1991年の雲仙・普賢岳の火砕流で惜しくも命を落としたフランスの火山学者、カティアとモーリス・クラフト夫妻。
火山を求めて情熱的に世界中を旅した彼らが記録し続けたアーカイブ映像と写真を元に、雄大で荘厳な火山に魅せられたおしどり夫婦の火山愛を描いたドキュメンタリー。
Story:
雄大で荘厳な火山活動に魅せられ、世界中の火山を求めて旅したフランス人の火山学者、カティアとモーリス・クラフト夫妻。
二人は1960年代から情熱を持って果敢に火山に近づき、数多くの噴火活動の映像と写真を記録し続けた。
噴き上げる溶岩に近づく、その怖いもの知らずで勇気ある行動から”火山のデアデビル”とあだ名されたが、1991年6月の雲仙・普賢岳の火砕流に巻き込まれ、不幸にも命を落とした。
運命的な火山愛に引き込まれてゆく情熱的なおしどり夫婦の記録の日々を描く。
Behind The Inside:
夫妻が残したアーカイブ映像と写真で構成された濃厚な火山愛ドキュメンタリー
クラフト夫妻の死後、夫妻が撮影し続けた映像と写真の数々を丁寧にまとめ上げた作品となっており、新規に撮影したインタビューといった新しいマテリアルは一切入っていない。
Must Point:
本年度アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞ノミネート!
監督のサラ・ドサは、単なるネイチャー系ドキュメンタリーにするのではなく、アーカイブ映像に刻まれていたウィットに富んだクラフト夫妻の火山との愛ある関わり方に焦点をあてた。
自ずとナレーションも、よくあるネイチャー系の天からの声的なものではなく、彼らの世界観に通じる活動をしてきた女優であり、監督、パフォーマーでもあるミランダ・ジュライが担当し、そのユニークな火山ラブの世界を見事にまとめ上げた。
ちなみに、ミランダの夫は映画『カモン カモン』監督のマイク・ミルズである。
作品への評価は非常に高く、本作は第95回アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞にノミネートされている。
Awards:
- 第95回アカデミー賞・長編ドキュメンタリー賞・ノミネート
- サンダンス映画祭・ジョナサン・オッオペンハイム編集賞・エリン・キャスパー、ジョセリン・チャプット
- シカゴ映画批評家協会賞・最優秀ドキュメンタリー賞
- ゴールデン・トマト(ロッテン・トマト)賞・最優秀ドキュメンタリー賞
『ファイヤー・オブ・ラブ 火山に人生を捧げた夫婦/Fire of Love(原題)』(2022年・アメリカ・カナダ・1時間38分)
監督:
サラ・ドサ
出演:
ミランダ・ジュライ、カティア・クラフト、モーリス・クラフト
© FIRE OF LOVE PRODUCTIONS, INC.
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