ロマンティック・アクション・アドベンチャー『ゴーステッド Ghosted』
ウブな青年が愛した女性は、実はCIAエージェントだった⁉︎
素敵な彼女との突然の恋からメッセが全て未読スルーという事態に、ロンドンまで彼女を追いかけて行った青年だが、そこから命を賭けたあり得ない冒険の数々が始まる。
アナ・デ・アルマスとクリス・エヴァンスを主演に迎え、『ボヘミアン・ラブソティ』を大成功に導いた監督デクスター・フレッチャーによるコミカルなスパイ・アドベンチャー!
Story:
善良な青年コール(クリス・エヴァンス)は、気さくで魅力的な女性セイディ(アナ・デ・アルマス)との偶然の出会いから一目惚れし、その場でデートして恋に落ちる。
すっかりセイディに夢中になったコールは何度も何度もテキストメッセージを送るが、多忙を極める彼女にはゴーステッド(未読スルー)され、連絡を断たれたのかとヤキモキし、家族の勧めもあって渡航先のロンドンへと彼女の消息を追って旅立つ。
しかし渡航先で突然コールは暴漢に襲われ拉致監禁されるが、そこにいきなり銃器を持って現れたセイディの急襲で無事に救出される。
セイディは、実はCIAのエージェントで重要なミッションを遂行中であることを白状し、訳もわからず、彼女と地の果てまで行動を共にすることとなるコール。
そしてセイディには、世界中から彼女の命を狙うバウンティ・ハンターが押し寄せ、一般人であるコールも彼女を守るため決死の応戦に打って出るのだったが・・・。
Behind The Inside:
ミュージカル映画のシン・名匠デクスター・フレッチャーは音楽マニア?
アラン・パーカー監督作『ダウンタウン物語』(1976年)のベビーフェイス役に始まり、子役スターとして映画界で活躍を始めたデクスター・フレッチャー。
その後、デビッド・リンチ監督の異端の作品『エレファント・マン』(1980年)、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)などの名画に出演してきた名脇役であり、『ワイルド・ビル』(2011年)以降、監督業にも進出したデクスター・フレッチャー。
デクスターは近年の大ヒット映画となったイギリスを代表するロックバンドであり、日本のロックファンには馴染みの深いクイーンのボーカリスト、フレディ・マーキュリーの人生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)の監督をブライアン・シンガーが降板し、後半の撮影から仕上げまでを監督した影の立役者として知られる。
その後もエルトン・ジョンの半生を描いたウェルメイドなロック・ミュージカル映画『ロケットマン』を監督し、ミュージカル・スタイルの作品演出には、類まれなセンスとコダワリを感じさせる監督として存在感を強めている。
デクスターが音楽に強い興味を示していることは本作の予告で使用されているスコットランドのフォークロックバンド、ザ・プロクレイマーズの名曲「I’m Gonna Be(500 Miles)」が非常に効果的に使用されていることでも分かる。歌詞が映画の内容にドンピシャなのだ。
キミに会うためならボクは500マイルの距離だって歩いちゃうよ
“I’m Gonna Be(500 Miles)” by ザ・プロクレイマーズ
500マイルなんてへいちゃらさ
1000マイルだって歩けるくらいさ
そしてキミの部屋のドアの前に倒れ込んじゃうのさ
双子のミュージシャンによるイギリス人に愛され続けてきているこの名曲は、そもそもジョニー・デップ主演の兄妹愛の映画『妹の恋人』(1993年)の劇中で使われ、世界的に大ヒットしたもの。
デクスター・フレッチャーは、よほどこの曲を愛しているらしく、過去に監督したミュージカル映画『サンシャイン 歌声が響く街』(2013年)でも使われ、今回、本作でももうこの曲しかないだろう!というくらい思いっきり予告で使っている。
Under The Film:
息のあった主演のアナとクリスは、3度目のタッグ
主演のCIAエージェントを演じるアナ・デ・アルマスとボーイフレンド役のクリス・エヴァンスは、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019年)、『グレイマン』(2022年)に続き、3度目の共演となる。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)、『グレイマン』(2022年)とスパイ・アクション映画への出演が続き、すっかりアクション・スターのイメージも板に付いてきたアナは、本作への出演の後、更にジョン・ウィック・シリーズのスピン・オフ映画『バレリーナ(原題)』(2024年)完成が待たれる。
本作は構想当初はスカーレット・ヨハンソンが主演となっていたが、スケジュールの都合という理由で降板してアナに白羽の矢が立ったが、クリスとは劇中、仲のいいところを見せているので結果オーライなのではないのだろうか。
監督のデクスター・フレッチャーは元々、撮影現場や演じる物の苦労を理解できる俳優ということもあり、またかなりの好人物らしく撮影現場は相当楽しかったそうで、アナはまたご一緒したいと述べているそうだ。
『ゴーステッド Ghosted/Gohsted』(2023年・アメリカ・1時間56分)
監督:
デクスター・フレッチャー
出演:
アナ・デ・アルマス、クリス・エヴァンス、エイミー・セダリス、エイドリアン・ブロディ、ティム・ブレイク・ネルソン、テイト・ドノヴァン、マーワン・ケンザリ、リジー・ブロードウェイ、マイク・モー 他
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