フル・スロットルで見逃すな!『ワイルド・スピード ファイヤーブースト』
カーアクション映画の限界突破を更新し続けてきた『ワイルド・スピード』サーガ
22年もの歳月をかけ、実に10作目となったメガヒット・シリーズも次回11作目で現在のメンバーでの最終章となる。
アクション映画を撮らせたら、目を見張るほどキレのいい演出力を誇るフランス人監督ルイ・ルテリエを迎えた本作では、再びドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)のファミリーに一大危機が訪れる。
新たなメンバーも参加して、仲間たちはバラバラになりながらも一致団結し、復讐の鬼と化した強敵ダンテ(ジェイソン・モモア)に挑んでゆく!
Story:
今度の敵は、ワイスピ史上、最も手強い復讐鬼!
かつてブラジル、リオの富を牛耳っていた悪徳実業家であり、麻薬王エルナン・レイエス(ジョアキム・デ・アルメイダ)。
レイエスは『ワイルド・スピード MEGA MAX/Fast Five』(2011年)の劇中、闇金1億ドルをドム(ドミニク・トレット:ヴィン・ディーゼル)たちにまんまと強奪され、さらにアメリカ外交保安部の捜査官ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)が、DSSの捜査チーム全員をレイエスに皆殺しにされた恨みから一転してドムに協力したことで死亡、組織は壊滅的打撃を受けた。
父レイエス、そして全てを失った、たった一人のサバイバーである息子ダンテ(ジェイソン・モモア)は、ドムへの憎悪の念を燃やし続けていた。
12年もの歳月をかけ、ドムのみならず、彼の愛する家族、そして仲間たちを一掃する壮絶な復讐プロトコルが今、始まる。
サイファー(シャーリーズ・セロン)と手を組み、周到に準備したダンテは、まずドムのファミリーの仲を引き裂き、追い詰めてゆく。
このままではファミリーの誰かが犠牲になる!それほど苛烈な攻防戦の最中、ダンテの最大の狙いが明らかになる。
それはドムの8歳の愛息、リトル・ブライアン(レオ・アベロ・ペリー)の命を奪うこと。
そのことを知った時、愛する者を守るため、ドムの怒りが一気に爆裂する。
Behind The Inside:
シリーズ終焉に向かって強化される全部乗せ的集大成と深化する謎
予告編冒頭シーン、ドムの家の庭でのガーデン・パーティの最中、ドムとミア(ジョーダナ・ブリュースター)の母、アブエリタ・トレット(リタ・モレノ)が皆に語りかけるシーンを観るとミアに向かって右隣の席が空席となっていることに注目して欲しい。
ファミリーは、デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム) 以外は、全員着席している。
では、ここには一体、誰が座るのか?
デッカードが「いやいや、遅くなってスマン!」と言って、皆のひんしゅくを買いながら滑り込んでくる可能性はある。
また本作初参加のブリー・ラーソンが演じるテスは、ミスター・ノーバディ率いる特殊部隊の正体不明の関係者とされ、生死不明とされるミスター・ノーバディ(カート・ラッセル)の娘とも・・・。
巷では、テスはもしかするとブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)の実の妹なのではないか?とも騒がれているが、真実は不明のまま。
もしも、ブライアンの妹であれば、ミアの隣であるからにはこの席は彼女のためであろう。
その時は乗ってくる車は、勿論、スカGで間違いない。
また『ワイルド・スピード EURO MISSION』(2013年)の劇中、恋仲であったハン(サン・カン)の身代わりで輸送機から転落死したジゼル・ヤシャール(ガル・ガドット)が実は生きていて、本作もしくは、最終作となる次作に登場するのではないかとも噂されている。
元モサド兵士であったジゼルであれば、生還している可能性は大いにある。
またヴィン・ディーゼルからもジゼルを演じた今やトップ・スターとなったガル・ガドットにワイスピ・ユニバースに戻ってきて欲しい旨の熱烈なラブコールも発信されている。
突然、ジゼルがやってきて、ハンを涙ぐませる可能性もなきにしもあらずだ。
一体、誰が着席するのか?
本作を観てのお楽しみである。
Under The Film:
製作費もシリーズ最高額の約3.4億ドル
前作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021年)の7割増しの製作費は約3.4億ドルと桁違いで史上5番目に高額な映画製作費となった。
近年の『スターウォーズ』シリーズや007ボンド映画と肩を並べる破格の額である。
高騰した主な理由は、メイン・キャストたちの出演料が上がったことや増員された豪華な出演陣への出演料、世界各地のロケ地での物価の高騰、また新型コロナ・ウィルス感染予防対策への諸経費の増大などが挙げられている。
ちなみに本作に出演する女優の内、4名が、なんとアカデミー賞受賞者というなかなかレアな配役となっている。
- ブリー・ラーソン『ルーム』(2015年)第87回アカデミー賞主演女優賞
- ヘレン・ミレン『クィーン』(2006年)第78回アカデミー賞主演女優賞
- シャーリーズ・セロン『モンスター』(2003年)第76回アカデミー賞主演女優賞
- リタ・モレノ『ウエスト・サイド物語』(1961年)第34回アカデミー賞助演演女優賞
オスカー女優が4人も出ているのだから、このことだけをみても当然、製作費は上がるわけである。
『ワイルド・スピード ファイヤーブースト/Fast X』(2023年・アメリカ)
監督:
ルイ・レテリエ
出演:
ヴィン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、ジェイソン・モモア、タイリース・ギブソン、リュダクリス、ジョン・シナ、ジェイソン・ステイサム、ジョーダナ・ブリュースター、ナタリー・エマニュエル、サン・カン、レオ・アベロ・ペリー、シャーリーズ・セロン、ブリー・ラーソン、ヘレン・ミレン、リタ・モレノ、スコット・イーストウッド、マイケル・ルーカー、アラン・リッチソン 他
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