実際に起きた石油利権をめぐる連続怪死事件の完全映画化!『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
原作は「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー・リストに40週連続でランクインした前代未聞のベストセラー・ノンフィクション『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』。実話を綿密に調べ、書き上げた作家デイヴィッド・グランによる渾身の傑作である。
石油利権に群がる白人によるネイティブ・アメリカンに対する容赦のない収奪の実態と、周囲で起こる謎の連続怪死事件を一人の捜査官が追う。
巨匠マーティン・スコセッシ監督が常連俳優であるレオナルド・ディカプリオとロバート・デニーロの2大スターを迎えて放つ、渾身のクライム・ストーリー!
Story:
1920年代のオクラホマ州オーセージ。
白人に追いやられたネイティブ・アメリカンのオーセージ族であったが、何もない荒地で石油を掘り当てたことから莫大な富を得る。
第一次世界大戦の兵役から帰還したアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)は、オクラホマで”キング”の異名をとるやり手のビジネスマンである叔父のウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)にタクシー運転手の職をあてがってもらう。
運転手の仕事の傍ら、オーセージ族の娘モリー(リリー・グラッドストーン)と知り合い二人は恋に落ちる。
叔父のウィリアムの勧めもあり、二人は結婚するが、実はキングをはじめとする白人たちの恐ろしい企みがあったのだった。
オーセージ族の財産を狙うキングと他の白人たちは言葉巧みにオーセージ族をたぶらかして次々と富を収奪してゆく。
やがて連続怪死事件が周囲で起き始め、特別捜査官トム・ホワイト(ジェシー・プレモンス)は後にFBIとなる捜査局の命を受け、オーセージへ赴くが、利権、人種差別が複雑に交錯する状況から捜査は困難を極めてゆく。
Behind The Inside:
4回目の共演となるレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロのご縁は切っても切れない仲
そもそもデ・ニーロとディカプリオの出会いは、『ボーイズ・ライフ』(1993年)での初共演で、この時にレオナルド少年の天賦の才能に気づいたデ・ニーロは、スコセッシ監督にレオナルドの凄さを伝えている。
その後、レオナルドは『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)に出演し、長きに渡ってのスコセッシ監督との映画出演を通してのご縁が始まった。
本作はレオナルドにとって7作目のスコセッシ組への出演となり、デ・ニーロにとって11作目のスコセッシ組への出演作となる。
レオナルドとデ・ニーロは、本作が4作目の映画共演となったが、実はスコセッシ監督にとっては、初めて二人が顔を合わせる記念すべき映画となった。
設定上の叔父と甥という血が繋がっているという二人の関係も記念すべき作品として素晴らしい。
デ・ニーロの悪党顔はいつものこととして、愛する妻と悪辣な叔父との間で苦悩するレオナルドの名演は正に見応えのある作品となっている。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン/Killers of the Flower moon』(2023年・アメリカ・3時間26分)
監督:
マーティン・スコセッシ
出演:
レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、リリー・グラッドストーン、ジェシー・プレモンス、タントゥー・カーディナル、ブレンダン・フレイザー、ジョン・リスゴー、カーラ・ジェイド・マイヤーズ、ジャナエ・コリンズ、ジリアン・ディオン、スコット・シェパード、ルイス・キャンセルミ、ウィリアム・ベロー、パット・ヒーリー、タタンカ・ミーンズ、マイケル・アボット・ジュニア 他
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