。
決して明るくない社会に生きる一人の人間と、映画の外までも続いていく世界の広がり、そしてその先の人生も描き出されていました。

【学生審査員賞】
『地中海熱/Mediterranean Fever(原題)』
(2022年・パレスチナ、ドイツ、フランス、キプロス、カタール・1時間48分)
監督:マハ・ハジ


『地中海熱』が学生審査員賞を受賞したことをとても感激しましたし、大変感謝しています。このような素晴らしい賞をいただけた映画祭審査員の方々と映画祭に感謝いたします。今、東京で皆さんと一緒にいられたらと本当に思います。そうすることができれば更に夢のような体験になったでしょう。

マハ・ハジ監督からの受賞喜びのメッセージ

学生審査員:
はるおさき(東京藝術大学大学院)、山辺愛咲子(武蔵野美術大学)、高野志歩(立教大学)



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