シュールレアリストの驚くべき秘密『ウェルカム トゥ ダリ』
唯一無二の奇想天外な作風とそれを形にする画家としての高い技量で20世紀を代表する画家の一人となったスペインのアーティスト、サルバドール・ダリ。
ポップ・カルチャー全盛の70年代、ニューヨークで夜ごと繰り広げられるパーティを堪能し尽くし、アートの最前線を独走していたのは、口髭を生やし、奇抜なスタイルのダリだった。
その奇想天外なシュルレアリスムの大家の源泉とは何なのか?
ダリと創作パートナーであった妻のガラとの私生活、アートと金の関係など知られざるエピソードを盛り込みダリの真の姿を映し出す。
Story:
1974年、ニューヨーク。
デュフレーヌ画廊で働き始めた青年ジェームス(クリストファー・ブライニー)は、シュールレアリストの画家サルバドール・ダリ(ベン:キングズレー)が個展を開くためのアシスタントを務めることになる。
ダリと妻ガラ(バルバラ・スコヴァ)に気に入られたジェームスだったが、パーティ三昧の日々で個展開催の3週間前になっても絵は一枚も仕上がらなかった。
だが業を煮やしたガラの怒声でダリの創作意欲に火がつき、一気呵成に傑作を描き上げるダリの姿を見て、ますます傾倒してゆくジェームスであった。
個展終了後もダリのために働くことになるジェームスは、ダリの故郷ポルト・リガトへ同行する。
ジェームスはダリの原点に触れ、その唯一無二の摩訶不思議な世界にさらにのめり込んでゆく・・・。
Behind The Inside:
アート青年、ジェームス・リントン役はエズラ・ミラーが演じる予定だった。
ダリと出会い、その奇抜な感性に影響され、近寄り過ぎたために後に幻滅することになる架空のアート好きの青年ジェームス(クリストファー・ブライニー)は、本来はエズラ・ミラーが演じるハズだったが、他出演作とのスケジュール調整が合わず、やむなく青年期のダリを演じることとなった。
ハリウッドのトップ・スターとなったエズラ・ミラーがダリの青年期だけを演じているということの違和感の理由はここにある。
またダリの創作意欲の源泉であり作品製作のプロデューサー的な存在であった妻ガラ(バルバラ・スコヴァ)役もまた当初は、『ミセス・ハリス、パリへ行く』(2022年)のレスリー・マンヴィルがアナウスされていたが、気性の激しかったガラに近い雰囲気を持つドイツの演技派女優、バルバラ・スコヴァにバトンタッチしている。
『ウェルカム トゥ ダリ/Daliland』(2022年・アメリカ・フランス・イギリス・1時間37分)
監督:
メアリー・ハロン
出演:
ベン:キングズレー、バルバラ・スコヴァ、エズラ・ミラー、アンドレア・ペジック、クリストファー・ブライニー、ルパート・グレイヴス、スキ・ウォーターハウス、マーク・マッケンナ、他
© 2022 SIR REEL LIMITED